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(6)初めて尽くし
しおりを挟む市場から帰ってきたリアは、レオンハルトから受け取った買い出し袋を抱えたまま、迷いなく台所へ向かった。扉を開けると、冷えた空気と共にほのかに石鹸の香りが漂ってきて、彼女は少しだけ肩の力を抜いた。
「じゃあ、キッチンちょっとお借りします」
「リア」
小声で呟くように言いながら、荷物を台に置く。すぐに返された自分の名に振り返ると、後ろにいたレオンハルトが、何か言いたげに眉を寄せていた。
「あなたが怪我をしたら、僕がギルに怒られてしまいます」
彼の声音は穏やかだったが、そこには確かに心配の色が滲んでいた。
「だ、大丈夫です」
「でも……」
「一応パン屋の娘なので、包丁の扱いには慣れています」
「……そうですか。なら、せめて道具の位置くらいは把握しておいてください」
無理やり納得するように言いながらも、レオンハルトは棚からまな板を取り出して場所を示し、包丁の収納棚を指差す。次いで、気持ちばかりの調味料の並んだ引き出しと、粉物を入れていると思しき瓶の所在を教えてくれた。
「次回は僕たちが作れるように、メモを残しておいてもらえると助かります」
そう言って、彼はちらりとリアの手元に目をやった。まだ不安が残っているのだろう。けれど、他に用事があるのか、名残惜しそうにしてからその場を離れていった。
リアは一人になると、大きく息を吐き出した。
「よし……まずはパン生地から」
両手を洗い、髪を後ろに結ぶ。動きは慣れている。実家のパン屋で毎朝繰り返してきた手順だ。母から教わったやり方を思い出しながら、彼女は粉を捏ねていく。
竜族の屋敷にある食材は、人間の村とさほど違わなかった。けれど、香辛料の種類や塩の色合いが微妙に違っていて、どこか異国の料理を作るような心地がする。粉を捏ね、ぬるま湯と卵を加えながら、丁寧に捏ねあげていく。
発酵の間に、肉の下処理に取りかかった。市場で手に入れた塊肉を台に置き、包丁を丁寧に入れる。血抜きを済ませたあと、少し多めに塩を振りかけ、香辛料もふたつまみほど加える。肉にまぶしながら、その香りにふと懐かしさを覚えた。
発酵が終わるころには、部屋の空気も温まり、ふんわりと小麦の匂いが広がっていた。リアは生地を分けて丸めたあと、屋敷の片隅にあった使われていない金属の型を取り出す。埃を払って中を拭き、オイルを薄く塗ってから、丁寧に生地を詰めていく。
火加減を調整しながらオーブンに入れると、彼女は小さく肩をすくめた。
「ちゃんと、焼けたらいいな。ていうか、竜族って人間と味覚は同じなのかな……?」
竜族相手に、人間のレシピが通用するか、正直不安はあった。けれど、それでもやってみたいと思ったのだ。自分の手で作った何かを、この場所で残したかった。
そうすることで、ほんの少しでも――生贄ではなく、誰かの隣にいるためにここへ来たのだと思えるような気がした。
焼き上がるまでの間、リアは黙々と後片付けに入った。真鍮の蛇口から流れる水は冷たかったけれど、どこか背筋を伸ばしてくれるようでもあった。
オーブンの奥から、こんがりとした香ばしい匂いが漂ってくる。鼻先をくすぐるその香りに、思わずリアは小さく笑みを溢した。
◇
こんがりと焼き上がった食パンを型から外し、リアは熱気を逃がすために網の上に乗せた。ふわりと香ばしい匂いが立ちのぼり、思わず目を細める。しっかり膨らんだその形に、胸の奥がほのかに温まった。
「よし、バッチリ。あとは冷まして……」
呟きながら布巾を掛けたそのとき、キッチンの扉が唐突に開かれた。リアはびくりと肩を跳ねさせる。入ってきたのは、見慣れた金髪の少年だった。
「えっと……ギル、フォード様……?」
思わず名前を呼んでしまったが、それ以上に彼の表情が印象的だった。眉が僅かに寄り、目が丸く見開かれている。驚きが隠しきれていない。
「俺の勘違いじゃなけりゃ、お前が晩飯を作ってるように見える」
口調はいつも通り乱暴だが、どこか探るような響きがあった。
「えっと、はい。そうです」
「……おい、エルマー! レオンハルト! どこにいる!」
ギルフォードは一気に語気を荒げて廊下へ怒鳴った。リアは慌てて手を振りながら、その前に立ちはだかる。
「ま、待ってください! 私がお願いしたんです!」
「……はぁ?」
先ほどよりも低く、呆れたような声が返ってくる。完全に意味が分からないといった顔をして、ギルフォードは片眉を吊り上げたままリアを見下ろした。
「なんでお前が、わざわざ飯作ってる? あいつらの飯は口に合わねえか」
「いやあの、人間の食べ物って、こちらのものとちょっと違うので……あまり皆さんに手間をかけさせたくなくて。あと、今日は私も材料を見てきたので、最初は自分でやりたかったんです」
言葉を選びながら、リアはなるべく落ち着いた声で答えた。ギルフォードは黙ったまま腕を組み、なおも難しい顔をしている。
「これからは誰でも作れるように、手順とか材料とか……一応、ちゃんと書いてます。このメモ帳に」
「メモ」
「はい。レオンハルトさんに言われて、確かに残しておいたほうがいいかもって思って」
彼女はキッチンの隅に置いていたノートを指差す。表紙にまだ何の装飾もない、素朴な帳面だったが、中には既に数ページ分のレシピが記されていた。焼き時間、調味料の分量、代用できる素材――必要そうな情報を一つ一つ、丁寧に。
ギルフォードは、可笑しそうに小さく鼻を鳴らした。
「真面目すぎんだろ」
そう呟きながらも、彼はノートに視線を落とす。ちらりと中を覗き見てから、ふと口を開いた。
「で? それだけか。にしても妙に手間かけてるみてぇだが、他にも理由があんだろ」
「……あとは、皆さんの味覚を知りたいです」
リアは正直に打ち明けた。ギルフォードが一瞬きょとんとする。
「竜族って、人間と同じ食材でも、美味しく感じられるんでしょうか?」
「………。」
「たとえば甘味や塩味の強さとか、温かい料理と冷たい料理の好みとか……そういうの、人間とは違うこともあるのかなって」
ギルフォードは何とも言えない顔でリアを見つめた。困惑と呆れと、ほんの少しの警戒――そんな入り混じった目。
「……んなもん、個体ごとに好みも違ぇし一括りには出来ねえ」
「なるほど。じゃあ、ギルフォードさんは、どんな味が好きですか?」
予想もしていなかった質問だったのだろう。ギルフォードは露骨にぎくりとし、顔を逸らした。
「は……? どうでもいいだろ」
「でも、それも書いておいたほうが、今後の食事の参考になりますし。私だけじゃなくて、お二人もそうかと」
彼女はノートを手に取り、ぺらりと空白のページを開く。細いペンを握る指先がしっかりしていた。すぐに書き込む気満々な様子を見て、ギルフォードは深いため息を一つ吐いた後、口を噤んだ。
「昔、料理人がいた時には……肉は両面焼いてたし、スパイスと塩で食ってた。で、硬えのは嫌い」
渋々といった口調ながらも、彼はぽつぽつと答えた。リアは嬉しそうに頷きながら、すぐさまメモに起こす。
「ありがとうございます。お肉ですね……両面焼き、柔らかめ」
さらさらと走るペンの音だけが、しばし部屋に響いた。
ギルフォードはというと、その様子を無言で見つめていた。どこか落ち着かないような態度で、キッチンの壁に寄りかかりながら、腕を組み直す。
「なぁ、お前……」
思いついたように声をかけたが、そこで言葉が止まった。
リアが顔を上げて見返すと、ギルフォードは視線を逸らし、妙に不機嫌そうな声で吐き捨てた。
「なんでもねぇ。怪我すんじゃねぇぞ」
それだけ言い残し、くるりと背を向けて出ていこうとする。
「ギルフォード様」
呼び止められて、彼は振り返りもせずに足を止めた。
「教えてくださって、ありがとうございました」
リアの声は真っ直ぐで、飾り気のないものだった。ギルフォードは短く返事をする代わりに、肩をひとつだけ上下させて――そのままキッチンを出ていった。
扉が静かに閉まったあと、リアは深く息を吐いた。ペンを置き、ノートを撫でながら小さく呟く。
「少しだけ……仲良くなれた、かな」
返ってくる声はなかったけれど、窓から差し込む光が、さっきよりも少しだけ柔らかくなった気がした。
◇
食堂に並んだのは、焼きたてのパンと、ハーブ香る肉のロースト、素朴な野菜のスープ。豪勢というわけではないが、色彩も香りも人目を惹く仕上がりだった。窓から差し込む淡い光が、湯気の立ち上る皿を照らしている。
リアは少し緊張した面持ちで、食卓の端に立っていた。
「どうぞ、召し上がってください。あの、もし合わなかったら、無理はしないで残してくださいね」
そう言って微笑むも、心の中は不安でいっぱいだった。人間と竜族とでは味覚も好みも違うと聞いていたし、調味料の選び方一つで不味いとされることもあるだろう。自分の勝手で作った料理を、彼らがどう受け止めるか――怖くないと言えば嘘だった。
「……じゃ、いただきます」
ギルフォードが無造作に椅子に腰を下ろし、しっかりと挨拶をしてから、まずはパンに手を伸ばした。ひと口ちぎって口に運んだ瞬間、彼の赤い瞳がわずかに見開かれる。
「………。」
沈黙。リアの心臓がどくんと跳ねる。次の言葉を待つ間に、冷や汗が首筋を伝った。
「これ、さっき焼いてたやつか?」
「はい。オーブンを使わせていただきました」
「ふーん」
ギルフォードはそれ以上言わず、再びパンをちぎり、咀嚼した。その後、スープを一口含む。今度は何も言わず、ただ黙々と食べた。
続いてエルマーが、すでに涎を我慢できなかったように「いっただきまーす!」と勢いよく手を合わせて、肉のローストにかぶりついた。
「うっま、なんだこれ!? レオ、お前これ食ってみろ。信じらんねぇくらい柔らかいぞ!!」
「うん……あ、本当だ。下味も強すぎないし、香りもちょうどいいね」
レオンハルトもおっとりとした調子ながら、もぐもぐとスープを口に運び、頷いた。
「パンも、外はカリッとしてるのに中はしっとりしてる…? リア、これは寝かせる時間を調整したんですか?」
「あっ、はい。少しだけ長めに寝かせました。湿度も見てたので……」
リアは少し驚いた。自分の焼いたパンに、こんなにきちんと感想をくれるとは思わなかった。レオンハルトの目が、静かに食事を楽しんでいることを物語っていた。
そして、目の前で一番無言だったギルフォードが、二切れ目のパンに手を伸ばしたのを見て、リアの胸がすうっと軽くなった。
彼が文句を言うどころか、きちんと食べてくれている。それだけで十分だった。
「リア、これは本物だわ。また作ってくんね?」
「ふふ…うん。私で良かったら、いつでも作るよ」
「エル、図々しすぎるよ……」
「だってうまいんだもんよぉ。レオもそう思うよな?」
「うん。今までで一番美味しい」
「お前らにプライドはねぇのかよ」
聞いていたギルフォードが少しだけ目を細め、わざとらしく睨んだが、そこに怒気はなかった。
「でも……よかった。ちゃんと食べてもらえて」
リアは、三人の様子を見て、ようやく椅子に腰を下ろした。肩の力が抜けていくのが分かる。ほんの少し前まで、異国のようだったこの場所で、笑い声があがり、自分の作ったものを囲んでくれている。それが、どれほど嬉しいことか。
「おい」
唐突にギルフォードが、口を開いた。思わずリアは、目を丸くする。
「な、なんでしょうか?」
「悪くなかった」
「……! はい、ありがとうございます!」
はにかんだ笑みとともに返事をするリアに、ギルフォードはそっぽを向いたが、しっかりと絶えずに食事を口に運んでいた。
◇
ギルフォードたちが住む屋敷の周辺はいつも静かで、空気がひんやりと冷えている。そんな空間の中、ギルフォードはキッチンカウンターの前に立ち、少しだけ眉を寄せていた。
二日前、泣きそうな顔で山の入り口に立っていた人間の女が、今日にはあのキッチンでせっせとパンを焼いていた――正直、意味が分からなかった。
「あいつ、結構図太えよな」
ぽつりと漏れた言葉に、隣にいたエルマーが笑った。
「ギル、お前なぁ。図太いって……リア、めっちゃいい子だろ。こう、なんつーか適応能力ってやつ? 人間って、馴染むのにもっと時間かかると思ってたけどな」
「そうだね。僕も最初、寝込むんじゃないかと思ってたけど」
背後から現れたのはレオンハルトだった。いつの間にかいたのか、手に持っていた小さなノートをめくりながら、のんびりとした声を漏らす。
「これ、今日作ってくれた料理のレシピなんだけど、すごく細かく書いてあって……僕、真似して作れるかもしれない」
ぺらぺらとノートを見せられ、ギルフォードは思わず鼻を鳴らした。
「お前ら、どうせ見ても出来ねえだろうが」
「いや、なんだか、今ならこれを見たらできるような……」
「野菜の種類も分からねぇ奴には無理だっつーの」
「昔より覚えたよ」
「……じゃ、レオンハルト。これは?」
「キャベツ」
「レタスだろ」
手に取ったレタスを籠に戻し、額に手を当てたギルフォードだったが、その目はわずかに緩んでいた。
思い返せば、リアの第一印象は『か弱そうな村娘』だった。人間なんて、どれも大差ないと思っていたし特別な興味もない。嫁だのなんだの言われても、王から命じられたから放ってはおけないだけで、守る義理があるくらいにしか思っていなかった。
だが――
「二日目でキッチンに立って、料理してんのは普通じゃねぇ」
「しかもさ、あのパンうまかったよな!?」
「うん。柔らかくて香りも良かった。村では、パン屋の娘だったんだって」
「へぇ」
ギルフォードは壁に寄りかかりながら、どこか考え込むような表情を浮かべた。
馴染もうとしているのは分かる。言葉や態度の端々に、こちらの文化に合わせようという意識があった。オドオドしてたくせに、しれっとキッチンに入り、メモを作り、次回に活かす準備までしている。
「肝の座った女」
再度そう呟くと、エルマーが面白そうに肩をすくめた。
「だから、リアだって。ギルも名前で呼んでやれよ」
「は?」
「いやいや、だから。あの女とかじゃなくてリアってさ」
ギルフォードは咄嗟に返事をせず、代わりに沈黙した。しばしの間、静かな空気が流れる。
「……レオンハルト」
「はい」
「お前も呼んでんのか? あいつのこと、リアって」
「うん、だって、そういう名前だし」
「クソ真面目すぎんだろ、お前」
「ありがとう」
まるで褒め言葉のように受け取ったレオンハルトの言葉に、エルマーは吹き出しそうになったが、どうにか堪えた。
ギルフォードは、再びノートへと目を向ける。小さくて規則的に並んだ文字が、リアの性格を表しているようだった。
「……名前で、か」
小さく呟いたその声は、誰にも届かないような、ごくごく微かなものだった。
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