私が欲しいのはこの皇子!【完結】

Lynx🐈‍⬛

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ラメイラとナターシャ

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 タイタスの態度が悲しくて、ラメイラは項垂れる。

「………ホント、あいつは私に冷たくて参ったね。」
「あれはタイタス殿下が悪いのです。好き嫌いな問題ではありませんわ!」
「でも、ナターシャ、ありがとうな、私の為に怒ってくれて。私がタイタスに言えないから………ほら、出来なかったし、何がいけないのかが分からなかったしさ。」
「それでも酷いですわ!わたくしからリュカ殿下に報告しますわね。」
「タイタスはリュカに怒られるかな……。」
「どうですかね………リュカ殿下が弟殿下方に怒る姿は見た事がないので……。」

 ラメイラと半年程年上だという、ナターシャ。
 第一印象のほわほわした柔らかな物腰とは違い、タイタスに物申す態度は全く違っていた。
 
「参ったな………。」
「え?」
「あ、いや何でもない。」
(タイタスが好きなタイプ、てナターシャみたいな子…………か……私と全く違う……。)

 ラメイラがレングストンに来て直ぐに突き付けられた感情。
 初恋を実らせようとやって来たものの、数年で皇子達は変わっていた。
 リュカリオンとトーマス、タイタスはナターシャに恋をし、ナターシャはリュカリオンを選んで結婚する。
 結婚が決まって約1年、トーマスもタイタスもまだナターシャに恋をしているという。
 それだけナターシャの存在は大きなものらしい。

「なぁ、ナターシャ。」
「はい、何でしょう、ラメイラ様。」
「ナターシャがリュカを好きな所て、何処だ?」
「…………な、何ででしょう……気が付いたら好きになっていて、リュカ殿下に触れる事も触れられる事も嬉しかったんです。他の殿下方は………。」
「嬉しくなかった………。」
「………はい。」

 カチャ。

 急にドアが開き、ラメイラとナターシャはドアに目を向ける。
 タイタスが戻ってきた。

「あ、ナターシャまだ居たならちょっと話したいんだけど……。」
「はい、まだ大丈夫ですよ。勉強の時間内ですし、まだ。」
「ここでは………ちょっと。」
「ラメイラ様に聞かれたくない、と?」
「ま、まぁ……。」

 タイタスはラメイラを気にしているのが分かったナターシャ。
 
「私、皇女宮に戻るよ。」

 ラメイラの気落ちしたまま出て行こうとするのを、ナターシャに腕を捕まれる。

「先程のラメイラ様に関する事であれば、このまま伺いますわ。それ以外のお話であれば、わたくしありません。」
「ナターシャ…………俺……まだ……。」
「タイタス殿下、失礼致しますわ。」

 ラメイラを腕を掴むナターシャはラメイラを連れてサロンを出て行った。

「好きだ、とも言わせてくれないのか……。」

 サロンに残るナターシャの香りと共に、タイタスの小声が、ラメイラの耳に入る。

(…………タイタス……。)

 ラメイラの前に居るナターシャは何を感じているのか、と思わずに居られなかった。
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