最強と言われてたのに蓋を開けたら超難度不遇職

鎌霧

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5章

141話 味噌派

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 ジャガイモ2500個の収穫が完了。
 ついでに硝石丘を掘り返して混ぜ合わせれば硝石10個も採掘完了。やっぱり1㎏分の材料に対して1個の硝石が取れるようだけど、結構時間かかるっぽい。

「初回ボーナスみたいなもんか」

 出来上がった硝石を確認しつつ、丸裸になった畑と、また生成を始めている硝石丘を確認してからログアウトを進める。
 まあそれでもいつものように飯やら風呂やら着替えやらを済ませればすぐにログインし直すだけなのだが、休憩と息抜きってのは大事になる。

『お疲れさまでした。これよりログアウト処理を行います』


 いつものようにHMDを外してベッドから起き上がってぐいっと伸び、伸びてばっかりだな、猫じゃねーんだぞ。
 とりあえずイベントの概要とかはざっくりと流し読みだったので用事を済ませたら全部確認するとして、今日の飯をどうするか……たまには外に出てラーメンの一つや二つ平らげてから帰ってくるかな。あまりにも部屋から動かなすぎるってのも健康に悪いわけだし。


 そういうわけでラフな格好で財布とスマホを持って、十分ほど歩いて近くのラーメン屋に行き、味噌ラーメン大盛ネギ葱増しキクラゲ抜き油少な目硬めを注文。もたれるのを気にして油少な目にしてる辺りもう若くないわな。
 で、注文したラーメンが来るまでの間にスマホでT2Wの公式サイトを開き、今一度お知らせを確認していく。
 しばらく目を通してから注文したのが届くので一旦スマホは切って食べるのに集中する。
 啜って食べないとダメ、レンゲを使うのはダメ、噛み切らずに全部とかうるせーって思う。物凄く汚く食べるとか店や他の客に迷惑掛けたり、そういったものは勿論アウトってのは分かるけど、美味しく綺麗に食べるのであればいいんじゃねえの。
 ただしクチャラー、てめーはダメだ。


 そんなわけでスープも全部飲み干して、綺麗に食べきってから自宅に戻る。
 戻ったら早速服を脱ぎ捨て洗濯機にぶち込んでからシャワーを浴びてさっぱりする。

「まー、やる事ないっちゃないんだけどさ」

 リアルタイムで19時過ぎ。ちょっと早い段階で飯と風呂を済ませたような気もするがいいだろう。
 とりあえずさっき見ていた公式のお知らせ、イベントの部分を今一度確認するわけだがざっくりと纏めると。


1・個人、クラン参加での対人戦(クランは1:1ではない)
2・専用マップでの対戦
3・ステータス、レベル、スキルは基本職業LV30で再度振り直し(対人戦中のみ)
4・アイテム、装備は持ち込み自由(但し個数制限、強力な物は弱体化有、遠距離職は矢弾制限有etc…)


 まあ、バランス的にはしょうがないし、妥協できる点は分かる。高レベルがとにかく強くて太刀打ちできませんって、イベントとしては完全に失敗するルートにしかならない。細かいルールと仕様もまだある訳だが、それでもまあ納得できるレベルの調整ではあるな。
 とは言え生産職ってこの場合、戦闘出来ないけどどうするんだろうかってのは気になる。専用職でもステータス部分は生産成功に関係ないから普通に戦えるステ振りをしているはずだけど、スキルは専門スキルがメインで戦闘は少ししか無いとかあったけど、そこも調整するのか。
 対人ってハマる人じゃないと触手も伸びないし、あの髭親父に言った通り、バランスって対人としてはかなり大事な要素になる。全員が納得しつつ、1強とかバランス的な崩壊が起きないようにして、ルールを決めていって……ってのは運営が考える事なので、この辺はもう実装しなきゃわからんわ。
 
 それでこのイベントだが、私の目的としてはやはり目立って有名になるのが目的だが……クラン戦にソロ参加がいいだろう。1で書いた通りだが、1:1ではなくて複数のクランで一斉に戦闘だからこそだ。これは単純に大手のクランに対する対策なんだろう。

「流石にマッチポンプで犬野郎の奴が負け差し出してくるとは思わないしなあ」

 良好な関係だろうけど、流石に勝負事は譲ってくれないだろうな。前線組をやってるんだからその辺は確実にガチでやっているだろうし、ああいう輩はそういうのを言われたら逆に燃えるタイプだろ。
 何にせよ、対多数相手の戦法とか立ち回りとかを考えて、必要な物を揃えていくってのが当面の動き方にもなるか。
 
「そもそもイベント開始日程が近日中だけど、多分明日明後日辺りにはやるんだろーな」

 理由もちゃんとある。何だかんだでサービス開始で一週間経つわけだし、それを記念して、みたいな感じで開催するんだろうよ。
 って言うか一週間で結構ゲーム進行度早い気がするんだけど、大丈夫なのかね。第四の街まで解放されたってあるし、トッププレイヤー共の攻略速度が速すぎる気もする。
 それでも結局私が心配する所ではないので、サービス終了何て事にならなければ問題ないな。プレイヤーが運営の心配するのは経営とかサービスがやばい時くらいよ。

「対多数と対人を腰据えてやるってなったら、私の武器と防具も結局新調か。そろそろアタッチメント関係も開発したいし、戦闘する所によってはギリースーツみたいな迷彩コートも欲しいな」

 結構開発が止まっている要素が多いんだよね。
 明日明後日辺りから本格的にってなると、どこまで出来るのかって問題が出てくるが、迷彩コートは結構すぐ出来そうだから、問題はアタッチメント周りだな。銃剣作れてすげえテンション上がっていた時が懐かしいよ。

「ウサ銃はあるとしても射程と音が気になるんだよなあ……」

 何かの拍子に出てきた輪ゴムを手で遊びながらどうするかと考える。今までは特に問題も無いので取り回しの良い接近戦用の銃を選んできたわけだが、これからと言うか今回は違ってくる。
 接近戦で速攻で倒せる、連戦でも問題ない火力が出るってのならいいけど、今回ばかりは違うな。性能も落ちるって話だから、固定ダメを素早く与えて離脱してーとかやるのなら、がっつり遠距離で戦えるような銃を手に入れた方が確実性は高いだろう。
 まあ結局、遠距離からちくちくちょっかい出すとしてもウサ銃じゃちょっと弱いって事だ。セミオートで5発連射出来るって優秀なんだけどな。

「アタッチメント作って、マガジン作って……ああ、そうだ、固定パーツの改良もあるか、金属ねじとかそういのもいるのから、そっちの開発もありっちゃありだな」

 今劣化してるってのを忘れていたよ。やっぱりコンスタントに自分の持っている装備を確認したり使ったりして問題をしっかり把握するってのは大事だわ。

「まー、とりあえず開催までの数日は酒とアルコールと火薬の量産して爆薬作りってのもいいか」

 手で遊んでいた輪ゴムがぴょーんと飛んでいって何処か言った所で一息入れて、またベッドに行きHMDを装着してログインの準備を始める。
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