身代わりの花は包愛に満たされる

天宮叶

文字の大きさ
50 / 51

満たされる②

しおりを挟む
「そのまま力を抜いてろ」

「へ……アッ!あぅ……ん……」

「少し我慢しろ」

 棚から香油を取り出したデューク様が手のひらに垂らす。それから少しだけ体温で温めて、蜜穴へと塗り付けた。ねっとりとした感覚に驚いていると、続いて指がゆっくりと蜜穴へと差し込まれていく。花人だからだろうか。痛みも苦しさも感じない。むしろ気持ちよさが全身を支配していた。

「動かすぞ」

「やっ、まって……あぁ!」 

 コリコリと内壁を押されて気持ちよさが押し寄せてきた。ゆっくりと中を掻き混ぜられて、気持ちよさに背が仰け反る。指が増えると、気持ちよさが増して、自分から溢れる香りも強くなった気がした。

「ああ!そこダメッ!」

「気持ちいいだろう」

「あっ!アァ!おかしくなっちゃうっ!」

 前立腺を刺激されると、未知の快感が怖くなって涙が溢れてきた。その涙をデューク様が舌先ですくう。

 近ぼやけた視界の中、デューク様も荒い息を吐き出していることがわかった。僕に合わせて我慢してくれているのがわかっ手愛おしさが増してしまう。

「デューク様……ほしい」

 甘えるように伝えると、デューク様のペニスが大きさを増した気がした。

「煽ったの後悔すんなよ」

 覆い被さってきた彼と触れるだけのキスをする。蜜穴にあてがわれた肉棒がゆっくりと蜜穴の壁を掻き分けて僕の中へと入ってきた。

 初めは少しだけ苦しくて眉を寄せてしまう。けれどそれはすぐに快楽へと変わり僕のことを内側から塗り替えていくような感覚を与えてくれた。

「優しくしたいけど止まれそうにない」 

「いいですよ。好きなように動いてほしいです」

「っ……馬鹿」

 くしゃりと髪を撫でられる。そのすぐあとゆっくりと律動が始まったかと思ったら、すぐに行為は激しさを増していった。

 ふくらはぎを掴まれたたま思い切り腰を打ち付けられる。気持ちよさに視界が揺れていた。

 気持ちのいい場所を重点的に突かれて、何度も白濁が溢れ出る。小刻みに震える太ももに、デューク様が吸い付き赤い痕を残した。

「頭から爪先まで食い尽くしてやりたい……アルビー、まじで愛してる」

 色気を含む切羽詰まったような声音に心臓が揺すぶられる。僕の愛してるって気持ちと、デューク様の気持ち。かけ合わせたらすっごく大きな愛になる。

 抱きしめあっても足りないと思わされる、歯痒い感覚に名前をつけることなどできない。

「愛していますっ。ずっと一生、あなただけを愛し続けます」

 開化期が来ていない今、デューク様と番になることはできない。けれどいつか番になった日には、きっともっと彼への思いは強くなるのだと思う。

「今夜は寝かせてやれない」

「っ、はい……」

 デューク様になら壊されたってかまわない。

 律動が再会する。抱きしめられながら思い切り突かれる。その気持ちよさにまた欲が湧き上がってきた。

「っ、一回出すぞ」

「きてッ……ア、ン!アアァ~~!」

 ドチュッと音が鳴るほどに腰を打ち付けられた。最奥に欲を吐き出された感覚がする。僕も同じタイミングで先端からとろりと欲を出す。

 お互いの吐息が絡み合う。今夜はきっと忘れられない素敵な一夜になる。

 きらりと星が一つ輝いた。

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

回帰したシリルの見る夢は

riiko
BL
公爵令息シリルは幼い頃より王太子の婚約者として、彼と番になる未来を夢見てきた。 しかし王太子は婚約者の自分には冷たい。どうやら彼には恋人がいるのだと知った日、物語は動き出した。 嫉妬に狂い断罪されたシリルは、何故だかきっかけの日に回帰した。そして回帰前には見えなかったことが少しずつ見えてきて、本当に望む夢が何かを徐々に思い出す。 執着をやめた途端、執着される側になったオメガが、次こそ間違えないようにと、可愛くも真面目に奮闘する物語! 執着アルファ×回帰オメガ 本編では明かされなかった、回帰前の出来事は外伝に掲載しております。 性描写が入るシーンは ※マークをタイトルにつけます。 物語お楽しみいただけたら幸いです。 *** 2022.12.26「第10回BL小説大賞」で奨励賞をいただきました! 応援してくれた皆様のお陰です。 ご投票いただけた方、お読みくださった方、本当にありがとうございました!! ☆☆☆ 2024.3.13 書籍発売&レンタル開始いたしました!!!! 応援してくださった読者さまのお陰でございます。本当にありがとうございます。書籍化にあたり連載時よりも読みやすく書き直しました。お楽しみいただけたら幸いです。

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~

水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。 死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!? 「こんなところで寝られるか!」 極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く! ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。 すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……? 「……貴様、私を堕落させる気か」 (※いいえ、ただ快適に寝たいだけです) 殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。 捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!

巣ごもりオメガは後宮にひそむ【続編完結】

晦リリ@9/10『死に戻りの神子~』発売
BL
後宮で幼馴染でもあるラナ姫の護衛をしているミシュアルは、つがいがいないのに、すでに契約がすんでいる体であるという判定を受けたオメガ。 発情期はあるものの、つがいが誰なのか、いつつがいの契約がなされたのかは本人もわからない。 そんななか、気になる匂いの落とし物を後宮で拾うようになる。 第9回BL小説大賞にて奨励賞受賞→書籍化しました。ありがとうございます。

胎児の頃から執着されていたらしい

夜鳥すぱり
BL
好きでも嫌いでもない幼馴染みの鉄堅(てっけん)は、葉月(はづき)と結婚してツガイになりたいらしい。しかし、どうしても鉄堅のねばつくような想いを受け入れられない葉月は、しつこく求愛してくる鉄堅から逃げる事にした。オメガバース執着です。 ◆完結済みです。いつもながら読んで下さった皆様に感謝です。 ◆表紙絵を、花々緒さんが描いて下さいました(*^^*)。葉月を常に守りたい一途な鉄堅と、ひたすら逃げたい意地っぱりな葉月。

冷酷なアルファ(氷の将軍)に嫁いだオメガ、実はめちゃくちゃ愛されていた。

水凪しおん
BL
これは、愛を知らなかった二人が、本当の愛を見つけるまでの物語。 国のための「生贄」として、敵国の将軍に嫁いだオメガの王子、ユアン。 彼を待っていたのは、「氷の将軍」と恐れられるアルファ、クロヴィスとの心ない日々だった。 世継ぎを産むための「道具」として扱われ、絶望に暮れるユアン。 しかし、冷たい仮面の下に隠された、不器用な優しさと孤独な瞳。 孤独な夜にかけられた一枚の外套が、凍てついた心を少しずつ溶かし始める。 これは、政略結婚という偽りから始まった、運命の恋。 帝国に渦巻く陰謀に立ち向かう中で、二人は互いを守り、支え合う「共犯者」となる。 偽りの夫婦が、唯一無二の「番」になるまでの軌跡を、どうぞ見届けてください。

ただ愛されたいと願う

藤雪たすく
BL
自分の居場所を求めながら、劣等感に苛まれているオメガの清末 海里。 やっと側にいたいと思える人を見つけたけれど、その人は……

婚約破棄?しませんよ、そんなもの

おしゃべりマドレーヌ
BL
王太子の卒業パーティーで、王太子・フェリクスと婚約をしていた、侯爵家のアンリは突然「婚約を破棄する」と言い渡される。どうやら真実の愛を見つけたらしいが、それにアンリは「しませんよ、そんなもの」と返す。 アンリと婚約破棄をしないほうが良い理由は山ほどある。 けれどアンリは段々と、そんなメリット・デメリットを考えるよりも、フェリクスが幸せになるほうが良いと考えるようになり…… 「………………それなら、こうしましょう。私が、第一王妃になって仕事をこなします。彼女には、第二王妃になって頂いて、貴方は彼女と暮らすのです」 それでフェリクスが幸せになるなら、それが良い。 <嚙み痕で愛を語るシリーズというシリーズで書いていきます/これはスピンオフのような話です>

処理中です...