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4章
114話 おかえり
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船と言ってもどういう物かにもよると思う。
やっぱり船って言われれば帆船とか、豪華客船とか、氷山に当たって沈んでいくとかああいうのだろうけど、一応手漕ぎボートでも船って言われれば船になる。
「海に手漕ぎボートって無謀すぎじゃね」
えっちらおっちらとオールで漕いでいる忍者を横目に煙草を吹かしつつ水平線を眺める。眺めると言ってもこれが単純に水平線を眺めてボケーっとしているわけではない。ちゃんとトラッカーを発動して辺りを警戒しつつ、その海上にあるというダンジョンの方角へ進んでいる。
水深は10mくらいか、それ以上って所だな。だいぶ沖の方へと進んでいるし、忍者の漕いでる方向が正しいと信じるしかないって所も強い。
スタミナは特にないのでえっちらおっちら漕ぐだけであればオートらしい。方角とか目的地へは自分でやるしかないのでそこは忍者の漕ぐ腕前に任せている。
「はい、ストップ」
「またっすか!」
漕ぐ手をやめさせ、少しだけ止まってからしばらくその場で待機。その後また漕ぐのを再開させる。いちいちこれをやるのが煩わしいと文句を言ってくるのだが、ダンジョンに行く前に余計な戦闘は避けておきたいだけだ。
「……いいわよ、進めて」
「さっきからどういう指示なんすか?」
「エンカウントしないようにしてんのよ、ダンジョンアタックする気もなかったし、あまり消耗したくないでしょ」
「流石っす!」というような顔でこっちを見てるが、それくらい考えてゲームするもんだろ。なんでもかんでも持ち上げてすごいとか流石とか、薄っぺらい称賛にもほどがある。って言うか、こんな四方八方敵に囲まれるような所で警戒しないで突き進めれると思っている方が凄いわ。
「よくある気配わかるーとか、隠れるーとかそういうのはないわけ?」
「持ってるっす、でもここじゃ意味ねえっす」
そらこんだけばちゃばちゃ音立てて、船の上にいるのに隠れるとかないわな、気配も水中じゃまた別の問題なんだろう。
「こんなんだったら釣りスキルとか探しておけばよかったわ」
ちらちら水面見る位ならがっつりみて釣りでも堪能しながらダンジョンに向かえば良かった。
そもそも釣りスキルって……いや、あるだろ、色んなスキルもあるし、釣りって色んなゲームでもとりあえず実装して、そればっかりやってるって人もいるし。
個人的に釣りと言えば竜に変身するRPGだな、あれはミニゲームとして完成度が高かった。特にシリーズ4作目は釣りばっかりやってたし。
「で、後どのくらいで行けるわけ?」
「そうっすねー、貰ったマップからみたらあと十分くらいっすかね」
「釣り道具でも自作するかね……」
波は穏やか、たまにくるやばそうな敵は息を潜めてやり過ごしている間に何か自作出来ないか考えてみるが、手持ちじゃ無理だな。カーボンファイバーみたいなものを鉄延べ棒を糸状にして編み込めば……って考えたけどこれじゃ無理だな。糸とか縄も持ってきてないし、軽い物は作れるとしても、やっぱり材料が無いならそれは無理って事だな。
「と、おもったけど材料が無いのよね。何だかんだで色々使ったり売ったりしたし……暇すぎるわ」
「じゃあ戦闘の一つや二つでもしながらいくっすか?」
「余計な事して火薬湿気らせるの嫌だからなあ……まあ、索敵はしてやるから、そのダンジョンいこうや」
「ういーっす」
別に悪い旅じゃない道中ではある。沖の方に出たら結構綺麗だし、波は穏やか、たまにやばそうな魚類がいるってくらいだし。
それにしても海とか船系のエリアって結構苦戦と言うか、頭一つ抜ける強さの相手が出てくるんだけどなあ……有名なRPGでも船でエリア広がった途端にきつくなるとか、適当に降りた陸地が2倍くらい強い相手だったりとかもザラだったし。
とにかく余計な戦闘が起きない様に気を張って辺りを警戒しながら進めるあたり、シンボルエンカウントはこう言う所が便利……と、思ったがどっちかっていうとシームレス戦闘になるな。
「にしてもこの移動時間が結構暇だし、準備もしていくか」
ぶっちゃけこの海ってかなり私としては最強に近い敵になる。まずパイプライフルに入れてる火薬が湿気るっぽい。さらに言えば銃弾の密閉度もそんなに高くないと思うのでそっちも不発に終わりそうだ。詰まるところ今私は最強の敵である「湿気る」って言う相手をしている。
ただ、この敵も戦わなければただのジメジメしてる環境というだけで他の問題はないわけだ。だからこそトラッカーを使って戦闘回避しているわけだ。
「まあ、頑張って頂戴、誘ったんだから誘った場所まで連れていくのはあんた次第よ」
「分かってるっすよぉ!」
えっちらおっちら漕いでいる所を見たり、水面に顔を出してみたりしながらメニューを開いて、まずはカスタマイズを選択していく。
此処で思い出したと言うか、火薬が湿気る湿気らない話題でパイプライフルを未だに使う必要性が無くなったわけだ。そもそも火薬と玉さえ出せればいいって発想でウサ銃をばらして作り直した代物だし。銃弾を作れた今になればウサ銃を復帰させればパイプライフルには用がない。銃弾切れたときに使えるってのはあるが、そこまでして保持する必要はあるのかって所もある。
まずこのパイプライフルの銃剣部分をカスタマイズでナイフと分離。で、ガンスミスを選択しなおしてパイプライフルを分解。銃身と銃床に分かれて、接続パーツは消失。針金巻いただけだからこの部分はしょうがないな。
「それ、何やってるんすか?」
「ばらして組み立てしなおして作り直してるのよ、これ」
そのままばらした物で、ウサ銃の銃身と銃床、針金を選択して作成。合わせてナイフも銃剣としてカスタマイズで付けて完成。使ってなかった火薬と玉は戻ってくるあたり親切設計だな。数日ぶりに復活してくるウサ銃をちょっとした親心で見つめながら確認するのだが。
名前:カスタムM2ラビット(劣化) 武器種:長銃
必要ステータス:STR5 DEX5
攻撃力:+15 命中:+10
効果:セミオート 命中時固定ダメージ40 装弾数5発
付属品:ナイフ(効果:攻撃力+13 命中+15 固定ダメージ無効 一定確率で破損)
詳細:空薬莢が跳ねて飛ぶ所から命名 接続パーツが不安定の為劣化
やっぱりちゃんとした接続パーツを作れないと劣化するみたいだ。地味に命中と固定ダメージ落ちてるから、安定度が落ちてるっていう話なんだろう。それでもパイプライフルよりも全然使えるし、いいんだけど。
「っと、完成……やっぱ針金じゃブレるってのがあるから補正もさがるっぽいな」
「そんな簡単に出来るんすね……2枠スキル増やすのも面白そうっすね?」
「ま、何でも出来るのは楽しいわよ」
そういえばウサ銃ってクリップ装弾だけど、何故かクリップ自体はデフォ装備なのよね。マガジンだけルールが特殊っぽい。どっちにしろインベントリから5発取り出して装填しておく。パイプライフルはパイプライフルで一本作っておけば火薬直で使えるし、考えておこう。
「それにしても、作成するのすぐだから、あんまし景色も変わり映えしなきゃ進めないわね」
「そんな事言ってもしょーがないじゃないっすか!遭難しないだけマシっすよ!」
「やる事飽きてきたからスピードアップしてよ」
「無茶ぶりがすぎるっすよ!」
それでも頑張って漕ぐあたり良い奴だな。
やっぱり船って言われれば帆船とか、豪華客船とか、氷山に当たって沈んでいくとかああいうのだろうけど、一応手漕ぎボートでも船って言われれば船になる。
「海に手漕ぎボートって無謀すぎじゃね」
えっちらおっちらとオールで漕いでいる忍者を横目に煙草を吹かしつつ水平線を眺める。眺めると言ってもこれが単純に水平線を眺めてボケーっとしているわけではない。ちゃんとトラッカーを発動して辺りを警戒しつつ、その海上にあるというダンジョンの方角へ進んでいる。
水深は10mくらいか、それ以上って所だな。だいぶ沖の方へと進んでいるし、忍者の漕いでる方向が正しいと信じるしかないって所も強い。
スタミナは特にないのでえっちらおっちら漕ぐだけであればオートらしい。方角とか目的地へは自分でやるしかないのでそこは忍者の漕ぐ腕前に任せている。
「はい、ストップ」
「またっすか!」
漕ぐ手をやめさせ、少しだけ止まってからしばらくその場で待機。その後また漕ぐのを再開させる。いちいちこれをやるのが煩わしいと文句を言ってくるのだが、ダンジョンに行く前に余計な戦闘は避けておきたいだけだ。
「……いいわよ、進めて」
「さっきからどういう指示なんすか?」
「エンカウントしないようにしてんのよ、ダンジョンアタックする気もなかったし、あまり消耗したくないでしょ」
「流石っす!」というような顔でこっちを見てるが、それくらい考えてゲームするもんだろ。なんでもかんでも持ち上げてすごいとか流石とか、薄っぺらい称賛にもほどがある。って言うか、こんな四方八方敵に囲まれるような所で警戒しないで突き進めれると思っている方が凄いわ。
「よくある気配わかるーとか、隠れるーとかそういうのはないわけ?」
「持ってるっす、でもここじゃ意味ねえっす」
そらこんだけばちゃばちゃ音立てて、船の上にいるのに隠れるとかないわな、気配も水中じゃまた別の問題なんだろう。
「こんなんだったら釣りスキルとか探しておけばよかったわ」
ちらちら水面見る位ならがっつりみて釣りでも堪能しながらダンジョンに向かえば良かった。
そもそも釣りスキルって……いや、あるだろ、色んなスキルもあるし、釣りって色んなゲームでもとりあえず実装して、そればっかりやってるって人もいるし。
個人的に釣りと言えば竜に変身するRPGだな、あれはミニゲームとして完成度が高かった。特にシリーズ4作目は釣りばっかりやってたし。
「で、後どのくらいで行けるわけ?」
「そうっすねー、貰ったマップからみたらあと十分くらいっすかね」
「釣り道具でも自作するかね……」
波は穏やか、たまにくるやばそうな敵は息を潜めてやり過ごしている間に何か自作出来ないか考えてみるが、手持ちじゃ無理だな。カーボンファイバーみたいなものを鉄延べ棒を糸状にして編み込めば……って考えたけどこれじゃ無理だな。糸とか縄も持ってきてないし、軽い物は作れるとしても、やっぱり材料が無いならそれは無理って事だな。
「と、おもったけど材料が無いのよね。何だかんだで色々使ったり売ったりしたし……暇すぎるわ」
「じゃあ戦闘の一つや二つでもしながらいくっすか?」
「余計な事して火薬湿気らせるの嫌だからなあ……まあ、索敵はしてやるから、そのダンジョンいこうや」
「ういーっす」
別に悪い旅じゃない道中ではある。沖の方に出たら結構綺麗だし、波は穏やか、たまにやばそうな魚類がいるってくらいだし。
それにしても海とか船系のエリアって結構苦戦と言うか、頭一つ抜ける強さの相手が出てくるんだけどなあ……有名なRPGでも船でエリア広がった途端にきつくなるとか、適当に降りた陸地が2倍くらい強い相手だったりとかもザラだったし。
とにかく余計な戦闘が起きない様に気を張って辺りを警戒しながら進めるあたり、シンボルエンカウントはこう言う所が便利……と、思ったがどっちかっていうとシームレス戦闘になるな。
「にしてもこの移動時間が結構暇だし、準備もしていくか」
ぶっちゃけこの海ってかなり私としては最強に近い敵になる。まずパイプライフルに入れてる火薬が湿気るっぽい。さらに言えば銃弾の密閉度もそんなに高くないと思うのでそっちも不発に終わりそうだ。詰まるところ今私は最強の敵である「湿気る」って言う相手をしている。
ただ、この敵も戦わなければただのジメジメしてる環境というだけで他の問題はないわけだ。だからこそトラッカーを使って戦闘回避しているわけだ。
「まあ、頑張って頂戴、誘ったんだから誘った場所まで連れていくのはあんた次第よ」
「分かってるっすよぉ!」
えっちらおっちら漕いでいる所を見たり、水面に顔を出してみたりしながらメニューを開いて、まずはカスタマイズを選択していく。
此処で思い出したと言うか、火薬が湿気る湿気らない話題でパイプライフルを未だに使う必要性が無くなったわけだ。そもそも火薬と玉さえ出せればいいって発想でウサ銃をばらして作り直した代物だし。銃弾を作れた今になればウサ銃を復帰させればパイプライフルには用がない。銃弾切れたときに使えるってのはあるが、そこまでして保持する必要はあるのかって所もある。
まずこのパイプライフルの銃剣部分をカスタマイズでナイフと分離。で、ガンスミスを選択しなおしてパイプライフルを分解。銃身と銃床に分かれて、接続パーツは消失。針金巻いただけだからこの部分はしょうがないな。
「それ、何やってるんすか?」
「ばらして組み立てしなおして作り直してるのよ、これ」
そのままばらした物で、ウサ銃の銃身と銃床、針金を選択して作成。合わせてナイフも銃剣としてカスタマイズで付けて完成。使ってなかった火薬と玉は戻ってくるあたり親切設計だな。数日ぶりに復活してくるウサ銃をちょっとした親心で見つめながら確認するのだが。
名前:カスタムM2ラビット(劣化) 武器種:長銃
必要ステータス:STR5 DEX5
攻撃力:+15 命中:+10
効果:セミオート 命中時固定ダメージ40 装弾数5発
付属品:ナイフ(効果:攻撃力+13 命中+15 固定ダメージ無効 一定確率で破損)
詳細:空薬莢が跳ねて飛ぶ所から命名 接続パーツが不安定の為劣化
やっぱりちゃんとした接続パーツを作れないと劣化するみたいだ。地味に命中と固定ダメージ落ちてるから、安定度が落ちてるっていう話なんだろう。それでもパイプライフルよりも全然使えるし、いいんだけど。
「っと、完成……やっぱ針金じゃブレるってのがあるから補正もさがるっぽいな」
「そんな簡単に出来るんすね……2枠スキル増やすのも面白そうっすね?」
「ま、何でも出来るのは楽しいわよ」
そういえばウサ銃ってクリップ装弾だけど、何故かクリップ自体はデフォ装備なのよね。マガジンだけルールが特殊っぽい。どっちにしろインベントリから5発取り出して装填しておく。パイプライフルはパイプライフルで一本作っておけば火薬直で使えるし、考えておこう。
「それにしても、作成するのすぐだから、あんまし景色も変わり映えしなきゃ進めないわね」
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