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騎士団長の息子
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レグルスくんに私なりのアドバイスを送った翌日。
なんと彼はすぐにカイルくんを連れて図書館を訪れた。
行動力がすごいのかそれだけ切実なのか。
初めて会ったカイル・アルファンくんは濃紺の髪に深緑色の瞳の青年だった。
騎士団長の息子ということもあり程々の筋肉はついているのだろうけど、全体的な印象は細身だ。
「初めまして。カイル・アルファンと申します」
「こちらこそ初めまして。ナツメ・シンカイです」
理知的な瞳は賢そうで、彼は見るからに頭脳労働が得意なタイプに思えた。
「レグルスから話を聞いて来たのですが……」
そう言いながらも彼の瞳にはいくばくかの不信感があるように見える。
そりゃあそうだろう。
実際に言葉を交わしたレグルスくんならともかく、まったくの初対面の相手に対して無条件で信用してしまうのであれば逆に心配だ。
ほどよく疑ってくれるくらいがちょうど良い。
「話を聞いているのであれば早いわね。さっそく成績表を見せてもらっても?」
いつものスペースで彼ら二人にはソファを勧めると私は閲覧用の椅子を持ってきた。
お茶を飲んだりするためのテーブルは少し狭かったけれど問題になるほどではない。
それにしても本当にここは便利な場所よね。
高位貴族、言ってしまえば王族や公爵家、侯爵家レベルでなければ入って来れないスペースともなれば基本的に誰も来ない。
あまり人に聞かれたくない話をするにはうってつけの場所といえた。
あ、ちなみにレグルスくんは公爵家の嫡男でカイルくんは侯爵家の嫡男だ。
トルス国には二つの公爵家と三つの侯爵家があり、国の運営は王族と共にその五家が束ねているといっても過言ではないらしい。
お互いに近い立場ということもあって二人は学園でも親しく過ごしているのだろう。
二人の間には気安い雰囲気が流れていた。
「お前、この人本当に大丈夫なのか? たしか聖女様と共にこの世界に来た異世界人なんだろ?」
「大丈夫だ。昨日話したけれど、言っていることはまともだったからな」
おいおいそこの二人。
内緒話のつもりかもしれないけど、声が大きくて内緒になってないよー?
「私は二人の悩み相談につき合わなくても良いのだけど?」
私の笑顔も引きつるってものよね。
「いえ! ぜひアドバイスがいただきたいです」
慌てたように言ったレグルスくんに、まぁしかたないかと思う。
そんなやり取りをしながらも見せてもらった成績表によると、カイルくんはレグルスくんとは逆に主要教科はとても良くできていて剣術や武道の項目は普通だった。
とはいえ、全体的には良くできる部類に入るだろうから二人ともさすがと言える。
それにこれから専門科に分かれればその専門科目の成績はさらに上がるだろう。
なるほど。
この成績表とさらには窺い知る性格と、総合的に考えれば彼らの希望も理解できる。
逆の家に生まれていたらそんな悩みもなかったのだろうけど。
というか、そもそも適正に関係なく家門で仕事が決まってしまうのなら人材を活かしきれてないよね。
本当、もったいないと思うんだけど。
そう考えれば今回の彼らの悩みはそういった当たり前に風穴を開ける良い機会なのかもしれない。
……なんて、そんなことを私が考える必要があるのだろうか?
そんな疑問を感じながら、私は彼らにできる限りのアドバイスを伝えたのだった。
なんと彼はすぐにカイルくんを連れて図書館を訪れた。
行動力がすごいのかそれだけ切実なのか。
初めて会ったカイル・アルファンくんは濃紺の髪に深緑色の瞳の青年だった。
騎士団長の息子ということもあり程々の筋肉はついているのだろうけど、全体的な印象は細身だ。
「初めまして。カイル・アルファンと申します」
「こちらこそ初めまして。ナツメ・シンカイです」
理知的な瞳は賢そうで、彼は見るからに頭脳労働が得意なタイプに思えた。
「レグルスから話を聞いて来たのですが……」
そう言いながらも彼の瞳にはいくばくかの不信感があるように見える。
そりゃあそうだろう。
実際に言葉を交わしたレグルスくんならともかく、まったくの初対面の相手に対して無条件で信用してしまうのであれば逆に心配だ。
ほどよく疑ってくれるくらいがちょうど良い。
「話を聞いているのであれば早いわね。さっそく成績表を見せてもらっても?」
いつものスペースで彼ら二人にはソファを勧めると私は閲覧用の椅子を持ってきた。
お茶を飲んだりするためのテーブルは少し狭かったけれど問題になるほどではない。
それにしても本当にここは便利な場所よね。
高位貴族、言ってしまえば王族や公爵家、侯爵家レベルでなければ入って来れないスペースともなれば基本的に誰も来ない。
あまり人に聞かれたくない話をするにはうってつけの場所といえた。
あ、ちなみにレグルスくんは公爵家の嫡男でカイルくんは侯爵家の嫡男だ。
トルス国には二つの公爵家と三つの侯爵家があり、国の運営は王族と共にその五家が束ねているといっても過言ではないらしい。
お互いに近い立場ということもあって二人は学園でも親しく過ごしているのだろう。
二人の間には気安い雰囲気が流れていた。
「お前、この人本当に大丈夫なのか? たしか聖女様と共にこの世界に来た異世界人なんだろ?」
「大丈夫だ。昨日話したけれど、言っていることはまともだったからな」
おいおいそこの二人。
内緒話のつもりかもしれないけど、声が大きくて内緒になってないよー?
「私は二人の悩み相談につき合わなくても良いのだけど?」
私の笑顔も引きつるってものよね。
「いえ! ぜひアドバイスがいただきたいです」
慌てたように言ったレグルスくんに、まぁしかたないかと思う。
そんなやり取りをしながらも見せてもらった成績表によると、カイルくんはレグルスくんとは逆に主要教科はとても良くできていて剣術や武道の項目は普通だった。
とはいえ、全体的には良くできる部類に入るだろうから二人ともさすがと言える。
それにこれから専門科に分かれればその専門科目の成績はさらに上がるだろう。
なるほど。
この成績表とさらには窺い知る性格と、総合的に考えれば彼らの希望も理解できる。
逆の家に生まれていたらそんな悩みもなかったのだろうけど。
というか、そもそも適正に関係なく家門で仕事が決まってしまうのなら人材を活かしきれてないよね。
本当、もったいないと思うんだけど。
そう考えれば今回の彼らの悩みはそういった当たり前に風穴を開ける良い機会なのかもしれない。
……なんて、そんなことを私が考える必要があるのだろうか?
そんな疑問を感じながら、私は彼らにできる限りのアドバイスを伝えたのだった。
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