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襲撃
しおりを挟むバンバンバンッ!!
「ちっ!!尾行されてなかった筈だ!!何処から漏れた!!」
「分かりません!!」
「親父とお嬢達を逃がせ!!」
都心から高速を使えば1時間~2時間があれば別荘に着く距離。銃を装備してはいても、ぶっ放す事を許可をしていない桜也。組員達もバリケードで侵入を防ぐだけで、怪我人も出ている。
「周囲を取り囲まれてます!」
「桜也!!何故獅子王にバレた!!」
「親父、すいません!……………菫さん、ちょっとスマホ確認していいですか?」
「……………え?」
「俺は言いましたよね、写真を撮っても誰にも送るな、と」
「…………か、彼に送っただけよ?」
「………彼?………名前は?」
殺気を込めて菫に聞く桜也。流石にその聞き方には雪も止める。
「桜也!私が聞くわ………貴方は殺気立たないで」
「…………すいません、お嬢」
「菫…………スマホ見せなさい」
「………コレ」
「……………大和?」
雪は、知らない名前に首を傾げるが、桜也は声を荒げた。
「獅子王だと!」
「何で大和と知り合いなの?」
櫻子も菫が大和と知り合いなのに驚いて聞いてしまう。
「……………え………か、彼氏だけど……」
「なぁ、ちょっと………菫がそいつに送った写真、拡散されてる」
「…………何だって!?」
「な、何?何で?拡散しないでね、て私書いたのに………」
「菫!!お母さんあれ程今日の事は内密に、て言ったじゃない!!」
「なんて事を…………菫……」
「桜也、警察に連絡……」
「近所がしてるさ…………それよりSNSの拡散を止めなきゃな……この銃撃が収まったらマスコミが興味本意で騒ぐ」
「……………あ…………ごめ……なさい…」
謝ってからではもう遅い。芋づる式で拡散数が上がっていて、賛否両論の意見が菫のスマホにも、拡散を知った蓮のスマホでも見れるようになっているのだ。
「…………大和……なんて事するの……」
「お姉ちゃん、大和を知ってるの?」
「知ってるも何も………孤児院で知り合って結婚しようと考えていた人よ………別れたけど……」
「…………え?じゃあ大和が言っていた、あばずれ女、てお姉ちゃん?」
「…………あ、あばずれ?」
「浮気されて大和は振られた、て………なんだ……なら顔出ししちゃえば良かった」
今日、初めて会う妹だ。だから愛情等無いのは仕方ない。義務の様に、会った事のない姉に誘拐された事を同情していて、美談にしたかっただけの事。好きな相手が居たら、そんな姉より恋人だと思っている人間だ。
「菫!!」
パチンッ!!
「櫻子も騙されたの!!貴女も騙されてるの!!」
雪が菫の頬を叩く。泣きながら、菫に訴えた。
「騙された?………大和は騙す人じゃないもん!!」
「…………菫さん、あいつ……獅子王大和は騙しますよ」
「獅子王?………東堂じゃ……」
「東堂大和で、櫻子さんに近付き、結婚式を挙げようとしてました。だが、櫻子さんは獅子王組が敵対視する龍虎会のお嬢だった雪お嬢の娘、櫻子さんを誘拐し、孤児院へ入れた諸悪の根源ですよ………誘拐されてなきゃこんな事にはならなかった筈だ」
「…………」
菫は何も言葉が出なかった。自分が起こした種だからだ。後悔してももう遅い。
「スマホを貸して!大和に連絡させて!」
「…………お姉ちゃん……」
奪うように履歴から大和のスマホに掛ける。
「駄目だ!櫻!」
「止めさせたいの!!」
「櫻!!貸せ!俺が話す!!」
「桜也、お願い………罪重ねて欲しくない……」
「……………分かった」
暫くコール音が鳴り、通話になる。櫻子はスピーカー通話に変えた。
『もしも~し………菫、今送って来た写真最高じゃん』
「随分とご機嫌なのね、大和」
『櫻?………綺麗な着物着て、もう姐さんになるのか?……そんな事しなくても、龍虎会潰して獅子王組の姐さんにしてやるのによ~』
「私は極道にならないわ」
『俺がしてやるよ、貞淑な人形になる姐さんにな………クククッ』
「…………分かった………ならなってあげるから、ここの撤退と拡散したSNSを止めて」
『拡散した写真なんか俺が止めれる訳ねぇじゃん』
「安心しろ、弁護士の権限で消す方法はある…………だから、撤退しろ」
『…………へぃへぃ……撤退してやるよ……なかなか突入出来ねぇからよ』
「……………直ぐにやって」
『………櫻~、約束は守れよ~………お~い、撤退すんぞ~』
プッ………プープープープー……。
撤退してもらうだけで、約束をせざる得なかった櫻子。その場で言ってしまったが、後から事の重大さが重くのしかかった。
「櫻!!何で変な約束なんかしちゃったの!!」
「撤退して欲しかったから………別に犠牲になりたい、と言う訳ではないので……」
「…………櫻、行かせませんからね」
「………桜也に迷惑掛けるつもりも、おじいさん達に迷惑掛けるつもりもないので……大和を説得します」
「薬漬けになるんだぞ!!人形?ただのお飾りと思うなよ!!極道の人形ってのは、拘束され、開発した薬を試し打ちされるんだよ!!それで回される………薬漬けになった女の末路が如何なるか分からないのに言うんじゃねぇ!!廃人になりに行くのを黙って見れると思うか!俺が!!」
「……………桜也……なら如何すれば良かったですか?………大和が私に執着するなら、龍虎会が防衛一方なら、私が行く、と言うしかないじゃないですか………貴方は拡散した写真を止めて下さい」
櫻子は泣きそうなのを必死で堪えた。それしか出来ず、これ以上喋ると桜也に縋りそうで、警察が来るまで一言も櫻子は押し黙ったのだ。
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