ヒロインは始まる前に退場していました

サクラ マチコ

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サマニア村

第388話 勉強、訓練、時々狩り

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一通りの挨拶回りや お土産を渡し終えたところで 今後の予定表を作った。

「おお、今回は休みの日を作ったんじゃな」

「うん、ダンジョン中は魔法陣のお勉強も少なくなってたし、やっぱりちゃんと時間を取って練習した方が上達するって思ったの」

先生のところで連日炊飯器の為に魔法陣を書きまくったのは良かった。
ダンジョンではどんな魔道具が人気だとか、魔法陣はどんな風にいれているのが多いとかの話を ネリアさんから教えてもらっていたけど、テーブルにノートを広げて魔法陣を実際に書くという事まではしていなかったんだよね。

お陰で お屋敷での最初は 下書きで丸を何個も書くところから始めたくらいだ。
自転車と同じで 乗り方を覚えてさえいれば 勘を取り戻せばすぐだけど、ストレッチをやらない日が続くと確実に身体は硬くなるのと同じだった。
久しぶりに使ったコンパスは 思った以上にうまく使いこなすことが出来ず 綺麗な丸を書くことが出来なかった。それはネリアさんも同じで 二人で励まし合って頑張りました。
アンヤ遺跡でお兄ちゃんたちに約束したお守りも作らないといけないし、お休みの日は魔法陣の練習を頑張る予定です。

という事で、週に2回 水の日と聖の日は休日にして 魔法陣の練習をする日、木の日と風の日は午前中にギルドの図書室での座学、午後は地下訓練場での訓練。
火の日から土の日にかけては アランさんからの依頼もあって ヒュージボア狩り。
これは近場ではなく アンナープ方面まで行って奥の方で狩ってくる予定なので一泊二日で予定している。
昨年の風の季節は 大量にあった貯蔵庫の肉のお陰で 狩りに行くこともなく 冒険者たちの腹を満たすことが出来たんだそうだ。

それでも 風呂のためにボア狩りは行われているから肉は増えていく。
そんな時 定期的に訪れている商業ギルドのマニーさんがお肉の存在に気付き、余剰分を高値で買い取ってくるようになった事で 倉庫の在庫も一定数を越えなくなったとか。
辺境にヒュージボアが出るのは珍しくないものの、簡単に狩ってくることができる人はこの村程に居ないのが常識らしく、一般人が口にすることはまずないんだって。

サマニア村では (ビック)ボアは ヒュージに成長させるために討伐禁止令が出ているくらいなんだけどね。
メリテントの領主であるフィルブ伯爵から プレーサマ辺境伯閣下に連絡が入って、最近は定期的に領都の商業ギルドからも肉の買取があるらしい。
それでも村人価格は変わらないのが サマニア品質だよね。

まあそういう理由もあって 火の日と土の日はボア狩りの予定です。
もちろん他の用事が出来た時には臨機応変に動くけどね。

予定が決まれば動きやすくなる。
ギルドに伝えておけば ミミーさん達も勉強会の準備をしてくれるし、羊三姉妹や ナチ君たちも参加することもあるしね。
あとはレン君たちにも伝えてくれるから 午後の訓練がある日にはギルドに来てくれるだろう。

トニー君たちは 初心者の森でホーンラビットを狩り、森に行かない日はお肉屋さんかギルドで解体の練習をしているんだって。
血抜きまでは森でして来ても 解体は帰ってきてからという人が多いので、ギルドの解体場は最近大忙しなのだそうだ。

もちろんヒュージボアの皮は一枚皮が大切なので練習はビックピッグやウルフらしいけどね。
でもボアを上手に解体するなら ピッグが似ているから上達しやすいと思います。




「ヴィオ、ぼくも青銅になったんだよ」

「ハチ君も? 凄いね!」

「俺たちもトニーと一緒で 一年は銅ランクにしないって言われてんだ。
ポイントは薬草で直ぐに貯まるだろ?だからランクアップの数が溜まった後は 報酬だけもらうことになってんだ」

なるほど、子供薬草採集体験をしていたら 銅ランクまでのポイントを稼ぐなんて簡単だもんね。
サマニア村の薬草採集のポイントは滅茶苦茶低いけど、村の中で安全に採集できることを考えればしょうがないともいえる。

今の学び舎では 七歳以下の子供達はカルタで文字を覚えることなどをメインで行うけど、村民たちは一家にひとつはカルタがあるから 七歳以上の子供達は冒険者のルール、プレーサマ辺境伯領地内の村や貴族の事なんかを学べるようになったんだって。

「ヴィオが図書館で教えてもらってたんでしょ? それを少し簡単にしたやつって言ってたよ」

「そうそう、銅ランクの間は プレーサマ辺境伯のダンジョンで沢山練習をすればいいって言われて 初級と中級はいっぱい覚えたんだぜ」

そうなの?それは凄いね。
私はお父さんという最強の同伴者がいたから 領外にも出かけたけど、確かに初級ダンジョン巡りは山沿いの町を歩くだけでも良かったもんね。
領内のダンジョンで経験を積んで、銀ランクになってから領外に出るというのが 本来の順序なのかもしれないね。

「八歳になったら 銅ランクになるから、そしたら兄ちゃんたちと一緒に ダンジョン回るんだ」

「ロン君が寂しがりそうだね」

「大丈夫だよ、ロンは今 ララに夢中だから」

ララちゃん???
新しい名前に驚いていたら 何とレン君たちの妹らしい。
リリウムさんが妊娠してたのとか全く気付かなかったけど、そうなの!?
まだ黒猫ちゃんのまま ニーニー鳴くことしかできないらしいけど、待望の女児は 家族のお姫様だそうで、お兄ちゃんたちが冒険者になって 訓練が増えた事を寂しがっていたロンくんは 妹にべったりになっているんだって。

「ララも 俺たちよりロンに懐いてるからな。兄ちゃんは 時々ボアの匂いをつけたまま帰ってくるせいで 怖がられてるんだよな」

まあ仔猫からすればボアなんて超危険生物だもんね。
ハチ君も ララちゃんの事は話で聞いて知っているだけで 実際に会ったことはないんだって。
まあ三歳になって人化できるようになってから お外に出るようになるって事だったもんね。

ハチ君の妹クッキーちゃんも 先月の子供採集体験でお外デビューをしたらしい。
同年代の子供達と会えた喜びで興奮しすぎて 直ぐに獣化しちゃったらしいけどね。
今月の採集体験で会えるのをとても楽しみにしているのだ。
チビモフが モチャモチャするのは非常に見ていて癒しになる。
鍛えているおかげで飛びついてこられても受け止められるしね。おかげで肉食系チビモフ達からは大人気です。




※※※※※※※※※

小説大賞の応援、本当にありがとうございました。
あとは結果を待つだけですが、このイベントを機に新しく読者になって下さった方、初期からずっと読んでくださっている方、皆様のお陰でここまで走り抜けることが出来ました。
明日からはまた0時更新の一日一話となりますので、急ブレーキだと感じて途中で終了するのか? と思われるかもしれませんが、第一部は完結まで書ききっておりますので、ご安心ください('◇')ゞ

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