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父娘と合同パーティー
第235話 フルシェ遺跡ダンジョン その17
しおりを挟むダンジョン攻略11日目になりました。
あの冒険者パーティーが あのまま攻略を進めているのか、私たちとの再会が怖くてこのダンジョンを途中退場したのかは 追いついてこない現状では不明ですが、私たちは順調に進んでます。
あの後、16階の散策中に 別のパーティーと会いました。
彼らは4人組で 中々格好良い装備を身に着けていたので お金持ちの人たちなのだと思いました。
後からテーアさんに聞けば、魔導学園に通っている生徒だと言ってたので、貴族な人だったのでしょう。
どうやら18階まで 何とか行ったものの、17階ですら ギリギリだった彼らは これ以上の挑戦は危険だと思ったらしく 撤退することを決めたのだそうです。
「貴族な人とかプライドが高そうだから 撤退なんてあり得ないとか言うと思ってたけど、意外と冷静だったね」
貴族なパーティーが15階に下りた後 昼食時間にそんな事を言ったら ガルスさんがスープを噴出していました。
ケーテさんから「お兄ちゃん汚い」と言われて撃沈してましたが 【クリーン】よろしくおねがいしますね。
「ヴィオちゃん、貴族と会ったことがないからかもしれないけど、お貴族様にそんな事言ってるの聞かれたら 危険だからね」
「ガルスさん大丈夫、一応人を見て 言う相手は選んでるから。
あれでしょ?不敬だ~!とかって言って 手打ちにしちゃうってやつでしょ?
不敬って、お前のどこに尊敬するところがあるんだ?って感じの人しか言わないよね」
「ぶはっ」
「ぐふっ」
「んんっ」
「ヴィオは 悪ガキにも優しいわりに 貴族の事は嫌いなのね」
「ううん、嫌いじゃないよ。プレーサマ辺境伯様の事は尊敬してるし、ギルマスたちの事も好きだもん。悪ガキって……あぁ レン君たち?
あんなの可愛いだけのモフ……じゃなくって ちびっこだもん。
意地悪な事を言ったのも初めて会った日だけだったし、基本的に素直で可愛いよね」
「ケーテが言ってる悪ガキって ギルドの銅ランクの奴らの事じゃない?」
銅ランクの……?あんまりその辺りのランクの人と関わることが無かったから 覚えてないけど なんかあったっけ。
「子供薬草採取の時絡まれてたけど 優しく採集の仕方を教えてあげてたでしょう?
あの人たち 『採集なんて力のないガキや女がすることで、冒険者なら討伐してナンボだ!』って人達で、乱暴者って言われてたのよ」
あ~、お金になるから 水辺の薬草を採ろうとして ぬかるみに嵌って川に流されそうになってた人たちだね?居たいた。
蔦魔法で救出した後 握りしめてたのが 薬草じゃなくてチャイプーだったから 不思議だったんだよね。
可哀想だから 薬草の特徴と 採集方法を教えてあげたんだよね。あれが悪ガキ?
確かに「他所者のくせに」とか「ギルマスたちに贔屓されて」とか言われた気がするけど、間違いではないからそうだねって思ってたけど、あれって絡まれてたの?
「なにを言っても薬草の説明になるから 段々冷静になったみたい。
溺れかけたのを助けてもらって、苦手な採集も教えてもらってるのに、自分のしょうもないプライドの為に吠えてるのが恥ずかしくなったらしいよ」
へぇ~、キャンキャン言ってるなくらいにしか思わなかった。
何しろ尻尾が素直に感情表現してるから あまり気にならないというか、尻尾ブンブンが気になって話を聞いてなかったというか。
あれが切っ掛けで 採集やお手伝いの依頼を受けるようになって、ギルドでの訓練にも参加するようになってたんだから結果オーライだね。
まあそんな貴族なパーティー以外に会うことはなく、今日は19階でお泊りして 明日ボス部屋に挑戦です。
「明日のボス部屋も 中ボスの時みたく 二手に分かれる?」
夕食中に明日の予定確認です。二手に分けるならこの階で一組待機しとかないと 多分またバグっちゃうからね。
「私の盾では ボス戦で使うにはまだ安定しないから、出来ればヴィオに一緒に来て欲しいと思ってるわ」
「そうだね、ハイオークは確実に居るから その足止めはしてもらえると助かる」
このボス部屋も 数が増減するタイプの部屋だから 6人で入ればそれなりの数になるだろう。であれば私は足止めがメインで 二人が殲滅する感じかな?
「リザードはどうする?」
「それは 私がアースランスを使うわ。もし削り切れなかったら ヴィオも手伝って」
「俺はその間にシカーマンティスの数を減らしていくよ」
ケーテさんは土魔法を休憩時間にも積極的に使う用にしたお陰で 壁と槍はトリガーだけで使えるようになっている。
水生成魔法も 索敵も 使用魔力が随分減ったと言っている。毎日魔力切れまで練習していたからこそだろう。
「では 明日のボス部屋は全員で入るという事で良いわね。
予定してたよりかなり早く踏破できたわね。
それにしても 明日から ヴィオたちの美味しい料理が食べられなくなるのが残念だわ」
「テーアも随分作れるレシピが増えたが 二人の手際の良さにはまだ敵わんものな。
それにしても 調味料と油 貰って良かったのか? 俺たちこの後は豊作ダンジョンに行くから いくらでも手に入るんだが」
「問題ない、儂ら二人じゃと ヴィオが少食じゃから そこまで調味料も使わんしな。在庫もあるし 逆に珍しい素材をもらい過ぎたとも思っとる」
「うん、豊作ダンジョンも 階によって採れない素材もあるでしょう?グーダンだと油と醤油は深層階だったしね。金ランクの家族が沢山調理してその素材を当たり前にしてもらえると嬉しい」
テーアさんのマジックバックは超大容量(小さな村の敷地分くらい?)、タディさんのマジックバックが時間停止の大容量(貴族の屋敷1つ分くらい?)らしいので、タディさんの鞄に油袋3種をそれぞれ3つ、醤油と味噌も3つプレゼントです。
調理用具は 町に戻ったら購入するという事だったので、本気でダンジョン調理を頑張るようです。
今回のダンジョンでは お肉とパンはタディさんからも出してもらったけど、そもそも調理をする予定ではなかったので、野菜類は私たちから持ち出しです。
その分と 今回あげた調味料の代金のかわりに 沢山の珍しい素材を頂きました。
多すぎると思ったんだけど、魔力訓練、索敵、水生成魔法の情報料だという事だったので、ありがたく頂きます。
金ランクが冒険者時代に採集した素材とか、お母さんの素材ばりに凄そうだ。
けど タディさん達からもらった素材のお陰で、お母さんの素材も混ぜてリリウムさん達に使ってもらえそうだとも思っている。
来年 洗礼式(はしないけど)の年だから、10歳くらいまで着ることができる装備を作ってもらう予定なのだ。
今の装備も成長に合わせてある程度伸びるんだけど、5歳時点で作ってもらった服だからね。
あと2年が限界だろうって言われてるので、その前に 次の成長率に合わせた装備を作ってもらっておくのだ。
絶賛成長期だからね、ビョーンと身長も伸びちゃう予定だからね。
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