47 / 53
生まれついた責任
しおりを挟む
「叔父さまは、ひょっとしてノルラントと………?」
ジュリエッタの問いに、アドルフは目を見開いた。そして、一呼吸おいて、うなずいた。
「驚いたよ。ジュリエッタは本当に勘が良いね。その通り、僕はノルラントと手を組んだ」
ちょうどそのときだった。青い旗を掲げた軍船が、悠々と西から運河に入ってきていることに気づいたのは。
(ノルラントの軍船………)
ジュリエッタの脳裏に、火の手が上がる王都の光景がよぎった。そんなジュリエッタにアドルフは淡々と告げる。
「ノルラントには王様はいないんだ。昔、悪い王様がいたけど、みんなでやっつけたんだ。そして、今は、首長を人民が選ぶ。生まれながらの王様、生まれながらの乞食なんて、ノルラントにはどこにもいない」
アドルフはダニエルに向いた。
「ダニエル、きみも僕と手を組まないか。一緒にブルフェンをぶっ潰しに行こう。僕に手を貸してくれないか」
「だ、駄目よ………、叔父さま、やめて………! ダニエルさまを巻き込まないで………」
ジュリエッタは背中を向いて、ダニエルにしがみついた。ダニエルもまた、固唾を飲んでアドルフを見返している。
(叔父さまだった。ノルラントを手引きしたのは叔父さまだった……、叔父さまからダニエルさまを守らなきゃ……)
アドルフはジュリエッタを見据えて言った。
「僕は、兄上を弑して差し上げようと思っている」
息を飲むジュリエッタを横目に、アドルフは、ダニエルに目を向けた。
「ダニエル、きみも兄上には恨みを持ってるんじゃないかい?」
ダニエルの体が強張るのをジュリエッタは感じた。
「無実の罪に陥れられようとしただけじゃない。その前々から腹を立てているだろう。僕はね、フィリップがせめて国王らしく戦場に往けば、許してやるつもりだった。あるいはエドウィンが往けば。しかし、僕が退いた後も、彼らは揃いも揃って、戦争など知らんふりで王都でぬくぬくと過ごしてきた。形ばかりの兵をバルベリに送って。腹が立たなかったかい?」
「叔父さま、やめて……!」
ジュリエッタは声を上げた。しかし、アドルフは淡々と言ってくる。
「ジュリエッタ、自分たちだけ逃げるのかい?」
「逃げるわけじゃないわ……!」
「人々を見捨てることに違いはないんだ。今のジュリエッタはフィリップが裸の王様だということを知っているだろう。そして、そんな王様のもとで、人々は貧困にあえいでいることも。王家は、そしてこの国の貴族は、腐りきっている。商人になってブルフェンから出ていくということは、それを見て見ぬふりして逃げるということだよ。きみは大きな責任をもって生まれついたというのに」
ジュリエッタは反論しようとするも、口を開くだけで言葉は出てこなかった。
「僕は、王子に生まれついた責任を果たす。この手でフィリップを弑し、人々を圧政から解放するつもりだ」
ジュリエッタはあえぐように言った。
「人々のためじゃないんでしょう? 叔父さまは、怒りと憎しみに突き動かされている、と言ったわ。個人的な恨みがあるんでしょう!」
アドルフは目を伏せた。しばらくの間、黙り込んでいた。そして、再び目がジュリエットに向いたときには、悲しみを浮かべていた。
「そうだ、きわめて個人的な恨みがある。きみは幼い頃、僕に求婚してくれたことがあったね。嬉しかったよ。あのときは娘に求婚された父親はこんな気分なんだろうな、と思った。嬉しかったけど、叔父と姪の関係じゃなくても、受けることはできなかった。当時の僕には愛する人がいた」
ジュリエッタは叔父の横で笑っていた女性のことをそのときになって思い出した。二人は幸せそうだった。
そこで、アドルフがずっと未婚でいるのに思い至った。杖をついていることなど、何ら不利にならない。アドルフの地位も外見も、それを補って余りある。だから結婚しようと思えばいつでもできたのに。
アドルフは愛おしいものを思い出すような顔つきになった。
「彼女は、僕にとっては唯一無二の人だった。僕がバルベリから帰ったら結婚するはずだった。足を痛めて帰ることになったけど、婚約者は逆にそれを喜んでくれた。もう前線に出ないで済むこと、これからは僕と一緒にいられることが、嬉しくてたまらない、と言って笑ってくれた。そして、僕たちはここで暮らすはずだった」
「でも、何かが起きたのね……」
ジュリエッタはアドルフがつらい過去を抱えていることに今更ながらに気づいた。
「結婚式を挙げる前の夜、彼女は死んだ。自殺だった。ご両親に理由を聞いても教えてくれなかった。ただ、ご両親が僕に怒りを抱いているのだけは感じた」
アドルフは静かに語った。
「僕は一人で大公領に来て、そして、無我夢中で働いて過ごした。昼は領地を駆けずり回り、夜は酒を浴びるほど食らった。そして、一年ぶりに王都に戻ったとき、婚約者の妹に教えられたんだ。彼女が兄に凌辱されたことを。彼女はそれを苦にして自殺したと。僕はご両親に恨まれても当然だ。彼女を守れなかったのだから。そのときから……、僕は兄の殺し方だけを考えて過ごしてきた……」
アドルフの目には凍てつくように冷たかった。
「兄、フィリップを、フィリップに与する貴族どもを、きれいさっぱり皆殺しにする。そして、人々を圧制から解放する。これは僕の復讐でもあり、王子としての最後の仕事だ」
***
大公城に戻ったジュリエッタは、予知夢を思い出していた。火の手の上がった王都、逃げ惑う人々。そして、敵兵に捕まり嬲り殺された自分。
恐怖に襲われるが、冷静に思い返してみれば、火の手が上がったのは王宮に貴族邸だった。下町からは火は上がっていなかった。そして、人々は逃げ惑ってはいたが、標的にされたのは貴族だけだった。
(予知夢の続きは………?)
王族に貴族らが殺され、人々は圧政から解放されて、幸せな未来をたどったのだろうか。
(悪い王様がやっつけられて、みな、幸せに暮らしましたとさ………?)
ジュリエッタは首を横に振る。
アドルフだって言ったではないか。
『誰かの幸せのために動くよりも、怒りと憎しみに突き動かされたときのほうが、より何かを早く実現できることがある』と。
ノルラントはブルフェンの人々を救うためにやってきたのではない。おそらくブルフェンに敵意を持っている。ノルラントから見ればバルベリへの侵攻は、侵略ではなく奪還だったはずだ。歴史的にバルベリはノルラントに組み込まれていた時期がある。ノルラントはノルラントでバルベリの正当な所有者であると思ってきたはずだ。
ノルラント人の怒りは王家と貴族に限られており、人々には同情を抱いているかもしれない。ノルラントが王政を倒した経緯からすれば、それはありうる。
しかし、ノルラントがブルフェンの人々を解放したとはいえ、すぐに貧困がなくなるとは思えない。武力行使で秩序が失われたとなれば、それを立て直すまでには大きな混乱を乗り越えなければならない。
ジュリエッタは窓辺に立ち外を見下ろすダニエルのもとに向かった。
ジュリエッタの問いに、アドルフは目を見開いた。そして、一呼吸おいて、うなずいた。
「驚いたよ。ジュリエッタは本当に勘が良いね。その通り、僕はノルラントと手を組んだ」
ちょうどそのときだった。青い旗を掲げた軍船が、悠々と西から運河に入ってきていることに気づいたのは。
(ノルラントの軍船………)
ジュリエッタの脳裏に、火の手が上がる王都の光景がよぎった。そんなジュリエッタにアドルフは淡々と告げる。
「ノルラントには王様はいないんだ。昔、悪い王様がいたけど、みんなでやっつけたんだ。そして、今は、首長を人民が選ぶ。生まれながらの王様、生まれながらの乞食なんて、ノルラントにはどこにもいない」
アドルフはダニエルに向いた。
「ダニエル、きみも僕と手を組まないか。一緒にブルフェンをぶっ潰しに行こう。僕に手を貸してくれないか」
「だ、駄目よ………、叔父さま、やめて………! ダニエルさまを巻き込まないで………」
ジュリエッタは背中を向いて、ダニエルにしがみついた。ダニエルもまた、固唾を飲んでアドルフを見返している。
(叔父さまだった。ノルラントを手引きしたのは叔父さまだった……、叔父さまからダニエルさまを守らなきゃ……)
アドルフはジュリエッタを見据えて言った。
「僕は、兄上を弑して差し上げようと思っている」
息を飲むジュリエッタを横目に、アドルフは、ダニエルに目を向けた。
「ダニエル、きみも兄上には恨みを持ってるんじゃないかい?」
ダニエルの体が強張るのをジュリエッタは感じた。
「無実の罪に陥れられようとしただけじゃない。その前々から腹を立てているだろう。僕はね、フィリップがせめて国王らしく戦場に往けば、許してやるつもりだった。あるいはエドウィンが往けば。しかし、僕が退いた後も、彼らは揃いも揃って、戦争など知らんふりで王都でぬくぬくと過ごしてきた。形ばかりの兵をバルベリに送って。腹が立たなかったかい?」
「叔父さま、やめて……!」
ジュリエッタは声を上げた。しかし、アドルフは淡々と言ってくる。
「ジュリエッタ、自分たちだけ逃げるのかい?」
「逃げるわけじゃないわ……!」
「人々を見捨てることに違いはないんだ。今のジュリエッタはフィリップが裸の王様だということを知っているだろう。そして、そんな王様のもとで、人々は貧困にあえいでいることも。王家は、そしてこの国の貴族は、腐りきっている。商人になってブルフェンから出ていくということは、それを見て見ぬふりして逃げるということだよ。きみは大きな責任をもって生まれついたというのに」
ジュリエッタは反論しようとするも、口を開くだけで言葉は出てこなかった。
「僕は、王子に生まれついた責任を果たす。この手でフィリップを弑し、人々を圧政から解放するつもりだ」
ジュリエッタはあえぐように言った。
「人々のためじゃないんでしょう? 叔父さまは、怒りと憎しみに突き動かされている、と言ったわ。個人的な恨みがあるんでしょう!」
アドルフは目を伏せた。しばらくの間、黙り込んでいた。そして、再び目がジュリエットに向いたときには、悲しみを浮かべていた。
「そうだ、きわめて個人的な恨みがある。きみは幼い頃、僕に求婚してくれたことがあったね。嬉しかったよ。あのときは娘に求婚された父親はこんな気分なんだろうな、と思った。嬉しかったけど、叔父と姪の関係じゃなくても、受けることはできなかった。当時の僕には愛する人がいた」
ジュリエッタは叔父の横で笑っていた女性のことをそのときになって思い出した。二人は幸せそうだった。
そこで、アドルフがずっと未婚でいるのに思い至った。杖をついていることなど、何ら不利にならない。アドルフの地位も外見も、それを補って余りある。だから結婚しようと思えばいつでもできたのに。
アドルフは愛おしいものを思い出すような顔つきになった。
「彼女は、僕にとっては唯一無二の人だった。僕がバルベリから帰ったら結婚するはずだった。足を痛めて帰ることになったけど、婚約者は逆にそれを喜んでくれた。もう前線に出ないで済むこと、これからは僕と一緒にいられることが、嬉しくてたまらない、と言って笑ってくれた。そして、僕たちはここで暮らすはずだった」
「でも、何かが起きたのね……」
ジュリエッタはアドルフがつらい過去を抱えていることに今更ながらに気づいた。
「結婚式を挙げる前の夜、彼女は死んだ。自殺だった。ご両親に理由を聞いても教えてくれなかった。ただ、ご両親が僕に怒りを抱いているのだけは感じた」
アドルフは静かに語った。
「僕は一人で大公領に来て、そして、無我夢中で働いて過ごした。昼は領地を駆けずり回り、夜は酒を浴びるほど食らった。そして、一年ぶりに王都に戻ったとき、婚約者の妹に教えられたんだ。彼女が兄に凌辱されたことを。彼女はそれを苦にして自殺したと。僕はご両親に恨まれても当然だ。彼女を守れなかったのだから。そのときから……、僕は兄の殺し方だけを考えて過ごしてきた……」
アドルフの目には凍てつくように冷たかった。
「兄、フィリップを、フィリップに与する貴族どもを、きれいさっぱり皆殺しにする。そして、人々を圧制から解放する。これは僕の復讐でもあり、王子としての最後の仕事だ」
***
大公城に戻ったジュリエッタは、予知夢を思い出していた。火の手の上がった王都、逃げ惑う人々。そして、敵兵に捕まり嬲り殺された自分。
恐怖に襲われるが、冷静に思い返してみれば、火の手が上がったのは王宮に貴族邸だった。下町からは火は上がっていなかった。そして、人々は逃げ惑ってはいたが、標的にされたのは貴族だけだった。
(予知夢の続きは………?)
王族に貴族らが殺され、人々は圧政から解放されて、幸せな未来をたどったのだろうか。
(悪い王様がやっつけられて、みな、幸せに暮らしましたとさ………?)
ジュリエッタは首を横に振る。
アドルフだって言ったではないか。
『誰かの幸せのために動くよりも、怒りと憎しみに突き動かされたときのほうが、より何かを早く実現できることがある』と。
ノルラントはブルフェンの人々を救うためにやってきたのではない。おそらくブルフェンに敵意を持っている。ノルラントから見ればバルベリへの侵攻は、侵略ではなく奪還だったはずだ。歴史的にバルベリはノルラントに組み込まれていた時期がある。ノルラントはノルラントでバルベリの正当な所有者であると思ってきたはずだ。
ノルラント人の怒りは王家と貴族に限られており、人々には同情を抱いているかもしれない。ノルラントが王政を倒した経緯からすれば、それはありうる。
しかし、ノルラントがブルフェンの人々を解放したとはいえ、すぐに貧困がなくなるとは思えない。武力行使で秩序が失われたとなれば、それを立て直すまでには大きな混乱を乗り越えなければならない。
ジュリエッタは窓辺に立ち外を見下ろすダニエルのもとに向かった。
261
あなたにおすすめの小説
婚姻契約には愛情は含まれていません。 旦那様には愛人がいるのですから十分でしょう?
すもも
恋愛
伯爵令嬢エーファの最も嫌いなものは善人……そう思っていた。
人を救う事に生き甲斐を感じていた両親が、陥った罠によって借金まみれとなった我が家。
これでは領民が冬を越せない!!
善良で善人で、人に尽くすのが好きな両親は何の迷いもなくこう言った。
『エーファ、君の結婚が決まったんだよ!! 君が嫁ぐなら、お金をくれるそうだ!! 領民のために尽くすのは領主として当然の事。 多くの命が救えるなんて最高の幸福だろう。 それに公爵家に嫁げばお前も幸福になるに違いない。 これは全員が幸福になれる機会なんだ、当然嫁いでくれるよな?』
と……。
そして、夫となる男の屋敷にいたのは……三人の愛人だった。
【完結】「お前とは結婚できない」と言われたので出奔したら、なぜか追いかけられています
22時完結
恋愛
「すまない、リディア。お前とは結婚できない」
そう告げたのは、長年婚約者だった王太子エドワード殿下。
理由は、「本当に愛する女性ができたから」――つまり、私以外に好きな人ができたということ。
(まあ、そんな気はしてました)
社交界では目立たない私は、王太子にとってただの「義務」でしかなかったのだろう。
未練もないし、王宮に居続ける理由もない。
だから、婚約破棄されたその日に領地に引きこもるため出奔した。
これからは自由に静かに暮らそう!
そう思っていたのに――
「……なぜ、殿下がここに?」
「お前がいなくなって、ようやく気づいた。リディア、お前が必要だ」
婚約破棄を言い渡した本人が、なぜか私を追いかけてきた!?
さらに、冷酷な王国宰相や腹黒な公爵まで現れて、次々に私を手に入れようとしてくる。
「お前は王妃になるべき女性だ。逃がすわけがない」
「いいや、俺の妻になるべきだろう?」
「……私、ただ田舎で静かに暮らしたいだけなんですけど!!」
氷の貴婦人
羊
恋愛
ソフィは幸せな結婚を目の前に控えていた。弾んでいた心を打ち砕かれたのは、結婚相手のアトレーと姉がベッドに居る姿を見た時だった。
呆然としたまま結婚式の日を迎え、その日から彼女の心は壊れていく。
感情が麻痺してしまい、すべてがかすみ越しの出来事に思える。そして、あんなに好きだったアトレーを見ると吐き気をもよおすようになった。
毒の強めなお話で、大人向けテイストです。
ご安心を、2度とその手を求める事はありません
ポチ
恋愛
大好きな婚約者様。 ‘’愛してる‘’ その言葉私の宝物だった。例え貴方の気持ちが私から離れたとしても。お飾りの妻になるかもしれないとしても・・・
それでも、私は貴方を想っていたい。 独り過ごす刻もそれだけで幸せを感じられた。たった一つの希望
離婚した彼女は死ぬことにした
はるかわ 美穂
恋愛
事故で命を落とす瞬間、政略結婚で結ばれた夫のアルバートを愛していたことに気づいたエレノア。
もう一度彼との結婚生活をやり直したいと願うと、四年前に巻き戻っていた。
今度こそ彼に相応しい妻になりたいと、これまでの臆病な自分を脱ぎ捨て奮闘するエレノア。しかし、
「前にも言ったけど、君は妻としての役目を果たさなくていいんだよ」
返ってくるのは拒絶を含んだ鉄壁の笑みと、表面的で義務的な優しさ。
それでも夫に想いを捧げ続けていたある日のこと、アルバートの大事にしている弟妹が原因不明の体調不良に襲われた。
神官から、二人の体調不良はエレノアの体内に宿る瘴気が原因だと告げられる。
大切な人を守るために離婚して彼らから離れることをエレノアは決意するが──。
私の願いは貴方の幸せです
mahiro
恋愛
「君、すごくいいね」
滅多に私のことを褒めることがないその人が初めて会った女の子を褒めている姿に、彼の興味が私から彼女に移ったのだと感じた。
私は2人の邪魔にならないよう出来るだけ早く去ることにしたのだが。
【完結】今日も旦那は愛人に尽くしている~なら私もいいわよね?~
コトミ
恋愛
結婚した夫には愛人がいた。辺境伯の令嬢であったビオラには男兄弟がおらず、子爵家のカールを婿として屋敷に向かい入れた。半年の間は良かったが、それから事態は急速に悪化していく。伯爵であり、領地も統治している夫に平民の愛人がいて、屋敷の隣にその愛人のための別棟まで作って愛人に尽くす。こんなことを我慢できる夫人は私以外に何人いるのかしら。そんな考えを巡らせながら、ビオラは毎日夫の代わりに領地の仕事をこなしていた。毎晩夫のカールは愛人の元へ通っている。その間ビオラは休む暇なく仕事をこなした。ビオラがカールに反論してもカールは「君も愛人を作ればいいじゃないか」の一点張り。我慢の限界になったビオラはずっと大切にしてきた屋敷を飛び出した。
そしてその飛び出した先で出会った人とは?
(できる限り毎日投稿を頑張ります。誤字脱字、世界観、ストーリー構成、などなどはゆるゆるです)
【受賞&本編完結】たとえあなたに選ばれなくても【改訂中】
神宮寺 あおい
恋愛
人を踏みつけた者には相応の報いを。
伯爵令嬢のアリシアは半年後に結婚する予定だった。
公爵家次男の婚約者、ルーカスと両思いで一緒になれるのを楽しみにしていたのに。
ルーカスにとって腹違いの兄、ニコラオスの突然の死が全てを狂わせていく。
義母の願う血筋の継承。
ニコラオスの婚約者、フォティアからの横槍。
公爵家を継ぐ義務に縛られるルーカス。
フォティアのお腹にはニコラオスの子供が宿っており、正統なる後継者を望む義母はルーカスとアリシアの婚約を破棄させ、フォティアと婚約させようとする。
そんな中アリシアのお腹にもまた小さな命が。
アリシアとルーカスの思いとは裏腹に2人は周りの思惑に振り回されていく。
何があってもこの子を守らなければ。
大切なあなたとの未来を夢見たいのに許されない。
ならば私は去りましょう。
たとえあなたに選ばれなくても。
私は私の人生を歩んでいく。
これは普通の伯爵令嬢と訳あり公爵令息の、想いが報われるまでの物語。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読む前にご確認いただけると助かります。
1)西洋の貴族社会をベースにした世界観ではあるものの、あくまでファンタジーです
2)作中では第一王位継承者のみ『皇太子』とし、それ以外は『王子』『王女』としています
→ただ今『皇太子』を『王太子』へ、さらに文頭一文字下げなど、表記を改訂中です。
そのため一時的に『皇太子』と『王太子』が混在しております。
よろしくお願いいたします。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
誤字を教えてくださる方、ありがとうございます。
読み返してから投稿しているのですが、見落としていることがあるのでとても助かります。
アルファポリス第18回恋愛小説大賞 奨励賞受賞
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる