ダラダラ異世界転生

ふんわり転生

いつもと変わらない日常の始まり。
子供の声に目を覚まして、ゆっくりと身を起こした…
外は晴れている。
子供たちは走り騒ぎお腹が空いたとまとわりつく…

朝食を済ますと、散歩に出かけることにした。何てない日常をすごしていつもと変わらない日々がこれからも続いていくと思っていた。

キキーッ！！ものすごい音が後方から聞こえ、振り返ると車がぶつかり合いこちらに向かってくる。

何をすることもできず見ているしかない少しの時間…
ただ、握りしめた小さな手を引き寄せ抱きしめた。


体の軋みを感じる、何もわからないまま目を開けた。
「いたたた」
そこは真っ白な世界、ポツンとこたつミカンにテレビがあった。

何となく周りを見渡す、不思議に心地のいい空間だ。

こたつの横に突然障子が現れ開く。
驚きつつもそちらを見ると、白い髭と白い甚平のお爺さんが入ってきた…

ただただ、見つめていると、お爺さんは驚いたようにこちらを見た。
「おう、訪問者とは珍しいことじゃ、よいよい、座りなさい」

コタツを勧められ何もわからないままボーッとそこに座る。

「あの、ここは？私はどうなったのでしょうか？子供たちは？」

お爺さんがその答えを知っているのか解らないが尋ねた。

お爺さんは、ニコリと優しく微笑むとテレビをつけた。

テレビを見ると、事故の瞬間だろう映像が流れる…
私は、子供たちを抱きしめたまま車にぶつかっていた、子供たちはそのあと泣きながら私を譲ったり「ママ」と叫んだりしていた。子供たちの無事がわかり安堵した。でも私は死んでしまったようだ…

子供たちの成長が見れないまま、死んでしまったのかと悔やまれる。

「子供たちは大丈夫じゃよ、この後も悲しみを乗り越え幸せに暮らすことがわかっておる」
そう言った。

やはりこのお爺さんは神様なのだろうか？そう疑問に思っていると、顔に出ていたのか？

「自己紹介がまだだったな、神じゃ」
そう言った…
「たまに、神界にお主のように迷って来るものがいる。お主は100人目じゃおめでとう」

今までで100人って少ない気がするなーと、ぼーっと思いながらただ見つめていると。

「さて、お祝いに転生させてやろう。どのような世界にしようかの？」

「私は、何と言ってできることがありません。ただの主婦です、のんびり過ごせるようなところであると嬉しいです」

「そうかそうか、じゃー魔法で何でもどうにかなる世界に送ってやろう、ワシもたまには手助けをしよう。このネックレスを持っていなさいきっと役に立つ」

そう言われて首にかけ、促されるままに初めに立っていたところに立った。

暖かな光が身体を包み、ふわりと浮遊感を感じた。

赤ちゃんの鳴き声が耳に入る。どこかで赤ちゃんが泣いてる？そう思って目を開けようとしたが視界がぼやけて何も見えない、起きあがろうにも、手足をバタバタするだけで思っているように動かない…

あーこれもしかしたら、私が泣いてるんだわ…赤ちゃんになったのか。

そう思っていると女の人の透き通るような声がした。
「赤ちゃんの声聞こえなかった？」
それに返事したのは、低く落ち着いた男の人の声だった。
「ヤマネコかなんかが喧嘩してるんだろ？」

そう言いながら、草を踏みつける音が近づく。
やばい踏まれない！？大丈夫？そう思い焦っていると、無意識に泣いていた。

さらに、近づいてきた足音が止まった。

「ほらやっぱり赤ちゃんだ！何でこんなところにいるのかしら？何か握ってるわよ」

「これは、神様のネックレスだな。神様からの贈り物かもしれん」

それと同時に抱き上げられた。
すごく優しい声で話しかけられる、
「この子は神様の贈り物なのね。名前はアリシアにしましょうね」というか優しい声に誘われ眠気に意識を手放した。

ふとお腹が空き目が覚める。
「すっごくお腹すいたー！」と叫んでみると赤ちゃんの鳴き声が発せられる。
「はいはい、はい」と女の人に抱き上げられミルクをくれた。
あー美味しい…