私が欲しいのはこの皇子!【完結】

Lynx🐈‍⬛

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事情聴取

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 王城の一部屋にトーマスとウィンストン公爵はやって来た。

「ここに?」
「はい。」
「ふぅ~……。」

 トーマスは溜息が思わず出て来てしまう。

「トーマス殿下、私が聞きますから……あなたはまだお若い、感情の起伏を隠せないでしょう。ここは私に。」
「…………頼む。兄上の事があるから、如何しても感情的になりやすい。でなければタイタスを殴ってない。」
「………仕方ありません、タイタス殿下はご存知ないのですから………ご存知であったとしても、タイタス殿下が理解出来るかは……。」
「兄上が離宮に居て良かったよ……。」
「ですな。」

 ウィンストン公爵が衛兵にドアを開けさせた。
 ロレイラはソファに座り、扇を開いたり閉じたりと繰り返し、暇を持て余していた。

「遅かったじゃありませんか?わたくし帰りますわ。」
「ロレイラ嬢、あなたに事情を伺いたいのだ。納得出来るかどうかは分からないが、正直に答えてもらいたい。」
「わたくしを誰だと?前皇帝の弟の孫娘ですよ!ウィンストン公爵如きに答えるとお思い?」

 扇をパチン、と勢いよく鳴らすロレイラ。
 しかし、ウィンストン公爵は眉一つ揺るがない。

「…………だから?あなたが前皇帝の血筋を言い張るなら、私も歴代皇帝のご兄弟の血筋。立場は同じ。王族身分から落ちた公爵家に上も下も無い事を、レングストン公爵のお父上は教育しなかったのかな?」
「娘も娘なら、親も親ですわね………嘆かわしい事……。」
「おや、娘をご存知で?」
「会いましたから。わたくしに暴力を奮った、トリスタン公国の公女と。」
「………ではあなたは、娘が今王族だとご存知ですな?公爵家の血筋の上下を語るなら、あなたより、娘の方が上。私が今から聞く事は、その娘からの言葉として、受け取って頂いて宜しいですかな?何故なら、私の立場とレングストン公爵の立場が違うなら、嫁いだ娘が王族に入った事で立場は逆転したと思える。」

 ロレイラの顔色が変わる。
 矛盾した事を言ったロレイラに矛盾した事で反論したウィンストン公爵。
 ロレイラが言った事は、『より王族に近い血筋』を強調したからだ。

「では、伺う。あなたは何をラメイラ公女と話をされましたかな?」
「……………わたくしを帰しなさい。」
「話て頂ければ帰って頂いて結構。」
「………トリスタンに帰って、と言っただけですわ。」
「…………トーマス殿下。」
「何だ?宰相。」
「私はラメイラ公女をよく知りませんので伺うのですが、ラメイラ公女はよくも知らない、公爵令嬢に、『帰れ』と言って暴力を奮う方ですかな?」
「………少なくともあの子はしない。」
「わたくしにはしたのです!」
「それはそれは………お気の毒に……余程、ラメイラ公女の気分を害したのでしょうな……。例えば…………皇太子殿下やタイタス殿下の話………とか言いましたか?」
「…………。」
「図星ですね、トーマス殿下。」

 ロレイラは無言だったのに、ウィンストン公爵は確信する。

「わたくしは返事してませんわよ!」
「返事せずとも顔に出ている。ロレイラ嬢、私はこの国の宰相。皇帝のお側に仕えている意味を知った方が良い。それが、あなたの父上とのだと知るが良い。」
「お父様に言いますわ!!ウィンストン公爵!!」
「…………どうぞ、ご勝手に。あなたのプライドを傷付けて宜しいのなら………あなたが皇太子殿下にお父上に話て良いのなら………。レングストン公爵話ておりませんので。」
「……………。」

 ウィンストン公爵の横で黙って聞いていたトーマス。
 皇帝の懐刀として、代々のウィンストン公爵の嫡男は、宰相の任にある事の意味を初めて味わった瞬間だった。
 尽く、ウィンストン公爵はロレイラのプライドを打ち砕く。
 レングストン公爵との敬遠の仲だと知っていたが、それは全てリュカリオンにして来た行いからの仕返しにもトーマスは見えたのだった。
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