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友人の結婚式で
しおりを挟む「変じゃないですか?」
「何で?」
「だって、桜也うるさいじゃないですか」
桜色のシフォンドレスに身を纏う櫻子。このドレスも桜也が外注で沙也加を呼び出し買った物だ。これだけではなく、また服を追加購入する程の豪快に買われたが。
『桜也さんの買いっぷり、本当に好きだわぁ………良かったわね、櫻子ちゃん、羽振りがいい男捕まえて』
等と揶揄われた櫻子。桜也も櫻子のシフォンドレスに合う様に、淡いピンクのネクタイとスカーフを胸にあしらっている。
「今すぐ押し倒したいぐらいに似合ってると思うが?………会場には部下も配置はしているが、今日は俺は表の顔だから、そういう体で会話してくれ……」
「弁護士でも極道でも、桜也は変わらないじゃないですか」
「極道の話は禁止」
「分かってますよ」
「敬語も禁止………ボディーガードではなく彼氏として横に立つんだから………な?」
櫻子の手の甲にキスを落とす桜也に、ほんのりと頬を赤らめた。
「ドタキャンするか?」
「………しません!!」
「……………敬語毎に、スキンシップしてやる」
「…………」
教会に着く迄に、散々桜也にスキンシップされた櫻子。敬語が癖になっていたのもあり、燻ったまま櫻子は美咲に挨拶をしに行こうと教会の中へ桜也と入る。
「…………綺麗な教会」
「何?教会式で挙式したい、て?」
「………な!」
「俺は櫻子の白無垢見たいな」
「…………白無垢……」
ホボボッと再び顔を赤らめた櫻子。車でここに来る迄も、散々脱がされ掛けたドレスの中は燻っているのに、桜也は容赦せず色気混じりで口説きまくりだ。
「み、美咲に会いに行ってくる!」
「紹介してくれるんだろ?」
「…………」
櫻子は桜也の手を掴み絡める。交互に指を絡める恋人繋ぎを自分から仕掛けるのは初めてだ。
「お、進歩」
「…………そんな揶揄うなら、もういい!」
「駄目……俺は嬉しいから」
何度身体を重ねても、セックスの時以外に手を絡めた事は無かった2人。寄り添う様に新婦の控室に入る。
「美咲、久しぶり!」
「櫻子~!!」
「今日はおめでとう!」
ウエディングドレスを身に纏う友人の美咲と横に寄り添う新郎。
「今日はありがとうございます、美咲から櫻子さんの話はよく聞いてたんです」
「美咲から、馬鹿な話ばかり聞かされてたんじゃないですか?」
「とんでもない、苦労人だとよく話を聞いてます」
「そうそう、褒め言葉ばっかり」
美咲の夫となる人は、櫻子の知らない男だった。何人も大学の友人との話、櫻子に聞かれる事はもっぱら、べったり櫻子にくっつく桜也の事ばかり。
「何1人だけ、ハイスペ男捕まえてんのよ」
「弁護士のお友達と合コンしません?」
「いえ、私は弁護士の友人は少なくて……」
「櫻子との馴れ初め教えて下さい!」
櫻子を輪から追い出す勢いで、櫻子の友人は桜也を取り囲むのは直ぐだった。
「モテるねぇ、櫻子の彼氏………大学当時付き合ってた人とは別れたんだ?」
「あれ?美咲、会った事はあったっけ?大和と」
「あれ?言ってなかったかなぁ………櫻子が居なかった時かな?偶然サークルの飲み会の居酒に居てさ………ほら、よく大学終わりに迎えに来てたじゃん?あれで顔は知ってたから覚えてて………あの後も、偶然に何度か会ったりしたかなぁ………あの人もカッコ良かったけど、今彼のがカッコ良いいじゃん、しかもハイスペ」
「………うん……」
「結婚式には呼んでね、櫻子」
「!!………ま、まだそんな話ないから!!」
教会での式を終え、パーティー会場へ移動しようと、友人達の輪に居た櫻子。その後ろを控える様に歩いていた桜也に、スタッフから声が掛かった。その一瞬の出来事だった。スタッフと話ている1、2分の間に、櫻子が消えたのだ。
「櫻?………櫻!!」
「え?…………櫻?………あれ、居ない」
「トイレ?」
「一緒に居たよね?」
「何処だ!櫻!!」
突然消えた櫻子。友人達は、トイレに探しに行くが見当たらず、会場の何処にも居なかった。友人達はすれ違う台車に荷物を運ぶ業者は居たというが、その業者も居なければ、スタッフ達もそんな業者は客から見える所には入らない様にはしている、という。桜也はその業者が怪しいと思い、スマホを出した。
「坂本!!櫻が連れ去られた!!探せ!!」
スマホのGPSで探すが、櫻子の持っていたバックがスマホと共に教会から離れた所に落ちており、既に離れてしまった様だった。
♤♤♤♤♤
「よぉ、櫻………久しぶりだな」
「……………んんんんんっ!!」
ダンボールに詰め込まれて、知らない場所に連れて来られた櫻子。倉庫か工場の様な所で、30人は居るだろう男達を引き連れた大和。
「猿ぐつわ外せ」
命令された部下は櫻子の猿ぐつわを外される。
「大和!!自首して!!」
「はぁ?するか、馬鹿………こっちは龍虎会にコケにされっ放しなんだよ!………その女、こっちに連れて来い!」
ダンボールから出させられた櫻子は大和の前に連れて行かれると、大和の顔が歪む。
「…………随分といい女になったじゃねぇか……櫻」
「………私は変わらないわ………変わったのは大和じゃない!!私が好きだった東堂大和に戻ってよ!!出来ないなら自首して!!」
「…………減らず口叩きやがって………」
ビリッ!
「キャー!!」
大和がナイフを持ち、櫻子に向けひと振りすると、紙一重でドレスが切り裂かれた。うっすらと、櫻子の胸に切り傷が着く。
「またエロい下着なんか着やがって………俺には見せなかったよな、そんな下着………」
赤い鮮血が、胸を伝う。櫻子は痛みがあったが、それよりも大和への怒りの方が込み上げる。
「こんな事止めてよ!!私が知る大和はそんな事言わなかった!」
「そりゃそうさ、芝居してたんだからよ……チャラい男を演じるのも楽しかったがな、獅子王組の後継者として、そんなんじゃ龍虎会潰せないからよ………ほら、以前の様にセックスしようぜ、櫻………ギャラリーいっぱい居るから燃えるぞ?」
「誰が貴方なんかと!!反撃出来ない人達に銃突き付けて、死んだ人も居るのよ!!レストランだって、銃撃したのだって………菫にも近付いて………騙して………お願い………もう自首………」
「…………泣くなら俺の咥えて啼けよ……おら、来い!!」
大和は座っていたソファから立ち上がり、櫻子の肩を掴むと、ソファに押し倒した。
「高嶺を呼び出せ!………一人で来いとな!!…………さぁ、楽しもうぜ、櫻……」
大和はそう言うと、ドレスの胸部分を引き裂き、櫻子の胸を露わにさせた。その瞬間、歓声が沸き起こる。
「動画撮るなよ~、この女は獅子王組の姐さんになる女だからよ~!!」
「離して!!…………いやぁ!!」
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