再婚相手は溺愛消防士!?二度と結婚しないと決めてたのに、どうしてこんなことに!

すずなり。

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テーブルの上にコトン・・・っと置かれたティーカップ。
漂う湯気からいい香りが鼻を抜けていく。

「わ・・・美味しそう・・・。」
「ふふ。あなたたちはこっちね。」

深田さんの奥さんは子供たちの方に、ジュースとクッキーが乗せられたトレイを置いた。

「・・・あ、聞きたいことがあったら何でも聞いてね?私は雪華。」
「あ・・・三井 那智です。越してきてまだ数日なんですが・・・よろしくお願いします。」

私は置かれたティーカップを取り、口をつけた。
紅茶をゆっくり飲む時間なんて普段はなく、少し贅沢な時間だ。

「あの・・・この町ってあまり子供がいないじゃないですか?幼稚園とか小学校がどうなるのか気になるんですけど・・・何かご存知ですか?」

一番気になってることを聞くと、深田さんの奥さん・・・雪華さんは優しく微笑みながら話し始めた。

「気になるところよねー・・・。うちは町外にある幼稚園に通わせてるの。申請したら消防署の前までバスが来るから、それに乗せてる。」
「そうなんですか!?」
「うん。小学校も一緒らしいから、真那ちゃんが幼稚園に入る時はうちの子と一緒のバスになると思うよ?幼稚園と小学校で別々にバスを出してくれると思えないし?」
「なるほど・・・。」
「暇だったら雄大さんたちがお迎えしてくれるから安心だしね。」
「そうなんですか!?」
「この町、平和だからねぇ・・・(笑)」

雪華さんはカフェをされてるということで、お迎えが間に合わない時があるらしい。
そんな時はご主人である深田さんが消防署で3人を預かってくれてるそうだ。

「真那ちゃんも預かってくれるよ?那智さんも仕事あるんでしょ?」
「仕事はありますけど・・・それは申し訳ないんで・・・」
「まぁ、どうしても間に合いそうにないときは連絡入れてあげて?預かってくれるからね。」
「はは・・・ありがとうございます・・・。」

雪華さんは幼稚園の話をたくさんしてくれ、私はその話を覚えることにいっぱいいっぱいになっていた。
入園するには見学に行ったりしなければならないらしく、持ち物を揃えたり、たくさんの書類を書いたりと大変そうだ。

「来年入園予定?真那ちゃん。」
「あー・・・一応その予定にはなるんですけど・・・」

真那は4月生まれの3歳だ。
来年4歳になるから年中さんからの二年保育入園になる。

「うちと二つ違いね。秋くらいに体験入園あるはずだから、情報が入ったら教えるね?」
「!!・・・助かります!」
「ふふ。じゃあ連絡先、交換しましょ?」

私はスマホを取り出し、雪華さんと連絡先を交換した。

「いつでも頼ってね?年が近いのって私たちくらいだから(笑)」
「ありがとうございますぅ・・・!」

真那と同様、私にも友達ができたことをうれしく思いながら、ふとスマホの時間を確認した。
するともうバスの時間が迫ってきていたのだ。

「!!・・・あっ!すみません・・・!バスの時間が・・・!」
「あらあら大変。じゃあ真那ちゃん、お帰りの用意しましょうか。」

雪華さんに言われ、真那は遊んでいたおもちゃをボックスの中に入れていった。

「真那ちゃん、お片付け上手ね?そんな真那ちゃんにはご褒美。」

雪華さんはポケットに手を入れ、小さな飴を取り出した。
そしてその飴を真那の手に乗せたのだ。

「!!・・・あめ!!」
「ふふ。バスの中でいい子で食べてね?」
「あい!」
「すみません・・・、ありがとうございます。あっ・・・!紅茶とジュースのお支払い・・・」

鞄から財布を取り出してお会計をしようとした時、雪華さんは私の手をそっと押さえた。

「今日はお茶しただけだからいいの。また今度ランチでも食べに来て?待ってるから。」
「!!・・・ありがとうございます。」

雪華さんのご厚意に甘え、私は何度もお礼を言ってカフェを後にすることに。
真那は私に手を引かれながら三つ子ちゃんに手を振ってる。

「またね!」
「まなちゃん、ばいばーい。」
「またねー。」
「またあそぼー。」

真那が三つ子ちゃんと仲良くなってくれたことを微笑ましく思いながら私たちはバスに乗り込んだ。
バスに乗るなり真那は飴を食べだし、雪華さんに言われたとおりいい子で座ってる。

「真那、お兄ちゃんたちと遊んで楽しかった?」

真那にとってはほぼ初めての友達になる三つ子ちゃんたち。
どんな感想を言うのか楽しみだった。

「んーと、そらくんがすきっ。」

その言葉に私は一瞬悩んだ。
どの子が『そらくん』なのかがわからないし、真那の言う『好き』はどこまでの好きなのかがわからないのだ。

「えーと・・・?」
「またあそぶっ。」
「あー・・・うん。いい子でいてくれたらまたお店に行こうね。」
「うんっ!」

走るバスの窓の外には、行きに見えた景色が広がってる。
どきどきしながら向かった行きだけど、帰りはなんだか晴れやかな気分だった。
それは雪華さんが気さくにいろいろ話してくれて、真那も年が近い男の子たちと仲良くできたからかもしれない。

「ごほっ・・ごほっ・・・」
「?・・・真那?お咳出てきた?」
「だいじょーぶっ。」
「そう?」

少しだけ咳込んだ真那はその後家に帰るまで咳をすることはなかった。
この町の空気が真那には合ってるようだ。

(ふふ、いいところに越してきたな。)

そう思った私だったけど、と言うことが大変なことをこの後身に染みてわかることになるとは・・・・思ってもみなかったのだった。





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