【完結】どうやら時戻りをしました。

まるねこ

文字の大きさ
10 / 49

10

しおりを挟む
私がどうにか出来ないかと悶々と日々を過ごしていたある日、母が私の部屋へとやってきた。

「モア、今度、フルムがサルドア国からこちらへ来てくれることになったの。良かったわね」
「お母様!本当ですか!?フルムお兄様に会えるなんて嬉しいです」

 私の従兄のフルム・ウェルムお兄様。私と十二歳ほど離れていてよく手紙をくれるの。もともと母は隣国、サルドア国の出身で祖母は王太后様なの。父が貿易でサルドア国に行った時に知り合い、結婚したと言っていたわ。

祖母は母を自国の高位貴族と結婚させようとしていたけれど、父の商才に目を付けて父なら両国と深いつながりを作ってくれるだろうと母との結婚を許したみたい。ちなみに母はサルドア国の第六王女。兄弟が多いため重要視されることもなく恋愛結婚出来たのだとか。

私にも継承権はあるけれど、第三十九位だったかしら?ほぼ無いわ。フルムお兄様は大きくてクマさんみたいでとても優しくて大好きなの。フルムお兄様は母の姉、第四王女の嫁ぎ先であるウェルム侯爵家の次男。

 ウェルム侯爵家は織物を主産業としていて我が家を通して他国へと輸出しているの。フルムお兄様は次男なので現在、侯爵家で織物事業の手伝いをしている。

「お母様、フルムお兄様は今回旅行でこちらに来るのですか?」
「違うわ。モアの勉強を教えにきてくれるのよ?フルムは厳しいからしっかりと勉強しなさい」
「何故お兄様が勉強を教えるためにくるのですか?」

私の疑問に母が答える。

「この国でモアに教師を付けるとモアの容姿を噂する人がいるかもしれない。なるべくモアの情報を漏らさないためよ」
「……お母様っ。有難うございます。でも、お兄様は長期間こちらに来て大丈夫なのですか?」
「ふふっ。フルムの心配をするなんて優しい子ね。フルムはダミアンの仕事の補佐をしながら貿易の勉強をすることになっているのよ。
その合間を見てモアの教師をしてくれるの。将来は領地で侯爵の補佐をするより、ダミアンの元で働きたいそうよ。各国を回って織物を自分の手で広めたいんですって」

母は笑いながら話をしてくれたわ。私は嬉しくてフルム兄様が来ることが楽しみで指折り数えて待つようになった。
しおりを挟む
感想 96

あなたにおすすめの小説

君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】 ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る―― ※他サイトでも投稿中

命がけの恋~13回目のデスループを回避する為、婚約者の『護衛騎士』を攻略する

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<死のループから抜け出す為、今から貴方を攻略させて頂きます。> 全く気乗りがしないのに王子の婚約者候補として城に招かれた私。気づけば鐘の音色と共に、花畑の中で彼の『護衛騎士』に剣で胸を貫かれていた。薄れゆく意識の中・・これが12回目の死であることに気づきながら死んでいく私。けれど次の瞬間何故かベッドの中で目が覚めた。そして時間が戻っている事を知る。そこで今度は殺されない為に、私は彼を『攻略』することを心に決めた―。 ※「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。

里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります> 政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒― 私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。 「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」 その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。 ※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています

転生先がヒロインに恋する悪役令息のモブ婚約者だったので、推しの為に身を引こうと思います

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【だって、私はただのモブですから】 10歳になったある日のこと。「婚約者」として現れた少年を見て思い出した。彼はヒロインに恋するも報われない悪役令息で、私の推しだった。そして私は名も無いモブ婚約者。ゲームのストーリー通りに進めば、彼と共に私も破滅まっしぐら。それを防ぐにはヒロインと彼が結ばれるしか無い。そこで私はゲームの知識を利用して、彼とヒロインとの仲を取り持つことにした―― ※他サイトでも投稿中

身代わり婚~暴君と呼ばれる辺境伯に拒絶された仮初の花嫁

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【決してご迷惑はお掛けしません。どうか私をここに置いて頂けませんか?】 妾腹の娘として厄介者扱いを受けていたアリアドネは姉の身代わりとして暴君として名高い辺境伯に嫁がされる。結婚すれば幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱いていたのも束の間。望まぬ花嫁を押し付けられたとして夫となるべく辺境伯に初対面で冷たい言葉を投げつけらた。さらに城から追い出されそうになるものの、ある人物に救われて下働きとして置いてもらえる事になるのだった―。

虐げられた人生に疲れたので本物の悪女に私はなります

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
伯爵家である私の家には両親を亡くして一緒に暮らす同い年の従妹のカサンドラがいる。当主である父はカサンドラばかりを溺愛し、何故か実の娘である私を虐げる。その為に母も、使用人も、屋敷に出入りする人達までもが皆私を馬鹿にし、時には罠を這って陥れ、その度に私は叱責される。どんなに自分の仕業では無いと訴えても、謝罪しても許されないなら、いっそ本当の悪女になることにした。その矢先に私の婚約者候補を名乗る人物が現れて、話は思わぬ方向へ・・? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

婚約者が不倫しても平気です~公爵令嬢は案外冷静~

岡暁舟
恋愛
公爵令嬢アンナの婚約者:スティーブンが不倫をして…でも、アンナは平気だった。そこに真実の愛がないことなんて、最初から分かっていたから。

処理中です...