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スルトの結婚
【42話】5年後
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ある朝、スルトは使者から手紙を受け取った。内容に目を通すなりぐしゃりと握りつぶす。
「おはようスルト。ご機嫌斜めかい?」
紅茶をテーブルに置きながら、エドガーが向かいに腰かける。スルトは兄から顔を背けた。険しい顔をしている。
「その手紙は?誰からだい?」
「父上だ」
「…ほう。ってことは…」
「ああ、結婚の催促だ」
「なるほど」
エドガーはゆっくり紅茶をすする。
「エリザベスとのかい?」
「ああ」
「彼女は君に陶酔してるもんね」
「エリザベスは隣国の貴族だ。無下にできない。しかし…」
「スルト。いくら君でも、自分の立場は分かっているよね?」
「……」
「結婚をして、子を残すこと。それが僕たちの最も大切な務めだ。…それがたとえ、政略結婚だとしてもね」
「わかっている…」
「気持ちはよく分かるよ」
エドガーが弟の肩に手を優しく置いた。スルトは唇を噛んで顔を歪めている。頭では分かっているが、気持ちが追いつかない。エドガーが席を立った後、スルトは額に手を当て深いため息をついた。
「おはようスルト。ご機嫌斜めかい?」
紅茶をテーブルに置きながら、エドガーが向かいに腰かける。スルトは兄から顔を背けた。険しい顔をしている。
「その手紙は?誰からだい?」
「父上だ」
「…ほう。ってことは…」
「ああ、結婚の催促だ」
「なるほど」
エドガーはゆっくり紅茶をすする。
「エリザベスとのかい?」
「ああ」
「彼女は君に陶酔してるもんね」
「エリザベスは隣国の貴族だ。無下にできない。しかし…」
「スルト。いくら君でも、自分の立場は分かっているよね?」
「……」
「結婚をして、子を残すこと。それが僕たちの最も大切な務めだ。…それがたとえ、政略結婚だとしてもね」
「わかっている…」
「気持ちはよく分かるよ」
エドガーが弟の肩に手を優しく置いた。スルトは唇を噛んで顔を歪めている。頭では分かっているが、気持ちが追いつかない。エドガーが席を立った後、スルトは額に手を当て深いため息をついた。
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