【完結】【R18BL】異世界転移したオメガ、貴族兄弟に飼われることになりました

ちゃっぷす

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スルトの結婚

【43話】とうとうこの日が

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勢いよくカーテンが開く音がする。眩しい光が差し込んできて、僕は顔をしかめた。

「う~ん…」

「おはようケイゴ!朝食を持ってきたぞ」

「ううう…眠い…」

「ケイゴはよく寝るなあ。なのに全然育ってないな!なんでだ?」

「あのバカ二人に毎晩毎晩体力持ってかれるからだよ…。っていうかしれっと失礼なこと言わないでくれる?!」

「ははは!ごめんごめん」

ピーターと一緒に朝食を食べていると、スルトが部屋に入ってきた。いつものような元気はなく、黙って僕の傍で立つ。

「どうしたの?」

「なにがだ?」

「いや、元気ないから」

「…なんでもない」

スルトはそう言って、僕にキスをしてぎゅっと抱きついてから部屋を出ていった。あんな思いつめた表情のスルト、初めて見た。

「スルト、どうしたんだろう?」

「さあ…」

ピーターも不思議そうにドアを眺めていた。
朝食をとったあと、服を着替えてぼうっと一日を過ごした。最近はエドガーに勧められた本を読んでいる。ピーターに教えてもらっているので、少しずつこの世界の文字も読めるようになってきた。

夜、また沈んだ表情のスルトがそろりと部屋に入ってきた。なんなの今日のスルト。別人みたいじゃないか。
椅子に腰かけて、じっとしている。なんだか調子が狂う。

「ねえ」

「なんだ」

「どうしたんですか。今日一日ずっとそんな感じなんですか?」

「……」

ええ~。なにこのスルト扱いづらいんだけど。めっちゃ黙るじゃん…。僕自分から話題振るのとか得意じゃないんだけど。どうしよう。

「なあ、ケーゴ」

わ、やっと喋った。よかった~。

「なんですか?」

「…俺はお前のことを愛している」

「……」

え。喋り始めたと思ったらこれ?こわ。重。もしかしてずっとこれを言おうとしてたの?童貞かよぉ…。
僕がじとっとした目で見ても、いつものようなツッコミが来ない。真剣な思いつめた目でじっと僕を見返した。

「だが、俺は貴族だ。務めは果たさないといけない」

「…話が見えてこないんですが」

「隣国の貴族の娘が、俺に結婚の申し出をしてきた」

あー…そういうこと…。

「俺は、受けなければならない」

「受けるべきだと思います」

僕がそう言うと、スルトが泣きそうな顔をした。…僕だって、気を緩めたら泣きそうだ。でも震えそうになる声を抑えて言葉を続けた。

「もしかして、僕に気をつかってるんですか?」

「気をつかっているとはまた違うが…。やはり、お前のことを考えるとどうも前向きになれん」

「スルト。僕は何年も前からこの時を覚悟していました。その時がきたら、背中を押すって決めていました」

「ケーゴ…」

僕は精一杯笑顔を見せた。

「僕は貴族じゃありません。その上男です。僕じゃだめなんです。貴族としての判断をきちんとしてください」

「……」

「結婚をしても、気が向いて、奥さんが許してくれたときは、時たま僕の部屋に遊びに来てください。飽きるまででいいので」

スルトの瞳からぽろりと涙がこぼれた。はじめて見るスルトの涙。とても綺麗だった。
彼は何も言わずに僕を抱きしめた。僕もスルトの胸に顔を押し付けて、見えないように、聞こえないようにこっそり泣いた。

僕は抱きかかえられベッドへおろされた。自然と唇が重なり合う。キスをしながらお互いの服を脱がせた。言葉を交わさず、ただただ体を求め合った。

「あっ…んっ…ふ…」

「はっ…ん…」

僕の喘ぎ声と、スルトの息遣いだけが部屋に響く。いつもより優しく、しっかり記憶に刻みつくように、スルトはゆっくりと腰を動かした。僕の首輪をカリッと噛む。そのあと小さな嗚咽が聞こえてきた。僕はスルトの肩を掴み、きゅっと顔をしかめた。我慢しようとしても溢れてくる涙で彼の肩を濡らした。

流れ込むスルトのものが、ずっと僕の中に残ればいいのにと思った。

その夜、スルトと僕は抱きしめ合って眠った。離したくないとお互い思っていたと思う。でも、僕が朝目覚めたころには、隣にスルトはいなかった。
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