私が欲しいのはこの皇子!【完結】

Lynx🐈‍⬛

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婚約式と夜会

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 王城の大広間で婚約式が行われ、その後時間を置いて夜会が開かれた。
 ラメイラがレングストンに来て約1年になろうとしている。
 ラメイラが夜会に参加するのは初めて。
 ラメイラは夜会やお茶会等華やいだ場所が苦手だったが、王族の一員になるのもあり、参加を余儀なくされたのである。
 ラメイラはトーマスが用意した真紅のドレスを身に纏う。
 ラメイラのスレンダーの体型に合うストレートラインが美しい肩が出たドレスで、片肩に薔薇をモチーフにした大きなリボンが付いている。

「あ、歩きにくい………。」
「似合うよ、そのドレス。」

 トーマスにエスコートされ、大広間に入る。
 ラメイラの夜会用のドレスコード姿を初めて見る貴族達も一同驚いた。
 婚約式で着ていたドレスも驚かれたが、ラメイラの雰囲気が全く違った。
 先に入場していたリュカリオンとナターシャは、ラメイラのドレスに見覚えがあった。

「あのドレス……。」
「似てるよな………トーマスがナターシャに作ったドレスに。」
「………でも、ラメイラのサイズとわたくし違いますわよ?」
「…………あいつ、赤が好きだからな……デザインも似せて作り直させたかも……。」
「だといいですが……わたくしに作ったドレスをリメイクなんて、ラメイラが気を悪くしますわよ?知ってる人居ませんわよね?」
「………タイタスとコリンは知ってるな……。」
「口滑らせないといいですけど……。」

 トーマスとラメイラは、来賓達に挨拶をしながらリュカリオンとナターシャの方に向って来ていた。

「ナターシャ………緊張するぅ……。」
「ラメイラお綺麗ですわ。よく似合ってますわよ。」
「歩きにくい……。」
「これからダンスですわよ?大丈夫ですか?」

 この日の主人公のラメイラとトーマスが入場した事で、来賓達は大広間の中央を開けた。

「え!………わ、私下手なのに!」
「大丈夫だ、タイタスより俺のが上手いから。」

 トーマスはラメイラの不安を取り除くと、大広間の中央にリードして入る。
 管弦楽がワルツを奏でる。
 ラメイラが普段練習していたステップのワルツがトーマスのリードで始まった。

「ラメイラ、俺がリードする。委ねろ。」
「う、うん。」
「足元は見るな、俺を見ろ。」

 ラメイラは足が縺れつつも、トーマスに引っ張られながら何とか1曲踊り終えた。
 トーマスとラメイラが一礼すると、次々と来賓達は踊り始めたのだった。

「ラメイラ、退散しようか。」
「え?居なきゃ駄目じゃないの?」
「…………抱きたい。」
「!!」

 ラメイラの腰を抱く力を込め、耳元で囁くトーマス。

「駄目だって!!まだ夜会中!!」
「兄上もナターシャももう居ないぞ?」
「え!?………あれ、ホントだ。何処に行ったんだろ………。」

 ラメイラは大広間を見渡すが、リュカリオンもナターシャも居なかった。

「ヴィオがグズッたか、そんな理由じゃないか?兄上迄居なくなるとなると、違うかもしれないが。」
「ヴィオ見に行くのか?」
「何でそう思うかな……。抱きたい、て言ったろ?」
「じょ、冗談じゃ………。」
「そんな色っぽい姿のラメイラ見たら我慢出来ない。」

 トーマスに大広間から連れ出されてしまったラメイラ。

「トーマス、一体何処に行こうと………?」

 王城から出るような道筋ではないのに気が付いたラメイラ。
 トーマスは自分の執務室にラメイラを押し込んだ………。
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