身代わりの花は包愛に満たされる

天宮叶

文字の大きさ
51 / 51

永遠に共に(最終話)

しおりを挟む
◇◇◇

 

 食堂は懐かしく感じるほどの賑わいをみせている。

 遠征からの帰還を祝した豪華な料理が並んでいて、騎士の皆はとても盛り上がっていた。

 デューク様の隣だ皿に盛られている大量の料理を見つめる。こうしていると伯爵家に嫁いできた日のことを思い出す。

「食え食え!今日は宴だ!」

 デューク様がお酒を煽ると、騎士達も真似するように勢い良くジョッキを煽った。僕はその様子を見ながら骨付き肉を味わう。一人で食べていたときには感じられなかった楽しさや温かさが全身に染み込んでくる。食事は皆で食べるほうが楽しい。それを教えてくれたのはデューク様だ。

「アルビー美味いな」

「はい!とっても美味しいです」

 こうやって皆と過ごしていると自然と笑顔になれる。

 騎士団の皆、アルベルトさんや、アリア、そしてデューク様が隣りにいてくれる。寄り添い合うたびに僕はもう一人ぼっちではないし、気持ちを伝えていいのだと思えるんだ。

「デューク様、僕はこの場所が本当に大好きです」

「フッ。あぁ、俺も同じ気持ちだ」

 わしゃわしゃと頭を撫でられた。少し荒々しいけれど優しさの込められた手付きが好き。

 初めは怖いと感じていた。けれど触れ合うたびにデューク様のことをどんどんと好きになっていったんだ。素直に気持ちを伝える大切さも教えてもらえた。

 僕の大切な運命の人。

「デューク様、あなたに出会えてよかったです」

 場の雰囲気に呑まれて気持ちが高ぶっているせいか、今すぐに伝えたくなった。お酒を飲んでいたデューク様がジョッキを置いて、僕のことを強く抱きしめてくれた。

 皆がそんな僕達のことを温かい目で見守っている。恥ずかしいけれどそれがすごく嬉しい。

「俺もだよ。アルビーは俺にとって最高の嫁さんだ」

 嬉しい。

 本当に幸せでたまらない。デューク様からの包愛を受け入れながら、心が満たされたいく感覚に酔いしれる。

 初めは身代わりの結婚だった。けれど今はそれでよかったと思える。だからこの幸せを永遠に彼の隣で守っていきたい。

 

終わり

しおりを挟む
感想 3

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(3件)

ゆったん
2025.09.24 ゆったん

いつの日かオリビアとの(オリビアだけ)関係が修復されると良いなと最後まで読ませていただいて思いました。やっぱり最終的には溺愛される系のお話は良いですね。この先を想像しながらこれからもこっそり応援しています。

2025.09.24 天宮叶

ご愛読いただきありがとうございました!!誤字報告もとても助かります!!ありがとうございますm(_ _)m
できることなら作者としてもオリビアとアルビーが仲直りしてほしいと思っていたのですが、なかなか難しいですね……
本当にありがとうございます!

解除
おっちん
2025.09.07 おっちん
ネタバレ含む
2025.09.08 天宮叶

感想ありがとうございます❤
アルビーが少しずつ強くなってきてくれて作者もほっと一安心です(*^^*)
デュークにはもっともっと愛を注いでもらいましょう!🤣
イラストも見ていただけてとても嬉しいです✨
これからも二人を温かく見守っていただけると幸いです!

解除
うみ
2025.09.07 うみ

更新、嬉しいです😊
今後、2人が良い関係を築いて行けたらいいですね。

2025.09.07 天宮叶

感想ありがとうございます!♡
これから押せ押せになっていくデュークとアルビーの掛け合いを楽しんでいただけたら嬉しいです✨✨

解除

あなたにおすすめの小説

番解除した僕等の末路【完結済・短編】

藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。 番になって数日後、「番解除」された事を悟った。 「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。 けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。 2026/01/23 19:00 アルファポリス版限定SS公開予定  累計で6300♡いいねと累計ポイント285000突破の御礼SSになります

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

オメガの僕が、最後に恋をした騎士は冷酷すぎる

虹湖🌈
BL
死にたかった僕を、生かしたのは――あなたの声だった。 滅びかけた未来。 最後のオメガとして、僕=アキは研究施設に閉じ込められていた。 「資源」「道具」――そんな呼び方しかされず、生きる意味なんてないと思っていた。 けれど。 血にまみれたアルファ騎士・レオンが、僕の名前を呼んだ瞬間――世界が変わった。 冷酷すぎる彼に守られて、逃げて、傷ついて。 それでも、彼と一緒なら「生きたい」と思える。 終末世界で芽生える、究極のバディ愛×オメガバース。 命を懸けた恋が、絶望の世界に希望を灯す。

ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学時代後輩から逃げたのに、大人になって再会するなんて!?

灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。 オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。 ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー 獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。 そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。 だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。 話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。 そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。 みたいな、大学篇と、その後の社会人編。 BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!! ※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました! ※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました! 旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」

「オレの番は、いちばん近くて、いちばん遠いアルファだった」

星井 悠里
BL
大好きだった幼なじみのアルファは、皆の憧れだった。 ベータのオレは、王都に誘ってくれたその手を取れなかった。 番にはなれない未来が、ただ怖かった。隣に立ち続ける自信がなかった。 あれから二年。幼馴染の婚約の噂を聞いて胸が痛むことはあるけれど、 平凡だけどちゃんと働いて、それなりに楽しく生きていた。 そんなオレの体に、ふとした異変が起きはじめた。 ――何でいまさら。オメガだった、なんて。 オメガだったら、これからますます頑張ろうとしていた仕事も出来なくなる。 2年前のあの時だったら。あの手を取れたかもしれないのに。 どうして、いまさら。 すれ違った運命に、急展開で振り回される、Ωのお話。 ハピエン確定です。(全10話) 2025年 07月12日 ~2025年 07月21日 なろうさんで完結してます。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。