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不穏な空気
しおりを挟むドン!!
「キャー!!…………な、何なさるの!!痛い!!怖い!!」
(し、しまった!!)
軽く肩を突き飛ばしただけだが、かなりのボリュームの悲鳴を上げたロレイラに、衛兵と一緒に居たのか、タイタスもやって来たのだ。
「何を言ってるんだ!力なんて入れて……。」
「キャー!キャー!」
ロレイラは聞く耳を持たず悲鳴をあげるだけ。
「ロレイラ!!………ラメイラ?」
「タイタスっ!!」
「タイタス殿下!!助けて下さいませっ!!わたくし、あの女に殴られました!!」
「はぁ!?殴ってないでしょ!!」
ロレイラはか弱い女を装い、タイタスに抱き着くと、涙を流す。
(………うわぁ………この女、これを狙ってたんじゃ……。)
ラメイラはそう確信するが、状況はラメイラに味方をしない。
突き飛ばしたのはラメイラ本人。
突き飛ばされたロレイラは泣くだけ。
しかも嘘泣き。
「ラメイラ!!ロレイラを何で殴ったんだ!!」
(しかも、頭から疑ってるし……。)
「殴ってないよ!!あの……彼女が挑発して私を怒らせるから、肩を押しただけだ!!」
「嘘ですわ!!わたくし………わたくしっ………ひっく………とても痛い…………。」
同情がロレイラに降り注ぎ、ラメイラには疑いの目を向けるタイタスと衛兵達。
「あ、あなたねぇ……いい加減に……。」
ラメイラは一歩近付こうとするが、
「キャー!!」
「ちょっと!!」
「ラメイラ!!近付くな!!」
「だって勘違いしてんなら、話しなきゃ!!」
「ラメイラ!ロレイラが興奮する!近付くな!!」
ドンっ!!
ザザッ!!
ポキっ!!
「あ…………すまない、ラメイラ………大丈夫か?」
「…………タイタス……お前もいい加減にしろ!!この女の性悪さに気付けよ!!この女は、お前の事を利用してるんだぞ!!」
「ひ、酷いわっ!!わたくしに暴力振るっておいて、わたくしのタイタス殿下への気持ちさえも踏み躙りますのね……。」
「あ、あんた………ねぇ……………痛っ!」
「ロレイラ、口を慎め。………ラメイラ……足を……。」
タイタスはラメイラの足を見ようと触ろうとすると、
「嫌ですわ!!タイタス殿下!!わたくし以外の女に触れないで下さいませっ!!」
「ロレイラ……ラメイラは足を怪我したかもしれないから……。ほら、ラメイラ足を……。」
「…………触るなっ!!」
「まぁ!!なんて無礼なの!?タイタス殿下のご厚意を無下に!!」
「……………。」
(………私が言う事、一言一句言い返してくる……。)
ラメイラは、足の痛みと、心の痛みで苛々しっぱなしだった所で、騒ぎに駆け付けた大勢の衛兵達の中に、トーマスとカイルがやって来た。
「何をしてるんだ!!………ラメイラ!大丈夫かっ!!足……。」
「痛っ!!………多分折れてる………立てないんだ……。」
「ラメイラは何でこうなった!タイタス!!」
「…………トーマス兄上……。」
「そこに居るロレイラを監視付で空き部屋に連れて行け!!ロレイラと話す事一切禁じる!俺が行く迄誰にも会わせるな!タイタスは俺と父上が話を聞く!!カイル、ラメイラを皇女宮に連れてってやってくれ、治療を。」
「了解。」
「ロレイラは絶対に1人にするなよ!」
「はっ!ロレイラ嬢こちらに。」
「わたくしは被害者ですのよ!!」
トーマスは的確に指示を出す。
カイルに抱き上げられたラメイラ。
「暴れるなよ?」
「暴れる体力も気力も無いよ…………あの女のせいで……。」
「………ロレイラ、ねぇ………嫌なヤツに目を付けられたな。」
「ラメイラ!後で事情を聞きに行く。全て話してくれよ?」
「トーマス…………分かった。」
トーマスはタイタスの腕を捕み、無理矢理王城に戻って行った。
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