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洗濯係になりました。
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美少年……こと小龍さんに案内された部屋は十人部屋で、小龍さんとひょろっと背の高い狐みたいな顔立ちの釆さんと共同生活をすることになった。
小龍さんは後輩ができて嬉しいのか色々と世話を焼いてくれるので、ここでやっていけるかどうか不安だった俺たちにとってはとても有難い存在だった。
さて、男性の後宮ですが。そこは俺が想像していた何十倍も華やかなところでした。
(ホント、家族のみんなに見せてやりたいわ……)
どの男性もすげぇ美人さんで、中には美少女のような容姿の男児も居て思わず二度見してしまった。
「男らしくならないようにあそこを切り落とした人もいるらしいよ」
ニヤリと笑う小龍さんに俺たちは「ひぇ」と情けない声を上げてしまった。小龍さんも彼らに負けてないと思うが、「この顔でいいことなんて何一つなかったよ?」と凄くいい笑顔で返されたので、今後顔には触れないことにした。目が完全に笑っていませんでした。
「え? 学び屋があるんですか?」
俺は洗濯の手を止めて、隣にいる小龍さんを見た。
「そうそうっ! 今の帝様が僕たち平民にも学びは必要だって言って、二年前に使われていない側室部屋の一つを改修して学び屋にしたのっ!……あっ! それ力入れると擦れちゃうから気を付けてっ!」
「げっ!」
小龍の向かいで慣れない手つきで洗濯をしている男の子に「この布はこうやって洗うといいよ」と男の子に丁寧に教えた。
男の後宮に来た俺たちは洗濯班に配属された。
男の後宮は女人禁制なので側室の付き人はもちろん、身の回りの世話や掃除、水仕事など全部男がやらなければならない。
その中でも洗濯班は人手が一番足りていない。後宮に来れば真っ先に洗濯班に配属されるほどだ。
「腰も腕も痛くなるし、手は荒れるし、冬場なんて地獄だから、投げ出しちゃう人いるんだよねぇ」
小龍は肩を竦めながら言った。そんな人はどうなるのか? と聞いたら、「さぁ? 知らなーい」と返された。知らないほうが身のためなんだろうか……。
「……と、さっきの話の続きなんだけど」
その学び屋では週に一度老師が来て、文字の読み書きと簡単な算術を教えてくれるらしい。まじで? 行きたい。
「あははっ! すごい興味津々だねっ! でもここを空にするわけにはいかないから、行けるの一人か二人ぐらいなんだよねぇ。洋が行けるのは当分先かなぁ」
なんだぁ、残念。と俺は肩を落とした。
洗い終わった洗濯物を屋根だけがついた吹きさらしの部屋に順次干していく。家では木綿しか洗ったことないから、絹とかの高級品の洗濯は緊張する。
「洋って洗濯とか裁縫とかやけに手慣れてるよね」
支給された服はぴったりではないので、裁縫道具を借りて同郷の分の裾上げや肩上げをやった。裾が全然足りないってことがなくてよかった。
「家で手伝ってましたから。さすがに絹を洗ったことはありませんが」
「珍しっ! ……確かに絹なんてここに来なかったら触る機会なんて一生ないよねっ!……と、よしっ! 今日の仕事終わりっ!」
全部干し終えた俺たちは背伸びをした。一日中洗濯をしていたから腕とか腰が痛い。
日中に干していた洗濯物は乾いて回収できるが、夕方に干した洗濯物はそのまま次の日まで干しっぱなしだ。人手がもっとあればこんなこともなかっただろうね。
洗濯場は一つの敷地としてあるので、全員が退去するとすべての門が閉じられ次の日まで中に入ることができない。悪戯や盗難を防ぐためらしい。
確かに干しっぱなしの洗濯物や明日にまわされた洗濯物が入った籠が置かれた部屋があるからなぁ。
夕飯を食った後は次の朝まで非常時以外部屋から出てはいけない。なぜなら……。
「王宮全体に見張りの霊具があっちこっちにあって、それに触れるとけたたましい音が鳴るんだよ~」
と、初日の夜に釆さんに言われたからだ。実際二年前、夜中に遠くから甲高い音が聞こえてびっくりしたという。そのあと少し騒がしくなったらしいが、詳細は聞かされていないとのこと。「下っ端にわざわざ教える必要ないしねぇ~」と釆さんが肩を竦めた。ってそれ前世でいう防犯装置じゃね? そして「れいぐ」という初めて聞く単語。
釆さん曰く、自然の力が結晶化したもの……霊石と呼ばれる石と術式を組み合わせて作られた道具とのこと。
ファンタジーじゃんっ! めっちゃファンタジーじゃん‼
街で見た街灯も霊具だという。他にも日常的な霊具もあるらしいが、使用されている霊石が小さくてもそこそこいいお値段なので、お金に余裕がある人しか買えないという。
「その、日常的なものってなんですか?」
「実物は見たことはないけど、聞いた話では髪を一瞬で乾かす霊具とか、暑い時に涼しい風を出す霊具とか?」
釆さんが首を傾げながら言った。それって前世でいうドライヤーと扇風機又はクーラーじゃね?
(うわー! うわー! 実物めっちゃ見たいっ‼)
なお、日常的な霊具が作られるようになったのは今の帝になってからで、それまでの霊具は武器が中心だったらしい。
「祖父の話では竜人や獣人は肉体一つで人間の軍隊を一つ打ち負かすぐらいの力を持ってるらしいよ~」
うん。霊具を武器に全振りしちゃうわ。そりゃあ。
「でも日常的な霊具も作れるようになってことは、今は平和ってことですか?」
「まぁ、そうなんじゃないかなぁ~」
ちなみに釆さんが霊具やら霊石に詳しいのは王都に近い村の出身で、それなりの情報を得ることができたからだそうだ。
霊具どころか霊石という存在すら知らなかった俺の村って凄い辺鄙なところにあったんだなぁと改めて実感した。
「帝様はそれらをもっと身分の低い人でも手に取れるようにしたいって言ってるらしいよぅ~」
まじかっ! 頑張れ! 帝っ!
「洋ー。洗濯物回収するの手伝ってー」
「はーい」
小龍さんと一緒に夜間干しっぱなしにしていた洗濯物を回収していく。
男の後宮に来てあっという間に五ヵ月が経った。その間に新たに何人か入ったけど、やめてく人もちらほらといた。やめてく人みんな、美人というかやけに顔が整っている人が多い気がする。気のせいか?
最初の頃、出くわす人みんな俺の顔の傷に驚いたが、今は慣れてしまい誰も気にしていない。……時々、洗濯物の受けた渡しにきた側室の付き人たちの何人かに「醜い顔」と言われたりするけど。あ、中には「大丈夫?」と心配してくれる付き人もいるし、高そうな塗り薬をくれた人もいるよ?
洗濯物を入れた籠を受け取り場所に持っていこうと吹きさらしの通路を歩いていると、その場に突っ立たまま涙を流してる官吏と出くわした。
薄茶色の髪の美形が目を伏せて涙を流すその姿はなかなか様になっている……って違う。何かあったのだろうか?
「あの……大丈夫ですか?」
「ちょっ……バカッ!」
慌てた小龍さんに脇を肘で突かれ、そこで俺は自分が何をしでかしたのか思い出し青褪めた。下々の人間から目上の人間に声を掛けるのはタブーだと釆さんに言われていた。
「あっ! 許しもなく声を掛けて申し訳ございません! その、泣いておられていたので、つい……」
俺は慌てて頭を下げた。不味い不味い不味い。前世で落ち込んでいる職場の先輩と重なって、つい声をけてしまった! うわぁぁっ! 俺の馬鹿っ!
その場に沈黙が落ち、俺の心臓がバクバクと跳ね上がる。
「ああ……驚かせてしまったね」
官吏が口を開く。声音からして怒っている様子は……ない? 顔を上げるよう言われ恐る恐る顔を上げると、美形が目元を指で拭い髪と同じ色の目を俺に向けた。
「少し過去のことを思い出してね。……ところで君のその傷は?」
「……あー……えっと、父の話では崖から落ちてできた傷だと……。俺は覚えてないんですけど」
そう答えると官吏は目を少し見開いたと少しだけ目を伏せて「………よく無事だったね?」と呟くように言った。
「はい。自分でも運が良かったと思っています。結構な高さだったと聞きましたから」
「そうか……。名を聞いても?」
「名前ですか?」
なんで?
「えっと、洋といいます」
「洋……か。いい名だ」
官吏は小さく笑って俺たちの前から去って行った。完全に姿が見えなくなった後、俺は口を開いた。
「…………名前聞いたってことは、あとでお咎めがあるってことですか?」
「……怒っている様子はなかったけど……」
あああっ! お咎めがないことを切に祈るっ!
小龍さんは後輩ができて嬉しいのか色々と世話を焼いてくれるので、ここでやっていけるかどうか不安だった俺たちにとってはとても有難い存在だった。
さて、男性の後宮ですが。そこは俺が想像していた何十倍も華やかなところでした。
(ホント、家族のみんなに見せてやりたいわ……)
どの男性もすげぇ美人さんで、中には美少女のような容姿の男児も居て思わず二度見してしまった。
「男らしくならないようにあそこを切り落とした人もいるらしいよ」
ニヤリと笑う小龍さんに俺たちは「ひぇ」と情けない声を上げてしまった。小龍さんも彼らに負けてないと思うが、「この顔でいいことなんて何一つなかったよ?」と凄くいい笑顔で返されたので、今後顔には触れないことにした。目が完全に笑っていませんでした。
「え? 学び屋があるんですか?」
俺は洗濯の手を止めて、隣にいる小龍さんを見た。
「そうそうっ! 今の帝様が僕たち平民にも学びは必要だって言って、二年前に使われていない側室部屋の一つを改修して学び屋にしたのっ!……あっ! それ力入れると擦れちゃうから気を付けてっ!」
「げっ!」
小龍の向かいで慣れない手つきで洗濯をしている男の子に「この布はこうやって洗うといいよ」と男の子に丁寧に教えた。
男の後宮に来た俺たちは洗濯班に配属された。
男の後宮は女人禁制なので側室の付き人はもちろん、身の回りの世話や掃除、水仕事など全部男がやらなければならない。
その中でも洗濯班は人手が一番足りていない。後宮に来れば真っ先に洗濯班に配属されるほどだ。
「腰も腕も痛くなるし、手は荒れるし、冬場なんて地獄だから、投げ出しちゃう人いるんだよねぇ」
小龍は肩を竦めながら言った。そんな人はどうなるのか? と聞いたら、「さぁ? 知らなーい」と返された。知らないほうが身のためなんだろうか……。
「……と、さっきの話の続きなんだけど」
その学び屋では週に一度老師が来て、文字の読み書きと簡単な算術を教えてくれるらしい。まじで? 行きたい。
「あははっ! すごい興味津々だねっ! でもここを空にするわけにはいかないから、行けるの一人か二人ぐらいなんだよねぇ。洋が行けるのは当分先かなぁ」
なんだぁ、残念。と俺は肩を落とした。
洗い終わった洗濯物を屋根だけがついた吹きさらしの部屋に順次干していく。家では木綿しか洗ったことないから、絹とかの高級品の洗濯は緊張する。
「洋って洗濯とか裁縫とかやけに手慣れてるよね」
支給された服はぴったりではないので、裁縫道具を借りて同郷の分の裾上げや肩上げをやった。裾が全然足りないってことがなくてよかった。
「家で手伝ってましたから。さすがに絹を洗ったことはありませんが」
「珍しっ! ……確かに絹なんてここに来なかったら触る機会なんて一生ないよねっ!……と、よしっ! 今日の仕事終わりっ!」
全部干し終えた俺たちは背伸びをした。一日中洗濯をしていたから腕とか腰が痛い。
日中に干していた洗濯物は乾いて回収できるが、夕方に干した洗濯物はそのまま次の日まで干しっぱなしだ。人手がもっとあればこんなこともなかっただろうね。
洗濯場は一つの敷地としてあるので、全員が退去するとすべての門が閉じられ次の日まで中に入ることができない。悪戯や盗難を防ぐためらしい。
確かに干しっぱなしの洗濯物や明日にまわされた洗濯物が入った籠が置かれた部屋があるからなぁ。
夕飯を食った後は次の朝まで非常時以外部屋から出てはいけない。なぜなら……。
「王宮全体に見張りの霊具があっちこっちにあって、それに触れるとけたたましい音が鳴るんだよ~」
と、初日の夜に釆さんに言われたからだ。実際二年前、夜中に遠くから甲高い音が聞こえてびっくりしたという。そのあと少し騒がしくなったらしいが、詳細は聞かされていないとのこと。「下っ端にわざわざ教える必要ないしねぇ~」と釆さんが肩を竦めた。ってそれ前世でいう防犯装置じゃね? そして「れいぐ」という初めて聞く単語。
釆さん曰く、自然の力が結晶化したもの……霊石と呼ばれる石と術式を組み合わせて作られた道具とのこと。
ファンタジーじゃんっ! めっちゃファンタジーじゃん‼
街で見た街灯も霊具だという。他にも日常的な霊具もあるらしいが、使用されている霊石が小さくてもそこそこいいお値段なので、お金に余裕がある人しか買えないという。
「その、日常的なものってなんですか?」
「実物は見たことはないけど、聞いた話では髪を一瞬で乾かす霊具とか、暑い時に涼しい風を出す霊具とか?」
釆さんが首を傾げながら言った。それって前世でいうドライヤーと扇風機又はクーラーじゃね?
(うわー! うわー! 実物めっちゃ見たいっ‼)
なお、日常的な霊具が作られるようになったのは今の帝になってからで、それまでの霊具は武器が中心だったらしい。
「祖父の話では竜人や獣人は肉体一つで人間の軍隊を一つ打ち負かすぐらいの力を持ってるらしいよ~」
うん。霊具を武器に全振りしちゃうわ。そりゃあ。
「でも日常的な霊具も作れるようになってことは、今は平和ってことですか?」
「まぁ、そうなんじゃないかなぁ~」
ちなみに釆さんが霊具やら霊石に詳しいのは王都に近い村の出身で、それなりの情報を得ることができたからだそうだ。
霊具どころか霊石という存在すら知らなかった俺の村って凄い辺鄙なところにあったんだなぁと改めて実感した。
「帝様はそれらをもっと身分の低い人でも手に取れるようにしたいって言ってるらしいよぅ~」
まじかっ! 頑張れ! 帝っ!
「洋ー。洗濯物回収するの手伝ってー」
「はーい」
小龍さんと一緒に夜間干しっぱなしにしていた洗濯物を回収していく。
男の後宮に来てあっという間に五ヵ月が経った。その間に新たに何人か入ったけど、やめてく人もちらほらといた。やめてく人みんな、美人というかやけに顔が整っている人が多い気がする。気のせいか?
最初の頃、出くわす人みんな俺の顔の傷に驚いたが、今は慣れてしまい誰も気にしていない。……時々、洗濯物の受けた渡しにきた側室の付き人たちの何人かに「醜い顔」と言われたりするけど。あ、中には「大丈夫?」と心配してくれる付き人もいるし、高そうな塗り薬をくれた人もいるよ?
洗濯物を入れた籠を受け取り場所に持っていこうと吹きさらしの通路を歩いていると、その場に突っ立たまま涙を流してる官吏と出くわした。
薄茶色の髪の美形が目を伏せて涙を流すその姿はなかなか様になっている……って違う。何かあったのだろうか?
「あの……大丈夫ですか?」
「ちょっ……バカッ!」
慌てた小龍さんに脇を肘で突かれ、そこで俺は自分が何をしでかしたのか思い出し青褪めた。下々の人間から目上の人間に声を掛けるのはタブーだと釆さんに言われていた。
「あっ! 許しもなく声を掛けて申し訳ございません! その、泣いておられていたので、つい……」
俺は慌てて頭を下げた。不味い不味い不味い。前世で落ち込んでいる職場の先輩と重なって、つい声をけてしまった! うわぁぁっ! 俺の馬鹿っ!
その場に沈黙が落ち、俺の心臓がバクバクと跳ね上がる。
「ああ……驚かせてしまったね」
官吏が口を開く。声音からして怒っている様子は……ない? 顔を上げるよう言われ恐る恐る顔を上げると、美形が目元を指で拭い髪と同じ色の目を俺に向けた。
「少し過去のことを思い出してね。……ところで君のその傷は?」
「……あー……えっと、父の話では崖から落ちてできた傷だと……。俺は覚えてないんですけど」
そう答えると官吏は目を少し見開いたと少しだけ目を伏せて「………よく無事だったね?」と呟くように言った。
「はい。自分でも運が良かったと思っています。結構な高さだったと聞きましたから」
「そうか……。名を聞いても?」
「名前ですか?」
なんで?
「えっと、洋といいます」
「洋……か。いい名だ」
官吏は小さく笑って俺たちの前から去って行った。完全に姿が見えなくなった後、俺は口を開いた。
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あああっ! お咎めがないことを切に祈るっ!
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