暗闇の麗しき世界へ【完結】

Lynx🐈‍⬛

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エピローグ

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 麗禾が大学を卒業する頃に合わせて、麗禾は避妊薬を飲まない事を、晄に報告した。

「もう、ピルは飲みません」
「……………良いのか?」
「はい…………だから、晄さんのお嫁さんとして、就職出来たらな………と」
「就職って…………俺の女房は職業じゃねぇぞ」

 大学卒業時期を逆算し、避妊薬が入っていた瓶を晄に渡して麗禾は言った。

「な、何て言っていいのか分からなかったんで………私からプロポーズすれば良いんですか?」
「アホか…………プロポーズは俺からする………ちょっと待ってろ」

 ベッドの上で、行為を終えた時に、意を決して告白した麗禾だが、他にどう言えば良いのか分からなかったのだ。
 そんな時、晄はまたも全裸でベッドから出て、キャビネットから封筒とジュエリーボックスを出して来る。

「婚姻届は、明日書くとして………左手出せ」
「っ!……………は、はい………」
「外すなよ」
「……………外しませんよ……余程の事が無い限りは………」
「裏切るなよ、俺を………」
「晄さんだって………っ!」

 プロポーズはいつしてくれるのか、と思いながら会話を続けていたが、麗禾の指に指輪が嵌められると、晄の胸に押し付けられた。

「……………1人にしないでくれ、麗禾………お前が居なきゃ、どう息して良いか分からねぇ………あんな、誘拐も二度とさせねぇから………」
「二度ある事は三度あると言いますし、三度目がもし遭ったら、また助けて下さいね、晄さん………私も、晄さんが居てくれないと寂しくて死んじゃうかもです………」
「三度目なんて作らせるかよ…………傍に居ろ、ずっと…………」
「はい…………宜しくお願いします」

 サイズがピッタリの指輪が光り、その手が晄に絡め取られると、またそのまま麗禾の中に、晄の存在を感じた。

「っ!…………も、もう今日は終わり………」
「あ?…………記念に1発ヤッても良いだろ?」
「さ、散々ヤッてますよ!今日だって!」
「朝迄、麗禾の中に居てぇんだよ!」

 晄の嬉しさが、麗禾に伝わってくると、麗禾も嬉しいからか、結局朝迄付き合う事になってしまった。

 ---は、始める前に伝えておけば良かったぁ!

 そんな思考を麗禾は考えていると、晄に見透かされる。

「余裕あるな、今日は………」
「へ?…………」
「使うか?玩具」
「い、いえ…………晄さんで手一杯なので!ま、満足出来ますから!」
「そうか?…………じゃあ、足腰立たなくなる迄、満足させてやらないとな」
「っひっ…………」

 大学に行く平日は手加減してはくれている晄だが、この日も平日。翌朝、麗禾は立てなくなり大学を休む羽目になった。

「全く…………麗禾ちゃんの事何だと思ってんだ、あの鬼畜」
「小夜さんが来てくれて助かりました………湿布も強壮剤も何も無くて………イタタタ……」
「で?私を呼んだの…………ソレだけじゃないんでしょ?」

 翌朝立てなくなった麗禾を心配した晄が、小夜をマンションに呼び出していて、午後に小夜が来てくれている。

「結婚する事にしたんです…………それで、ピルも飲むの止めました」
「あら、本当に?おめでとう!麗禾ちゃん!」

 婚約指輪が嵌められている手を、小夜が握ってくれて祝福してくれた。

「あ、ありがとうございます、小夜さん」
「あ、だから晄が帰る迄、私に此処に居ろ、て言ったのは」
「晄さんも、小夜さんに用事があるんでしょうか」
「あるんじゃない?婚姻届に証人欄あるでしょ?其処に記入させる気なんじゃないかな」
「あ…………なるほど……」
「そっか、そっか………なら、私も晄に遠慮無く、子作りに励んじゃおっかな」
「え?」

 榊と小夜の夫婦には子供が居ない。敢えて作らない様にしていたのか、子供が嫌いなのかと思っていた麗禾。

「私達も避妊してたのよ………何かさ……晄を1人にさせちゃう気がして………結婚して5年経つけど、卓も子供欲しいとも言わないしさ………麗禾ちゃんが避妊止めたなら、私達も子供作っても良いかな、て思って待ってたんだよね………あの媚薬騒動の時に、卓と話して決めてたのよ………晄が幸せを掴めた時、俺達も肩の荷が下りるんじゃないか、て」
「小夜さん…………大好きなんですね、榊さんも小夜さんも晄さんの事…………」
「アイツは分かってないだろうけどね!」
「誰が分かってないって?」
「げっ!」

 帰宅してきた晄が、小夜の背後で睨んで立っていた。
 帰宅予定時間ではないのに、晄が帰ってくるのも珍しい。

「…………感謝はしてたさ………言わないだけだ………お前等が、俺に気を使ってんのも悪いと思ってる…………ガキ作るの競争でもしてみるか?榊」
「良いですね、何方が先に妊娠するか競争しましょう」
「は?………馬鹿なの?アンタ達!生理の周期の違いで排卵日も変わるのよ!競争も意味無いわ!」
「んな事、分かってるさ…………ほら、榊、小夜…………婚姻届の証人欄書いてくれ」

 競争の意味もあって無いようなもので、晄が言ってみただけの様だった。
 既に、麗禾と晄の欄は記入してあり、証人欄を書くだけ。
 書いて役所に提出すれば、晴れて麗禾は神崎から黒龍の姓に変わる。

「分かった分かった………卓、先書くよ」
「あぁ」

 翌日、麗禾と晄は婚姻届を提出したその足で、お互いの実家へと顔を出して報告したのだった。
 その翌月、黒龍家と懇意のある神社で、麗禾は白無垢を着て、晄と結婚式を挙げたのには急だったが、神崎の両親が麗禾の花嫁姿に号泣していたのを麗禾は見られるとは思ってもおらず、晄がボヤいたのは言うまでもない。

「何つぅ、身勝手なんだ…………神崎の頭と姐さん………娘大事なら、マシな育て方しやがれ」
「晄さん…………聞こえちゃいますから」
「もう、結婚してんだ………聞こえてたって痛くも痒くもねぇし」

 それでも、気遣って声を潜めていたのに、麗禾は苦笑いしていたのだった。





        完
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