476 / 625
17章
445話 2:2:3
しおりを挟む
無重力とは言え、建物が点在しデブリも舞っていて、ちょっと外壁に近づけば吸いだされるから姿勢制御もままならない。そんなコロニー内部で戦うのはいささか危険と言うか、軽率だったような気がする。でも、やっちまったことはしょーがないから、このままやるしかないわな。
『何もない所よりは上下が分かるから戦いやすいんじゃない?』
『そうだが、やはり姿勢制御がな』
『練習相手2機も釣ったんだから、ここいらで慣れてもらわんと』
軽口を叩きながらも後ろをちらちらと見れば、2機追従してきたうえ、更に奥から3機付いて来ているっぽい。ふむ、そうなるとさっきの戦闘は3:3で戦っている所に介入して2:2:3になったから、人数不利も含めてこっちに追撃しつつ逃げ、かな?普通のFPSやTPSと違って高速移動をしながら射撃戦が出来るって所が違う所……いや、比べる物が違うな、戦闘機だったりロボゲーは撃ち合いしながら高速機動する事が出来るし、後ろにさえ気を付ければ戦えるか。
『このままマップ飛ばしまくって全員で殴り合いってのも楽しいな』
『それはそれで厳しい気がするが……』
『折角宇宙まで来たんだ、楽しまないと損だろ』
『楽しむのは良いが、勝ちたいのとは違うのではないのか?』
『楽しみながら勝ったらダメか?』
そう言いながら飛んでくる射撃攻撃をちゅんちゅんと受けつつ回避運動をしながらどうするかを考える。コロニー内部は地上と変わらないような配置と言うか建物が並んでいて、がっつりと照明が焚かれているから宇宙用に色を変えた私がまあ目立つ。中々にグラフィックと言うか細かいところも拘ってるな、このゲーム……うん?
『今までは地上、空中、海中戦がメインだったわけでしょ』
『うむ、間違いない』
『そもそもこのゲームってさ、舞台が実は宇宙で、それぞれコロニー内で戦っていただけだったりして』
『……急に設定の突っ込みを入れるのはどうなのか』
『そういうのを考えるのも楽しいじゃん』
余計な事をあれこれ考えている方が、どうするか思いつくから、私としてはこれで良いんだけど。さて、どう後ろの連中を撒くか、それとも戦うか。
『それで戦う?それともさっきみたいに一撃狙う?』
『2:2ならまだしも、追加も来てしまったから……一撃狙いで』
『いーわね、そのバトルジャンキーっぷり』
コロニー内壁近くに低空飛行し始めると、上からそこまで厚くない弾幕が振ってくるので、回避運動をしながらグレネードを装填。
『目くらましを掛けたら、突っ切ってブレーキ、上の2機が通り過ぎたら後ろに3機に強襲』
『御意』
返事を聞くなりmしゅぽんと音を立ててグレネードを発射し、手頃なビルに直撃爆発。爆炎と瓦礫が放射状に巻きあがる中を突っ切る。
『こういう変則的な事してる時、超楽しい』
そしてそれが上手い事ハマったらなおの事良し。
爆炎の先まで追従していた2機が通り過ぎて、私達の姿が見えないのに驚いたのか、速度が落ちたのを確認。勿論さらに後ろの3機がそれを見逃すわけもなく、前1後2の編成で追撃していた2機に攻勢をかける。ここのポイントとして、後ろにいた3機は私達を狙っているわけではなく、私達を追ってきた2機を狙っているというのがポイント。少しの時間でもこっちを見逃して、索敵行動に入れば、追撃していた方から追撃される方になる。
『狙いは後ろの3機、一気に突っ込んで1機は食っておきたいな』
『ふむ、足の踏み場があるというのはありがたい』
元々戦っていた連中が改めて戦い直した所で二人で飛び出して3機側の方に。
強襲の仕方はさっきと変わらないのでARから追撃で柳生の一閃を狙うのだが、今回ばかりは一度見せているというのと、しっかり前後衛を組んでいるというのもあって3機中1機のみに攻撃、その上で片腕しか吹っ飛ばせなかった。
『一度見せた技を躱すとはやるねえ』
『ううむ、やはり地上とは勝手が違う』
『またグレネードで隠れる……のもタネがわかってるからなあ』
2:2:2の三つ巴ならまだいけそうだが、これはもうちょっと攻め方を変えた方がいいな。いくら手負いだからって3機って時点で強い。
『離脱するか、戦うか、決めて良いぞ』
『ふーむ、では戦うのはどうだろうか』
『被弾しない様にな』
ぐるりと機体を一回転させて先程爆風で隠れていたところから見れば天井に立っているようにコロニーの内壁に着地し、すぐに移動。3機固まっているチームの内、1機がこっちへの牽制射撃。もう2機が、追撃に来ていた2機を相手にしている。疑似的にとは言え、2:1になっているのは良い事だ。
『こっちに射撃しているあいつ、任せて貰っていいか』
『おー、やってみやってみ』
スライド移動をしながら2チームに対して射撃を与えながら柳生と別れて行動。
やっぱバトロワはこうじゃないとなあ。
『何もない所よりは上下が分かるから戦いやすいんじゃない?』
『そうだが、やはり姿勢制御がな』
『練習相手2機も釣ったんだから、ここいらで慣れてもらわんと』
軽口を叩きながらも後ろをちらちらと見れば、2機追従してきたうえ、更に奥から3機付いて来ているっぽい。ふむ、そうなるとさっきの戦闘は3:3で戦っている所に介入して2:2:3になったから、人数不利も含めてこっちに追撃しつつ逃げ、かな?普通のFPSやTPSと違って高速移動をしながら射撃戦が出来るって所が違う所……いや、比べる物が違うな、戦闘機だったりロボゲーは撃ち合いしながら高速機動する事が出来るし、後ろにさえ気を付ければ戦えるか。
『このままマップ飛ばしまくって全員で殴り合いってのも楽しいな』
『それはそれで厳しい気がするが……』
『折角宇宙まで来たんだ、楽しまないと損だろ』
『楽しむのは良いが、勝ちたいのとは違うのではないのか?』
『楽しみながら勝ったらダメか?』
そう言いながら飛んでくる射撃攻撃をちゅんちゅんと受けつつ回避運動をしながらどうするかを考える。コロニー内部は地上と変わらないような配置と言うか建物が並んでいて、がっつりと照明が焚かれているから宇宙用に色を変えた私がまあ目立つ。中々にグラフィックと言うか細かいところも拘ってるな、このゲーム……うん?
『今までは地上、空中、海中戦がメインだったわけでしょ』
『うむ、間違いない』
『そもそもこのゲームってさ、舞台が実は宇宙で、それぞれコロニー内で戦っていただけだったりして』
『……急に設定の突っ込みを入れるのはどうなのか』
『そういうのを考えるのも楽しいじゃん』
余計な事をあれこれ考えている方が、どうするか思いつくから、私としてはこれで良いんだけど。さて、どう後ろの連中を撒くか、それとも戦うか。
『それで戦う?それともさっきみたいに一撃狙う?』
『2:2ならまだしも、追加も来てしまったから……一撃狙いで』
『いーわね、そのバトルジャンキーっぷり』
コロニー内壁近くに低空飛行し始めると、上からそこまで厚くない弾幕が振ってくるので、回避運動をしながらグレネードを装填。
『目くらましを掛けたら、突っ切ってブレーキ、上の2機が通り過ぎたら後ろに3機に強襲』
『御意』
返事を聞くなりmしゅぽんと音を立ててグレネードを発射し、手頃なビルに直撃爆発。爆炎と瓦礫が放射状に巻きあがる中を突っ切る。
『こういう変則的な事してる時、超楽しい』
そしてそれが上手い事ハマったらなおの事良し。
爆炎の先まで追従していた2機が通り過ぎて、私達の姿が見えないのに驚いたのか、速度が落ちたのを確認。勿論さらに後ろの3機がそれを見逃すわけもなく、前1後2の編成で追撃していた2機に攻勢をかける。ここのポイントとして、後ろにいた3機は私達を狙っているわけではなく、私達を追ってきた2機を狙っているというのがポイント。少しの時間でもこっちを見逃して、索敵行動に入れば、追撃していた方から追撃される方になる。
『狙いは後ろの3機、一気に突っ込んで1機は食っておきたいな』
『ふむ、足の踏み場があるというのはありがたい』
元々戦っていた連中が改めて戦い直した所で二人で飛び出して3機側の方に。
強襲の仕方はさっきと変わらないのでARから追撃で柳生の一閃を狙うのだが、今回ばかりは一度見せているというのと、しっかり前後衛を組んでいるというのもあって3機中1機のみに攻撃、その上で片腕しか吹っ飛ばせなかった。
『一度見せた技を躱すとはやるねえ』
『ううむ、やはり地上とは勝手が違う』
『またグレネードで隠れる……のもタネがわかってるからなあ』
2:2:2の三つ巴ならまだいけそうだが、これはもうちょっと攻め方を変えた方がいいな。いくら手負いだからって3機って時点で強い。
『離脱するか、戦うか、決めて良いぞ』
『ふーむ、では戦うのはどうだろうか』
『被弾しない様にな』
ぐるりと機体を一回転させて先程爆風で隠れていたところから見れば天井に立っているようにコロニーの内壁に着地し、すぐに移動。3機固まっているチームの内、1機がこっちへの牽制射撃。もう2機が、追撃に来ていた2機を相手にしている。疑似的にとは言え、2:1になっているのは良い事だ。
『こっちに射撃しているあいつ、任せて貰っていいか』
『おー、やってみやってみ』
スライド移動をしながら2チームに対して射撃を与えながら柳生と別れて行動。
やっぱバトロワはこうじゃないとなあ。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
───────
自筆です。
アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。
もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。
ゲーム内転移ー俺だけログアウト可能!?ゲームと現実がごちゃ混ぜになった世界で成り上がる!ー
びーぜろ
ファンタジー
ブラック企業『アメイジング・コーポレーション㈱』で働く経理部員、高橋翔23歳。
理不尽に会社をクビになってしまった翔だが、慎ましい生活を送れば一年位なら何とかなるかと、以前よりハマっていたフルダイブ型VRMMO『Different World』にダイブした。
今日は待ちに待った大規模イベント情報解禁日。その日から高橋翔の世界が一変する。
ゲーム世界と現実を好きに行き来出来る主人公が織り成す『ハイパーざまぁ!ストーリー。』
計画的に?無自覚に?怒涛の『ざまぁw!』がここに有る!
この物語はフィクションです。
※ノベルピア様にて3話先行配信しておりましたが、昨日、突然ログインできなくなってしまったため、ノベルピア様での配信を中止しております。
オネエ伯爵、幼女を拾う。~実はこの子、逃げてきた聖女らしい~
雪丸
ファンタジー
アタシ、アドルディ・レッドフォード伯爵。
突然だけど今の状況を説明するわ。幼女を拾ったの。
多分年齢は6~8歳くらいの子。屋敷の前にボロ雑巾が落ちてると思ったらびっくり!人だったの。
死んでる?と思ってその辺りに落ちている木で突いたら、息をしていたから屋敷に運んで手当てをしたのよ。
「道端で倒れていた私を助け、手当を施したその所業。賞賛に値します。(盛大なキャラ作り中)」
んま~~~尊大だし図々しいし可愛くないわ~~~!!
でも聖女様だから変な扱いもできないわ~~~!!
これからアタシ、どうなっちゃうのかしら…。
な、ラブコメ&ファンタジーです。恋の進展はスローペースです。
小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。(敬称略)
お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。
幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』
電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。
龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。
そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。
盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。
当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。
今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。
ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。
ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ
「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」
全員の目と口が弧を描いたのが見えた。
一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。
作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌()
15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
幼馴染パーティーから追放された冒険者~所持していたユニークスキルは限界突破でした~レベル1から始まる成り上がりストーリー
すもも太郎
ファンタジー
この世界は個人ごとにレベルの上限が決まっていて、それが本人の資質として死ぬまで変えられません。(伝説の勇者でレベル65)
主人公テイジンは能力を封印されて生まれた。それはレベルキャップ1という特大のハンデだったが、それ故に幼馴染パーティーとの冒険によって莫大な経験値を積み上げる事が出来ていた。(ギャップボーナス最大化状態)
しかし、レベルは1から一切上がらないまま、免許の更新期限が過ぎてギルドを首になり絶望する。
命を投げ出す決意で訪れた死と再生の洞窟でテイジンの封印が解け、ユニークスキル”限界突破”を手にする。その後、自分の力を知らず知らずに発揮していき、周囲を驚かせながらも一人旅をつづけようとするが‥‥
※1話1500文字くらいで書いております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる