神殴り代行 異世界放浪記 〜俺の拳は神をも砕く〜

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第3章 魔法大学ザザン

第48話 異世界の扉

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そこは、白い空間だった。
上も下もなく、ただ永遠のように続く、白い世界。

前に来た時と、一寸違わぬ、同じ光景。

「はあ、また、ここから始まるのか。」

レンは辺りを一瞥し、ため息をついた。

「ここから、どうやって帰れば良いんだろうか? 神と呼ばれている存在ですら、分からないというのに……。」

孤独と不安が胸に広がる。
短い時間とはいえ、ミーナたちと共に過ごしたことで、孤独を感じることはなかった。

「……また、一人になってしまった。」

レンは目を閉じ、フォースを限界まで拡大する。
可能な限り、白い空間の奥を探った。

……何もなかった。

周囲約500キロを探ったが、何の気配も感じられない。

「……ここには、何も無い。 やはり、また、あれをやるしかないのか。」

レンは右手にフォースを込める。
そして、手をゆっくりと前に出して、壁を押した。

ビキッ……ビキッ……

空間に亀裂が入り、隙間から暗い闇が垣間見える。

足が震えた。

(また次も、違う世界に繋がっていたら……俺には、帰る手段が無くなってしまう。)

永遠に、違う世界を漂流することになるかもしれない。

「お願いだ、通じてくれ……。」

息をのみ、強く願う。
元の世界に戻れることを——。

そして、再び暗い闇の中へと消えた。

◆魔法都市ザザン

ビキッ——ビキッ——

白い世界が音を立てて砕け、闇の中を突き抜けた瞬間、冷たい空気が肌を撫でた。

——そこは、広大な魔法大学だった。

見上げると、壮大な石造りの塔がそびえ立っている。
六つの塔が六角形を描き、その中心には、一際大きな塔がそびえていた。

(……城か? いや、違う。これは……学舎?)

重厚な造りと威厳ある建築。
古くとも荘厳な雰囲気を放つその場所は、まるで知識の殿堂のようだった。

足元の感触は硬い大理石。
床には精密な魔法陣のような装飾が施され、そこから微かに魔力が漂っていた。

レンはしばらく周囲を見回し、塔の中心へと足を踏み入れた。

この場所に漂う魔力の濃度は異常だ。
ただの城や宮殿ではない。

(……ここは何なんだ?)

と、その時——

「……侵入者?」

鋭い声が響いた。

レンが振り返ると、部屋の奥にいたのは二人の人物だった。

一人は長い白髪を持つ老人。
落ち着いた雰囲気を纏いながらも、その瞳の奥には鋭い知性が光っている。
青い瞳には、細かい魔法陣のような紋章が浮かんでいた。

もう一人は金髪の若い女性。
威圧的な視線を向け、即座に詠唱を開始しようとしていた。

「学長、私が排除しましょうか?」

金髪の女性が短く問いかける。

「待て、カーシャ。」

老人が片手を挙げ、それを制した。

「面白い……お主、どこから現れた?」

レンは眉をひそめる。
この老人——ただ者ではない。

(学長……?)

先ほどの女性の発言から察するに、この老人はこの場所の最高責任者らしい。

ならば、ここは……

レンは再び周囲を見回し、あることに気がついた。
壁の随所に刻まれた紋章——それは歴史上の偉大な魔導士たちの名を刻んだものだった。

「ザザン魔法大学」

歴史ある学舎の名。
世界中の貴族や王族の子供から、大魔法使いや賢者と呼ばれる者たちまでがここで学ぶという、名門中の名門。
コネや権力による入学は許されず、純粋な実力のみが評価される。

(……そんな場所に、俺は飛び込んだのか。)

少し息をついた瞬間、学長がニヤリと笑った。

「ほう、面白いのぉ……。」

「……?」

「お主が何者か、何となく分かってきたぞ。」

学長は椅子に戻り、ゆっくりと腰を下ろした。

高級なレザーの椅子。
体を深く沈めながら、満足げに息を吐く。

「まあ、お主も座るがよい。」

クラウスと名乗るその老人は、豪華な毛皮のソファーをレンに勧めた。

「話をしようじゃないか。異世界から来た者よ。」

レンは警戒しつつも、ソファーに腰を下ろした。

(……さて、どう出るか。)

こうして、レンの新たな世界での物語が始まるのだった。
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