10 / 45
調子を狂わされるから近づかないでほしい
しおりを挟む
シャノンと接近してくれたと思った次の瞬間には、こんなふうにゼンに構おうとしてくる。
放っておいてほしいと思っていても、ルーカスにはまったく伝わっていないらしい。
熱くなった頬に赤みが差す前に、冷気の魔術でバレないように顔を冷やす。今日の練習は打ち止めだ。
「今日の練習は終わりだ。フィーロとシャノンは明日も同じ時間にここに来い」
「俺は?」
尋ねてきたルーカスを睨みつけた。
「お兄様、ルーカス様なんて参加させないでください!お兄様にキ、キキ、キスっ、するなんて!」
怒りながら顔を真っ赤にしているフィーロをシャノンがなだめる。
ゼンもフィーロと気持ちは同じだ。
元々歓迎などしていないし、頬にキスをしてきたことを許していない。
できるならもう二度と顔を見たくはないけれど、あまり邪険にして破滅ルートまっしぐらになるのも避けたい。
「好きにしろ」
ため息まじりに答えると、ルーカスが心底嬉しそうに破顔した。
「お兄様!?」
「フィーロ、ルーカスは一応公爵で婚約者だ。立場上断れないこともある」
「そんな~……」
残念そうに肩を落とすフィーロから、ルーカスへ視線を戻した。ルーカスの笑みを見ていると胸の奥がまたざわついてくる。
ルーカスと話しているといつもこうなってしまう。だから彼が苦手だ。それにこれだけシャノンと関わっていて、いまだに婚約破棄を申し出てくれないことにも疑問があった。
運命の番ならとっくに気づいているはずなのに。
(……なんだか調子を狂わされるんだよな)
不可抗力で婚約者になってからはますますテンポを崩されてしまっている。関わらないようにしたいのにルーカスが関わってくるため逃げることもできない。
「部屋に戻るぞ」
三人に声をかけてから訓練所を出た。
フィーロのことはシャノンに任せて自室へ向かう。なぜか後ろをルーカスがついてきているため、気づいていないふりをしたかった。
放っておいてほしいと思っていても、ルーカスにはまったく伝わっていないらしい。
熱くなった頬に赤みが差す前に、冷気の魔術でバレないように顔を冷やす。今日の練習は打ち止めだ。
「今日の練習は終わりだ。フィーロとシャノンは明日も同じ時間にここに来い」
「俺は?」
尋ねてきたルーカスを睨みつけた。
「お兄様、ルーカス様なんて参加させないでください!お兄様にキ、キキ、キスっ、するなんて!」
怒りながら顔を真っ赤にしているフィーロをシャノンがなだめる。
ゼンもフィーロと気持ちは同じだ。
元々歓迎などしていないし、頬にキスをしてきたことを許していない。
できるならもう二度と顔を見たくはないけれど、あまり邪険にして破滅ルートまっしぐらになるのも避けたい。
「好きにしろ」
ため息まじりに答えると、ルーカスが心底嬉しそうに破顔した。
「お兄様!?」
「フィーロ、ルーカスは一応公爵で婚約者だ。立場上断れないこともある」
「そんな~……」
残念そうに肩を落とすフィーロから、ルーカスへ視線を戻した。ルーカスの笑みを見ていると胸の奥がまたざわついてくる。
ルーカスと話しているといつもこうなってしまう。だから彼が苦手だ。それにこれだけシャノンと関わっていて、いまだに婚約破棄を申し出てくれないことにも疑問があった。
運命の番ならとっくに気づいているはずなのに。
(……なんだか調子を狂わされるんだよな)
不可抗力で婚約者になってからはますますテンポを崩されてしまっている。関わらないようにしたいのにルーカスが関わってくるため逃げることもできない。
「部屋に戻るぞ」
三人に声をかけてから訓練所を出た。
フィーロのことはシャノンに任せて自室へ向かう。なぜか後ろをルーカスがついてきているため、気づいていないふりをしたかった。
911
あなたにおすすめの小説
悪役会計様に転生した俺は、生徒会長に媚び売って生き残る
桜城 寧
BL
処刑された記憶とともに、BLゲームに登場する悪役会計に転生したことに気付く。処刑されないために、チャラ男としての仮面を被り、生徒会長に媚び売ったり、どうにか能力を駆使したりして生きてたら、色々な人に構われる話。
白い結婚だと思っていたら、(溺愛)夫にガブガブされて、番になっていたようです
まんまる
BL
フレア王国の第3王子シルティ(18歳.Ω)は、王宮騎士団の団長を務める、キーファ侯爵家現当主のアリウス(29歳.α)に、ずっと片想いをしている。
そんなシルティは、Ωの成人王族の務めとして、自分は隣国のαの王族に輿入れするのだろうと、人生を半ば諦めていた。
だが、ある日突然、父である国王から、アリウスとの婚姻を勧められる。
二つ返事でアリウスとの婚姻を受けたシルティだったが、何もできない自分の事を、アリウスは迷惑に思っていないだろうかと心配になる。
─が、そんなシルティの心配をよそに、アリウスは天にも登る気持ち(無表情)で、いそいそと婚姻の準備を進めていた。
受けを好きすぎて、発情期にしか触れる事ができない攻めと、発情期の記憶が一切ない受けのお話です。
拗らせ両片想いの大人の恋(?)
オメガバースの設定をお借りしています。ぼんやり設定です。
Rシーンは※つけます。
1話1,000~2,000字程度です。
悪役令息に転生したのに、ヒーローもヒロインも不在で、拾って育てた執事が最強なんだが……なんで?!
はぴねこ
BL
前世の弟が好きだったゲームの世界に、悪役令息として転生してしまった俺。
本来なら、ヒロインをいじめ、ヒーローが活躍するための踏み台になる……
そんな役割のはずなのに、ヒーローともヒロインとも出会えない。
いじめる対象すら見つけられない新米悪役令息とか、ポンコツすぎないだろうか?
そんな俺に反して、子供の頃に拾って育てた執事は超優秀で、なぜか「悪役執事スキル」を着実に磨いている。
……いや、違う!
そうじゃない!!
悪役にならなきゃいけないのは俺なんだってば!!!
従者は知らない間に外堀を埋められていた
SEKISUI
BL
新作ゲーム胸にルンルン気分で家に帰る途中事故にあってそのゲームの中転生してしまったOL
転生先は悪役令息の従者でした
でも内容は宣伝で流れたプロモーション程度しか知りません
だから知らんけど精神で人生歩みます
冤罪で追放された悪役令息、北の辺境で幸せを掴む~恐ろしいと噂の銀狼将軍に嫁いだら、極上の溺愛とモフモフなスローライフが始まりました~
水凪しおん
BL
「君は、俺の宝だ」
無実の罪を着せられ、婚約破棄の末に極寒の辺境へ追放された公爵令息ジュリアン。
彼を待ち受けていたのは、「北の食人狼」と恐れられる将軍グリーグとの政略結婚だった。
死を覚悟したジュリアンだったが、出会った将軍は、噂とは真逆の不器用で心優しいアルファで……?
前世の記憶を持つジュリアンは、現代知識と魔法でボロボロの要塞を快適リフォーム!
手作りスープで将軍の胃袋を掴み、特産品開発で街を救い、気づけば冷徹将軍から規格外の溺愛を受けることに。
一方、ジュリアンを捨てた王都では、破滅の足音が近づいていて――。
冤罪追放から始まる、銀狼将軍との幸せいっぱいな溺愛スローライフ、ここに開幕!
【オメガバース/ハッピーエンド/ざまぁあり/子育て/スパダリ】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる