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78 サモロン視点
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俺は影。
クリフォード陛下の影だ。
主な任務は情報収集だが、たまに暗殺も行う。いつものように陛下から命令を受ける。今回の指令は俺達にとっては不利だ。俺は魔力が無い。
直属部隊には魔力持ちはいるが、オリヴェタン家の者には敵わないだろう。王族が二人程出て行って初めて対等な戦いとなる位だ。魔力の無い俺達は不意打ちや数で攻めるしかないな。
案の定、直属部隊は全滅。俺は影なので報告義務もあり、その場を放棄して立ち去る事も出来た。
だが、隠れて様子を窺ってた。俺の一番近くにいたのソフィア様が兄二人と少し距離を取っている。これは最初で最後のチャンスだ。そっと後ろから近づいて隷属の首輪を嵌める事が出来た。
だが、どうだろう。
隷属無効の腕輪を着けていないのにも関わらず、ソフィア様に付けた隷属の首輪が光り、金属音と共に首輪が地面に落ちた。しまったと思うが、時既に遅し。隷属の首輪は無効になるどころか、逆に俺の首には隷属の紋が刻まれた。
……従うしかない。
新たな主人となったソフィア様の命令で陛下に隷属の首輪を取り付けに行く事になった。
魔法使いの捕縛やソフィア様に隷属の首輪を取り付けるより遥かに楽な命令だ。レオン様に国境付近まで送って貰った。陛下から下された命令とはいえ、俺達の行いに気が立っているのだろうが何も言わない。
俺は気持ちを切り替えて国境を越え、全滅を報告しに王宮へと戻る。陛下は宰相と話をしていたが、一人になった時に素早く陛下の元で報告をする。
陛下は苛立ち、物に当たっていたが、俺を影の任務から下ろす事は無かった。通常影はローテーションを組み、陛下や王族を見守るのだが、数日俺は陛下から離れていた任務だった為、今日はそのまま陛下の護衛に着く事になった。
夜、陛下がベッドへ入ろうとした時に背後から近づき、腕輪を嵌める。
幻覚とは言っていたが、どのように作用するのだろうか。すぐに陛下がニヤニヤし、何もない空間に手を伸ばし、愛しむように撫ではじめた。
「身体に付けている全ての物を外して」
俺は耳元で女の擬声で囁くと、途端に服を全て脱ぎ、隷属無効や魅了無効の魔道具横に置きはじめた。女を抱こうとしているような感じだ。
「ソフィアおいで」
声を掛けながらベッドに入り仕切りに何かに触る仕草をしている。陛下には俺が見えていないようだ。
さて、命令通りに隷属の首輪を嵌める。俺が首輪を嵌めたにも拘わらず、幻覚を見ている陛下は抵抗することはなかった。
むしろ気づいてもいないんじゃないだろうか。拍子抜けするほどあっさりと完了した。
俺はその場から離れ、オリヴェタン侯爵家とソフィア様に魔法郵便を送った。後は影として活動していれば良い。少ししてから腕輪の魔力が無くなり、陛下は夢の中へ導かれるように静かとなった。
腕輪は回収しておくか。
翌日、陛下は一人青くなったり、赤くなったりしていたが、俺は首輪の事を他言しないように命令を出した。
朝一でオリヴェタン侯爵が謁見を申し出ていた。謁見を無視して逃げようとしていたが、俺が出るように指示を出すと、苦悶の表情を浮かべながら謁見を受け入れることになった。
謁見の間でオリヴェタン侯爵はソフィア様やレオン様、テオ様の婚姻について憤然としながら陛下に詰め寄っていたが、陛下は目を逸らし曖昧な返事で逃げようとしている。
宰相も陛下の煮え切らぬ態度に苦言を呈していたが、陛下は聞く耳を持っていないようだな。
オリヴェタン侯爵は陛下を責めるふりをしながら、謁見で陛下の首元を確認した様子だった。これから一波乱あるのは間違いない。
ソフィア様ももうじき王宮へやって来るだろう。
クリフォード陛下の影だ。
主な任務は情報収集だが、たまに暗殺も行う。いつものように陛下から命令を受ける。今回の指令は俺達にとっては不利だ。俺は魔力が無い。
直属部隊には魔力持ちはいるが、オリヴェタン家の者には敵わないだろう。王族が二人程出て行って初めて対等な戦いとなる位だ。魔力の無い俺達は不意打ちや数で攻めるしかないな。
案の定、直属部隊は全滅。俺は影なので報告義務もあり、その場を放棄して立ち去る事も出来た。
だが、隠れて様子を窺ってた。俺の一番近くにいたのソフィア様が兄二人と少し距離を取っている。これは最初で最後のチャンスだ。そっと後ろから近づいて隷属の首輪を嵌める事が出来た。
だが、どうだろう。
隷属無効の腕輪を着けていないのにも関わらず、ソフィア様に付けた隷属の首輪が光り、金属音と共に首輪が地面に落ちた。しまったと思うが、時既に遅し。隷属の首輪は無効になるどころか、逆に俺の首には隷属の紋が刻まれた。
……従うしかない。
新たな主人となったソフィア様の命令で陛下に隷属の首輪を取り付けに行く事になった。
魔法使いの捕縛やソフィア様に隷属の首輪を取り付けるより遥かに楽な命令だ。レオン様に国境付近まで送って貰った。陛下から下された命令とはいえ、俺達の行いに気が立っているのだろうが何も言わない。
俺は気持ちを切り替えて国境を越え、全滅を報告しに王宮へと戻る。陛下は宰相と話をしていたが、一人になった時に素早く陛下の元で報告をする。
陛下は苛立ち、物に当たっていたが、俺を影の任務から下ろす事は無かった。通常影はローテーションを組み、陛下や王族を見守るのだが、数日俺は陛下から離れていた任務だった為、今日はそのまま陛下の護衛に着く事になった。
夜、陛下がベッドへ入ろうとした時に背後から近づき、腕輪を嵌める。
幻覚とは言っていたが、どのように作用するのだろうか。すぐに陛下がニヤニヤし、何もない空間に手を伸ばし、愛しむように撫ではじめた。
「身体に付けている全ての物を外して」
俺は耳元で女の擬声で囁くと、途端に服を全て脱ぎ、隷属無効や魅了無効の魔道具横に置きはじめた。女を抱こうとしているような感じだ。
「ソフィアおいで」
声を掛けながらベッドに入り仕切りに何かに触る仕草をしている。陛下には俺が見えていないようだ。
さて、命令通りに隷属の首輪を嵌める。俺が首輪を嵌めたにも拘わらず、幻覚を見ている陛下は抵抗することはなかった。
むしろ気づいてもいないんじゃないだろうか。拍子抜けするほどあっさりと完了した。
俺はその場から離れ、オリヴェタン侯爵家とソフィア様に魔法郵便を送った。後は影として活動していれば良い。少ししてから腕輪の魔力が無くなり、陛下は夢の中へ導かれるように静かとなった。
腕輪は回収しておくか。
翌日、陛下は一人青くなったり、赤くなったりしていたが、俺は首輪の事を他言しないように命令を出した。
朝一でオリヴェタン侯爵が謁見を申し出ていた。謁見を無視して逃げようとしていたが、俺が出るように指示を出すと、苦悶の表情を浮かべながら謁見を受け入れることになった。
謁見の間でオリヴェタン侯爵はソフィア様やレオン様、テオ様の婚姻について憤然としながら陛下に詰め寄っていたが、陛下は目を逸らし曖昧な返事で逃げようとしている。
宰相も陛下の煮え切らぬ態度に苦言を呈していたが、陛下は聞く耳を持っていないようだな。
オリヴェタン侯爵は陛下を責めるふりをしながら、謁見で陛下の首元を確認した様子だった。これから一波乱あるのは間違いない。
ソフィア様ももうじき王宮へやって来るだろう。
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