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村でのひととき
第285話 国とギルドの関係性
しおりを挟むキャラが濃すぎた商業ギルドのマニーさん、あの人はメリテントの商業ギルドでサブマスらしい。
ちなみにギルマスは狸獣人だと聞いて キツネとタヌキの赤緑戦争じゃないかと思ったよね。
「あそこのギルマスは 仕事は出来るが権力に弱すぎる。ヴィオを見たら確実に貴族に売り込む」
「ええ、私もエヌトーギルマスは苦手です。カルタの登録の時も代理登録にしたことで 執拗に質問をしてきましたからね。
その点、マニーさんは 稼げると確信した相手に対しては非常に大切にしますからね。ヴィオさんの情報は確実に漏れないですよ」
メリテントに行かせたくなかったから、かなり急だったけど カルタの回収にくる昨日登録をしたんだって。回収はマニーさんが一人で来るのは毎度の事らしく、質の良い薬草類も買い込んでいくから 下っ端の職員ではなくサブマスが来るらしい。
というか、私はもう商業ギルドのギルマスが気になって仕方がない。
狸というのもそうだけど、その名前がさぁ。もう、あの怪しげな政治家しか想像できないよね。正に狸親父!近寄らないようにしよう。
しかしながら 無事にハンモック風呂も登録できたから不労所得2つ目ですよ。
魔道具に関しては登録する気が無いので 不労所得になるようなものは もうなさそうだけど、冒険者として稼ぐからね。
私は行商での登録だから、商業ギルドに支払うのは年会費の30ナイル(3万ラリ)だけだ。
お店を持つ人なんかは 売り上げの何パーセントかを商業ギルドに支払うらしいけど、行商はそれがない。
しかもギルドカードからの自動引き落としなので メリテントに行く必要もない。
「リズモーニは商業ギルドの力が然程強くないですから良いのですが、共和国では冒険者ギルドよりも商業ギルドの方が 力が強いところもあります。
元々小国が集まってできた国ですからね、ギルドのルールなどは元の国が定めたままになっていることが多いのです。
ですから もしヴィオさんが旅の途中で 新しい技術を考え付いた時は、リズモーニに戻ってから登録した方が損はしないと思いますよ」
年会費は決まっているというか、登録したところで引き落とされるから問題ないけど、販売関係は国によってギルドに支払う売り上げからの税率が違うらしい。
他国から来た人となると 余計に色々難癖付けて金を持っていくから 赤字になって撤退するなんてお店もなくはなかったらしい。
勿論まともな国もあったようだけど、リズモーニでいう領地毎に違うんじゃあ面倒そうだ。
リズモーニは山に囲まれているから 辺境は悉くダンジョンが多い。国もダンジョン経営を推し進めているから そこに入る冒険者も多くいる。
そうなれば冒険者ギルドも必須となり 冒険者ギルドの力が強くなる。
逆に魔獣被害がない皇国では 冒険者ギルドは存在しない、商業ギルドはあるけど 一強だ。
共和国は地域差がある、メネクセス王国は大国だから ここも地域差があると言えるようだ。
だけど 国がしっかり管理しているから 商業と冒険のギルドの力差に地域差があるとはいえ、ギルドでの料金徴収制度などは一律でしっかり管理されているらしい。
「国によるとしか言えないんですねぇ。
小さい国もそんな感じなんですか?」
「まあそうだな、ちっせえ国だと 王都にだけ本部があって 他は全部支部っつーか一つの建物に両方のギルドが左右のカウンターで分かれてるってとこもあったな」
マジか。
それは支部というか出張所扱い?
「あれ?でもギルドの建物って 誰がどの町に行っても迷わないように 同じになってるんじゃなかったですっけ」
「それはリズモーニと 本部のあるメネクセス王国だけですよ。他国でも 似通った建物にはなっていますが 共和国はそれこそ元の国での括りですからね。自由に行き来できるようになった今は 看板だけが目印になるのではないでしょうか」
そうなのか。
でも看板だけは共通になってるなら 何とかなりそうかな?
結構国ごとに違いがあるんだね。
旅をする冒険者って大変そう
「まあそうじゃな、じゃからこそ若いうちに冒険者は旅をする。あちこち回って 自分が将来どの国に、どの町に住むかを見て回るようなもんじゃろう。
20代半ばには大体国を決めて 30になる頃定住するような奴らが多いじゃろうな」
「お父さんもそうだったの?」
「儂はここが実家じゃったからな。最初から他所に住みたいとは思わんかったな。
色々見て回ったけど やっぱりここが一番落ち着くと思っておったなぁ」
ああ、サマニア村の人たちは帰巣本能が強いのかもしれないね。皆ランクが高い冒険者だったのに ここが実家って人が殆どだもん。
「俺もリズモーニ以外は考えたことなかったな。共和国は場所によってルールがコロコロ変わるから面倒だったし、メネクセスは悪くなかったけどな。
けど やっぱり刺激的なのはこの国だったから戻ってきたな」
ギルマスさんは実家から離れたくて リズモーニ以外での活動が多かったんだって。だけど 最後に戻ってきたいって思ったのはこの国だったというんだから やっぱりそうなんだろう。
もしかしたら辺境独特の魔素の多さが 住みよい感じになってたりするのかな。
「私は実家に戻りたくなかったですからね。戻れば貴族としての責任だと無理やり結婚させられたでしょうし、王が居ないのに貴族という名残だけあり、それに縋る人たちは滑稽ですよ。
リズモーニは学園がありましたからね、将来飽きたら学園の教師にでもなればいいかくらいに思ってたと思います」
そういえばサブマスは家出貴族でしたね。家族とは全く連絡を取っていないらしいけど、あちらかも学園に一度だけ連絡が来ただけで 冒険者になったと伝えたらそれきりだという。意外とドライな関係のようです。
「ヴィオさんは どこに住みたいとか希望はありますか?」
「ん~~~、まだ行ったことがない場所ばっかりだから悩むけど、皇国は絶対ないでしょ?
小さい国に面白いダンジョンがあればいいけど、期待は薄そうだし、そう考えたらリズモーニになりそうかなぁ。でも他の大陸っていう手もあるよね」
「夢物語でしか聞いたことないけどな」
でも翼人族が居た離島はあるはずだもの、将来の目標だからね 夢は大きくですよ。
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