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大家族
巣立ち(なんか、駄目な父親だったな)
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新暦〇〇〇七年六月十九日
刃や明達カマキリ人間は、こちら側の密林ではおそらく最強の猛獣の最有力だと思う。身体能力もそうだが、それに加えて三十八口径程度の弾丸では貫通しない程の強度を持った天然の装甲を備えた彼女らに敵う動物は限られているだろう。
そういうこともあって、俺は、明が一人で密林に入って行くことについてはさほど心配していなかった。もちろんドローンなどで見守りはしてたが、誉や深に対してほどは、注意を向けてなかった気がする。
それに、明のことは光が気に掛けてくれてたし。気に掛けてくれてると思っていたし。
だが、深がヒョウ人間の弦を捉まえたそのすぐ後、明が家に帰ってこなくなった。密林の中で一人過ごし、狩りをし、夜は木の上で両腕で首を守るように体を丸めて眠る姿がドローンによって捉えられていた。
「って、これってまさか、<巣立った>ってことなのか…?」
木の上で眠る明の姿をタブレットで見ながら、俺はエレクシアに尋ねていた。無論、エレクシアにその答えが分かると思ってのことじゃない。ただ彼女の意見を聞きたかっただけだ。
「おそらく、そういうことなのでしょうね」
エレクシアの答えは、分かり切っていたことだが相変わらず冷淡だった。
「マジかよ……」
言われるまでもなくそういうことなのだろうとは俺だって分かってたと思う。思うが、あんまりにもあっさりしたそれに、人間としての俺の感覚ではついていけなかったのだ。
「なんだよ…見送りくらいさせろよな……」
正直、ちゃんとあの子のことを見てやってなかった俺がそんなことを言う資格はないのかもしれない。彼女らは彼女らの生態に従って、一人で生きていく能力を得られたからそうしただけなんだろうと思う。だが、切ないな。
仕事仕事で家庭を顧みず、気が付いたら子供の心が離れてしまって家に居場所がなくなってた父親の気持ちってこんな感じなんだろうかと思ってしまった。こんなことならもっと構ってやればよかったという悔恨の念……
來がいなくなったことに気付いた時もそうだった。気付いた時には巣立ってて、川を下って、今は本流の方で暮らしているらしい。年齢は六歳を迎え、見た目にはもう十代半ばくらいといった感じの立派なワニ人間になって巣立っていった來は、元々俺の子じゃないからまだ仕方ないとも思ったが。
でも、明は紛れもなく俺の子だったんだよな。その巣立ちを見送ってやれなかったことに、俺はどうしようもなく情けない気分になっていた。
駄目な父親だった自分自身に対してな。
刃や明達カマキリ人間は、こちら側の密林ではおそらく最強の猛獣の最有力だと思う。身体能力もそうだが、それに加えて三十八口径程度の弾丸では貫通しない程の強度を持った天然の装甲を備えた彼女らに敵う動物は限られているだろう。
そういうこともあって、俺は、明が一人で密林に入って行くことについてはさほど心配していなかった。もちろんドローンなどで見守りはしてたが、誉や深に対してほどは、注意を向けてなかった気がする。
それに、明のことは光が気に掛けてくれてたし。気に掛けてくれてると思っていたし。
だが、深がヒョウ人間の弦を捉まえたそのすぐ後、明が家に帰ってこなくなった。密林の中で一人過ごし、狩りをし、夜は木の上で両腕で首を守るように体を丸めて眠る姿がドローンによって捉えられていた。
「って、これってまさか、<巣立った>ってことなのか…?」
木の上で眠る明の姿をタブレットで見ながら、俺はエレクシアに尋ねていた。無論、エレクシアにその答えが分かると思ってのことじゃない。ただ彼女の意見を聞きたかっただけだ。
「おそらく、そういうことなのでしょうね」
エレクシアの答えは、分かり切っていたことだが相変わらず冷淡だった。
「マジかよ……」
言われるまでもなくそういうことなのだろうとは俺だって分かってたと思う。思うが、あんまりにもあっさりしたそれに、人間としての俺の感覚ではついていけなかったのだ。
「なんだよ…見送りくらいさせろよな……」
正直、ちゃんとあの子のことを見てやってなかった俺がそんなことを言う資格はないのかもしれない。彼女らは彼女らの生態に従って、一人で生きていく能力を得られたからそうしただけなんだろうと思う。だが、切ないな。
仕事仕事で家庭を顧みず、気が付いたら子供の心が離れてしまって家に居場所がなくなってた父親の気持ちってこんな感じなんだろうかと思ってしまった。こんなことならもっと構ってやればよかったという悔恨の念……
來がいなくなったことに気付いた時もそうだった。気付いた時には巣立ってて、川を下って、今は本流の方で暮らしているらしい。年齢は六歳を迎え、見た目にはもう十代半ばくらいといった感じの立派なワニ人間になって巣立っていった來は、元々俺の子じゃないからまだ仕方ないとも思ったが。
でも、明は紛れもなく俺の子だったんだよな。その巣立ちを見送ってやれなかったことに、俺はどうしようもなく情けない気分になっていた。
駄目な父親だった自分自身に対してな。
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