神殴り代行 異世界放浪記 〜俺の拳は神をも砕く〜

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第1章 世界の終焉

第6話 異変の始まり

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◆暗雲と大雨の降りしきる東京

 空には、厚い闇が立ち込めていた。
 わずかな光すら差し込むことを許さない暗黒。

 やがて、雨雲のダムが決壊する。
 冷たい雨が、静かに、しかし無情に降り注ぐ。

 まるで、世界を覆う血を洗い流そうとするかのように――。

◆異変の始まり

 俺が昼食を終えて会社に戻ると、突然、大雨が降ってきた。

 まるで、空が一瞬で夜になったかのような暗さだ。

「うわぁ~すごい雨だねぇ~、運がよかったね!」

 キョンちゃんが、どしゃ降りの外を眺めながら微笑む。

「そうですね。傘を持ってこなかったので助かりました。」

「あら? 二人共、持ってなかったの~? 私はちゃんと持ってたわよ~」

 ――問題は、その次の瞬間だった。

 「ウゥゥゥゥ――――――ン!!!!」

 突然、空襲警報のような大音量のサイレンが鳴り響いた。

 「現在、未確認生物がこちらに向かって進行しております! 住民は、直ちに、軍係員の指示に従い、避難を実施してください!」

 ヘリからの避難勧告。

 ――未確認生物?

 その言葉が脳内を駆け巡る。
 だが、すぐに直感した。

 これは、ただの猛獣や災害ではない。
 **「もっと、異常な何か」**が、東京に迫っているのだと。

◆都市の混乱

「全社員、今すぐ避難を開始してください!」

 会社内は一瞬でパニック状態に陥った。
 エレベーターはすでに満員。
 非常階段には、長蛇の列。

 俺たちは40階建てのビルの上。
 大量の人間が一斉に避難すれば、混乱は避けられない。

 20分後、ようやく地上に降り立った。

 しかし、そこはすでに「地獄の入口」だった。

 警官と軍人が叫びながら、避難誘導を試みている。
 だが、人々は混乱し、誰も冷静ではなかった。

 軍隊の装甲車。
 戦闘ヘリの編隊。
 市街地には、異様な数の武装部隊が展開されていた。

 ――これほどの軍事動員がなされる事態とは?

◆「空間認識」――知りたくなかった現実

 俺は、脇道に入り、フォースを解放した。

 【空間認識】
 半径50キロ圏内の空間情報を把握できる能力。

 ――15キロ先、「人間ではない何か」がいた。

 それは、明らかに人とは異なる存在だった。

 そして、さらに恐ろしいものを認識した。

 **そこにある「数えきれない死体の山」**を。

 「……ッ!!」

 理解した瞬間、俺は耐えきれずに嘔吐した。

 そこは、まるで人肉のゴミ捨て場だった。

 「レン君大丈夫!? どうしたの!?」

 キョンちゃんが、心配そうに俺へと駆け寄る。

 俺は、気丈に振る舞い、こう告げた。

「……すみません、少し、気分が悪くて。
 避難所で待っていてください。」

 だが、彼女は俺の腕を掴む。

「一人じゃ危ない! 私も一緒に行くよ!」

 ダメだ。彼女を巻き込むわけにはいかない。

「……大丈夫です。必ず後で行きます。」

 それは、決して嘘ではない。
 だが――行く先は、違う。

◆決意と出撃

 俺は、屋上へ向かった。

 エレベーターや階段を使う時間はない。
 俺は、【空間干渉】を発動。

 地面の空間を歪め、跳躍する。

 瞬く間に、ビルの屋上に到達した。

 ――俺は、「12体」の異形を確認した。

 「……まずは、一番近い奴から行くか。」

 10キロ先、公園の中心。
 異形の一体がそこにいた。

 俺は、音速を超える速度で都市を駆け抜けた。

◆公園の惨劇

 到着した公園は、普段ならば子供たちの笑い声が響く場所だった。

 しかし、今は、ただの屠殺場だった。

 公園の中央。
 黒く細い異形の姿が佇んでいた。
 その周囲には――

 血に染まった、微動だにしない親子の死体。

 レンは、哀れみに満ちた目で彼らを見た。

 だが、すぐにその視線を憎悪に満ちた瞳へと変える。

◆激突

 異形の両手が、100メートル以上に伸びた。
 まるで鞭のようにしなり、襲いかかる。

 ――瞬きすら許さぬ刹那の攻撃。

 しかし、俺はもう、そこにはいなかった。

 一瞬で異形の懐へと飛び込む。

 「――砕けろ。」

 ベキョ!!!

 俺の拳が、異形の胴体を粉砕した。

 異形は、公園を抜け、500メートル先まで吹き飛ぶ。

 しかし――傷は瞬時に修復される。

「……なるほどな。」

 俺は、再び異形へと突進した。

◆決着

 異形の巨大な拳が迎え撃つ。

 ――ズガァァァン!!!

 拳と拳がぶつかり合い、衝撃波が周囲を吹き飛ばす。
 街中のガラスが砕け散る。

 僅かに、異形のパワーが上回った。

 ――だが、俺は負けるつもりはない。

「……ナメるなよ。」

 フォースを数十倍に高め、拳を振り抜く。

 ズドン!!!

 異形の拳は砕け散り、上半身ごと粉々に消え去った。

 しかし――

 異形は即座に再生し、
 突如、全方位に無数の棘を放った。

 俺は寸前で後方へ飛び退く。
 眼前に、僅か数ミリの距離まで棘が迫っていた。

「……半端な攻撃ではダメか。」

 俺は、異形の足をローキックで粉砕。

 そのまま、異形の顔面へ拳を振り下ろす。

 ドォォォォン!!!!

 ――直径2キロの大地が抉れ、深さ500メートルのクレーターが形成された。



 異形の姿は、何一つ残らず消え去っていた。

「……まずは一体か。」

 俺は、再び空へと駆け出す。

 次の標的を、殲滅するために。

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