魔法使いとして頑張りますわ!

まるねこ

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 二十六階ではキメラの階となっていた。色々な魔物がくっついていて見た目がなんとも賑やかだった。

 この階の厄介な所は、様々なタイプのキメラなので毒があったり、麻痺や石化等の攻撃パターンがあったりとみんな気が抜けない。(おじい様やおばあ様は除く)

「ソフィア。この階は修行にうってつけなんだ。一人でやってごらん」
「分かりました!」

 うーん。どの敵にも効いて効率良く狩る方法を考える。兄のように結界で毒を防いで剣で切るということは私には難しい。

 一体ずつ倒していくのは時間がかかる。だが、範囲魔法だと広範囲に及び魔力が持たないような気がする。

 やはり急所を矢で打ちぬくのがいいのかしら。でも、動けば急所はずれてしまうし、ただの水や氷、火の矢では効かない可能性だってある。

 そうだ! いいことを思いついた。

 私は【コロージョン・ヘッド・トラッキング・ショット】と思いついた言葉を順序などお構いなしに唱えてキメラに向けてキメラの数だけ撃ち込んでいく。

 ……これでどうかしら?

 敵の頭を自動追尾型腐食弾で撃ち抜いくという斬新かつ直接的な命令の魔法を口にしたのだ。ちゃんとできるかどうか不安になる。

 あっ、問題ないみたいね。

 詠唱が適当なため威力は出ていないけれど、敵はバタバタと倒れている。やはり重要なのはイメージだものね。

 私達が使う魔法はイメージによって形成されていると言ってもいいのかもしれない。

 イメージがあやふやな場合、【ファイア・ボール】など言語化させて魔法を形にしている。魔法使い科でも言葉を出して魔法を使う人は多い。

 イメージをしなくても言葉を使えばそれ相応に魔法が使えるため、やりやすい方をするのがいいのだと思う。

 テオお兄様が研究している魔法円は言葉を文字にしているため描いてある物に魔力を流せば使える代物だ。

 テオお兄様曰く、文字の組み合わせにより使える幅が広くて興味深いのだとか。

「お父様、終わりましたわ。どうでしょうか?」

 満遍の笑みで振り返る。

「一応、効率重視を考えると体内で発現するような仕組みが一番良いのではないかと考えてみました。火や水、毒属性は耐性のある魔物も多いですので一番耐性が少ないであろう酸や腐食を考え、頭が腐食するようにしてみました」
「そ、ソフィア。凄いね。修行にもならなかったかな」

 敵の頭を撃ち抜き、その傷口から腐敗するって画期的よね。見た目はすこぶる悪いけれど。

 私の得意魔法の中に新たに書き加えても良いんじゃないかしら。お兄様達はなぜか一歩後ずさったわ。

「ソフィア、笑顔で敵を溶かしたり、腐らせたりする令嬢はソフィアくらいだろう。他の人の前では控えるようにね」

 小さな子を諭すようにレオンお兄様は笑顔で私の頭を撫でた。

「確かにそうですね。ダンジョン以外ですると後処理が大変そうですもの。ふふっ」
「あら、これを思いついて実行できるのはソフィアだけだし、レオンが言うことなんて気にしなくていいわ。やりたいようにやりなさい」
「はい!」

 笑顔でそう答える私を優しくおばあ様は褒めてくれる。

 二十六階の討伐も終わり、二十七階へと移動する。二十七階はキメラの中に何匹かのボスの様な魔物が居たわ。

 お父様曰く、お兄様達の練習にうってつけなのだとか。お父様がお兄様達に能力を抑える腕輪をつけて敵の中に投げ込んでいく。

 お父様ってお兄様達にはスパルタなのですね。

 レオンお兄様は魔法から剣に切り替えて敵を倒している。魔法が無くても問題が無いほど強い。さすがにボスはやり辛いらしく、魔法剣を使っているけど。

 フィンお兄様も剣に切り替えて敵を倒してはいるけれど、魔法剣は使わないみたい。

 所々に術式を展開して、敵が魔法円に触れると敵が串刺しとなり、バタバタと敵は倒れていく。

 テオお兄様は兄弟の中で一番剣術が得意なのかも。魔法を使わずにボスも軽々と倒している。

「お父様、お兄様達はとても凄いですね。軽々と敵をいなす姿に憧れてしまいます」
「おやおや、ソフィア。あれはまだ序の口だよ。レオン達は普段、書類整理で身体が鈍っているからもっと身体を動かさないとな」

 お父様はそう言うと、戦っている最中のお兄様達に向かって【ファイアボール】を打ち込んでいる。

「ほらほら、可愛いソフィアが見ているぞ」
「「「父上!」」」

 敵を倒しながら、お父様の攻撃を躱し、お父様にアイスショットやファイアボールを唱えて反撃しているわ。

 おじい様達も和かな顔でその様子を見ている。孫の成長が嬉しいと言わんばかりに。偶におじい様もおばあ様もお兄様達を笑顔で攻撃している。

 お兄様達ファイト!

 なんとかお兄様達は敵を倒し、二十八階へ進む。お父様達のお陰で お兄様達は疲労困憊のようだ。

 二十八階はグリフォンの住処となっていた。グリフォンはこちらを見てはいるが、動く気配はない。
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