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成長。
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ーーーーー
真那の喘息騒動から1か月の時間が流れたある日の朝、私は真那に最後の吸入をさせていた。
私のケガももう治り、真那も調子がいい。
「はい、吸ってー?」
喘息の症状が治まってから、少しずつ練習を繰り返して上手にできるようになってきた真那。
この分だと次の吸入期間がやってきても大丈夫そうだ。
「すった!」
「うん、上手。少しでもしんどくなったら教えてね?またしんどいのは嫌でしょ?」
「あーい。」
「わかってるのかな・・・。」
とりあえず元気になったことを喜びながら、私は朝食の片づけを始めた。
今日は溜まってきてる仕事を一気に片付けないといけないから忙しいのだ。
「真那ー?今日は暑いし、クーラー入れておくからいつもみたいに遊んでてね?」
「あーいっ。」
この毎日もあと半年ほどで違うルーティーンに入る。
真那が幼稚園に行った時のタイムスケジュールも考えていかないといけないのだ。
「秋には幼稚園の説明会、物品購入に補助金の申請・・・それまでに仕事をちょっとゆっくりめに調整かけて・・・と。」
成長に伴ってしなくてはいけないことがたくさんある。
私は階段を上がりながらこの後の予定をざっくり確認し、仕事に入ったのだった。
そしてお昼に仕事を切り上げて1階に降りた時、ちょうどスマホの通知音が鳴った。
画面に表示されていたのは『メール』、それも雪華さんからだった。
「?・・・どうしたんだろう。」
気になって開いてみると、そこに『BBQのお知らせ』という文字があった。
「え?BBQ?」
メールの内容は、今度の日曜日に海辺でBBQをするから来ないかというものだった。
ここに引っ越してきてからまだ海を見に行ってない私は、行きたい気持ちが溢れて来る。
「えー・・・いいなー・・・。」
『家族でするからよかったら遊びに来てね』と書いてあることから、きっと三つ子ちゃん達もBBQに参加する。
この前、真那が三つ子ちゃんたちと仲良く遊んでいたことから、連れて行ってあげたくなってきた。
「真那、また陸くんたちと遊んでみたいとか・・・思ったりする?」
そう聞くと真那は目を輝かせながら私を見た。
「そらくん!?」
「あ、そらくんが気に入ってたんだっけ。うん、そらくんもいると思うよ?」
「あそぶ!!」
「う・・うん、わかった・・・。」
食い気味に『あそぶ!』と返事してきた真那。
初めての友達だからか、えらく気に入ってるようだ。
「じゃあお返事に『是非遊びに行かせてください』・・・と。」
そうメールを打つと、すぐに返事が返ってきた。
『楽しみにしてるね!』と書かれていて、自然と笑みがこぼれていく。
「ふふ、楽しみね。」
BBQということで何を持っていくかを考えながら、私は当日を楽しみにしながら仕事に励んだのだった。
ーーーーー
ーーーーー
そしてBBQ当日のお昼前、私は真那と一緒におにぎりを持って海にやって来た。
バスで10分ほど揺られて着いた浜辺は大きいとは言えないけどきれいな浜辺で、広がる海原が太陽の光をきらきらと反射させてる。
「あ!!そらくーん!!」
もうすでに来ていた深田さんと雪華さん、それに三つ子ちゃん達。
真那はさっそく空くんを見つけて駆けて行ってしまった。
「那智さーん!」
雪華さんはそんな真那を見てか、私に向かって手を振ってくれていた。
ご主人の深田さんも一緒になって手を振ってくれてる姿を微笑ましく思いながら足を進めていく。
「すみません、ご家族の団らんにお邪魔させていただいて・・・」
「いいのよ?みんなで食べたほうがおいしいし。」
「そうそう、子供たちも嬉しそうだし?」
そう言われて真那たちの方に視線を向けると、もうすでに三つ子ちゃんたちと遊び始めていた。
砂に絵を描いたり、水辺で遊んだりと楽しそうだ。
「ほらほら、海はダメよー?溺れちゃうからね。」
「はーい!」
「はーい!」
「はぁーい!」
「あーい!」
雪華さんに言われ、三つ子ちゃんと真那は水辺から離れて遊び始めた。
石を投げ入れたり、走り回ったりしてる。
「あ、これよかったら使ってください。」
私は真那と一緒に握ったおにぎりが入ったタッパーを鞄から出した。
「何か持って来てくれたの!?」
「おにぎりなんですけど・・・」
「いいね!子供たちも食べやすいし!」
「喜んでもらえたならよかったですー。」
大きいレジャーシートを敷こうとする雪華さんを手伝い、BBQが始まった。
深田さんが素早くお肉や野菜を焼いてくれ、私と雪華さんは子供たちに食べさせていく。
でも真那や三つ子ちゃんたちは遊ぶのが楽しいようで、ほんの数口食べたあと遊びにいってしまったのだ。
残された私と雪華さんはレジャーシートに座ってお肉を食べながら子供たちに視線を向ける。
「仲良くなってくれてよかったね、これなら小学校行っても大丈夫そう。」
優しい笑みを浮かべながら子供たちを見てる雪華さんは、チラッと私を見たのだ。
「?」
「ふふ、那智さんは再婚とか興味ないの?」
「あー・・・・。」
突然の質問に困った私は、前の旦那とのことを雪華さんに話すことにした。
「前の旦那とは真那ができて結婚したんですけど、あまり『いい旦那』とは呼べない人だったんですよ。だから真那と二人でもいいかなって思ってて・・・」
前の旦那は真那に興味がないのか、自分を優先する人だった。
結婚している手前、生活費なんかは出してくれていたものの、真那を抱いたことさえ無い。
(たった一度の夜で・・真那ができちゃったから、愛なんてものがなかったんだろうけど・・・。)
そんなことを考えてると、雪華さんが私の体をぎゅっと抱きしめてきたのだ。
「雪華さん?」
「・・・私でよかったらいつでも話聞くからね?」
ここに引っ越してきて、こんなに親身になってくれる人に出会うと思っていなかった私は、雪華さんのやさしさが身に染みていた。
「はい、ありがとうございます・・・。」
雪華さんの気持ちをありがたく思っているとき、深田さんが大きな声をだしたのだ。
「お!長谷川ーっ!こっちこっち!」
その言葉に視線を向けると、海沿いの道を圭吾さんが歩いてきていたのだ。
「へっ・・・!?」
「あっ!けーたんだ!」
圭吾さんは私たちを見ると同時に驚いた顔をしていた。
深田さんはスマホを手に持ち、私を見ている。
「俺が呼んだんだよ。真那ちゃん、長谷川に懐いてるし?」
「あー・・・そうだったんですね・・・」
驚く私に、今度は雪華さんが耳打ちするようにして話しかけてきた。
「ねぇ、長谷川くん、やたら那智さんのこと気にかけてると思わない?」
「・・・へ?」
「私はお似合いだと思うなー・・・二人のこと。」
「~~~~っ!?」
思いがけない言葉に一瞬困ったけど、私は再婚とか考える気はなかった。
だからこの話もここで止まって終わることになるだろう。
「・・・もう結婚はいいんです。真那と二人で暮らしていけたらそれで・・いいんです。」
私の考えをわかってくれたのか、雪華さんはそれ以上何も言ってこなかった。
そして圭吾さんは真那たちのところにいき、4人をみてくれている。
「けーたん!かいがらあつめしよ!」
「貝殻?どんなのだ?」
「かわいいの!」
「かわいいの?よくわかんないけど・・・探してみるか。」
真那にせがまれて一緒に波打ち際を歩く圭吾さんの姿はまるで『父親』みたいだ。
別れた旦那がちゃんと父親をしてくれていたら、こんな未来もあったのかもしれない。
(まぁ、そんな未来、最初から存在しなかったんだろうけど。)
このあと私たちは全員で波打ち際で遊んだ。
子どもたちは海で遊んで疲れたのか、帰るころには目を擦りだしていて・・・
「那智、俺の車で家まで送るから乗りな?」
そう言ってくれた圭吾さんに甘え、私と真那は家まで送ってもらったのだった。
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真那の喘息騒動から1か月の時間が流れたある日の朝、私は真那に最後の吸入をさせていた。
私のケガももう治り、真那も調子がいい。
「はい、吸ってー?」
喘息の症状が治まってから、少しずつ練習を繰り返して上手にできるようになってきた真那。
この分だと次の吸入期間がやってきても大丈夫そうだ。
「すった!」
「うん、上手。少しでもしんどくなったら教えてね?またしんどいのは嫌でしょ?」
「あーい。」
「わかってるのかな・・・。」
とりあえず元気になったことを喜びながら、私は朝食の片づけを始めた。
今日は溜まってきてる仕事を一気に片付けないといけないから忙しいのだ。
「真那ー?今日は暑いし、クーラー入れておくからいつもみたいに遊んでてね?」
「あーいっ。」
この毎日もあと半年ほどで違うルーティーンに入る。
真那が幼稚園に行った時のタイムスケジュールも考えていかないといけないのだ。
「秋には幼稚園の説明会、物品購入に補助金の申請・・・それまでに仕事をちょっとゆっくりめに調整かけて・・・と。」
成長に伴ってしなくてはいけないことがたくさんある。
私は階段を上がりながらこの後の予定をざっくり確認し、仕事に入ったのだった。
そしてお昼に仕事を切り上げて1階に降りた時、ちょうどスマホの通知音が鳴った。
画面に表示されていたのは『メール』、それも雪華さんからだった。
「?・・・どうしたんだろう。」
気になって開いてみると、そこに『BBQのお知らせ』という文字があった。
「え?BBQ?」
メールの内容は、今度の日曜日に海辺でBBQをするから来ないかというものだった。
ここに引っ越してきてからまだ海を見に行ってない私は、行きたい気持ちが溢れて来る。
「えー・・・いいなー・・・。」
『家族でするからよかったら遊びに来てね』と書いてあることから、きっと三つ子ちゃん達もBBQに参加する。
この前、真那が三つ子ちゃんたちと仲良く遊んでいたことから、連れて行ってあげたくなってきた。
「真那、また陸くんたちと遊んでみたいとか・・・思ったりする?」
そう聞くと真那は目を輝かせながら私を見た。
「そらくん!?」
「あ、そらくんが気に入ってたんだっけ。うん、そらくんもいると思うよ?」
「あそぶ!!」
「う・・うん、わかった・・・。」
食い気味に『あそぶ!』と返事してきた真那。
初めての友達だからか、えらく気に入ってるようだ。
「じゃあお返事に『是非遊びに行かせてください』・・・と。」
そうメールを打つと、すぐに返事が返ってきた。
『楽しみにしてるね!』と書かれていて、自然と笑みがこぼれていく。
「ふふ、楽しみね。」
BBQということで何を持っていくかを考えながら、私は当日を楽しみにしながら仕事に励んだのだった。
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そしてBBQ当日のお昼前、私は真那と一緒におにぎりを持って海にやって来た。
バスで10分ほど揺られて着いた浜辺は大きいとは言えないけどきれいな浜辺で、広がる海原が太陽の光をきらきらと反射させてる。
「あ!!そらくーん!!」
もうすでに来ていた深田さんと雪華さん、それに三つ子ちゃん達。
真那はさっそく空くんを見つけて駆けて行ってしまった。
「那智さーん!」
雪華さんはそんな真那を見てか、私に向かって手を振ってくれていた。
ご主人の深田さんも一緒になって手を振ってくれてる姿を微笑ましく思いながら足を進めていく。
「すみません、ご家族の団らんにお邪魔させていただいて・・・」
「いいのよ?みんなで食べたほうがおいしいし。」
「そうそう、子供たちも嬉しそうだし?」
そう言われて真那たちの方に視線を向けると、もうすでに三つ子ちゃんたちと遊び始めていた。
砂に絵を描いたり、水辺で遊んだりと楽しそうだ。
「ほらほら、海はダメよー?溺れちゃうからね。」
「はーい!」
「はーい!」
「はぁーい!」
「あーい!」
雪華さんに言われ、三つ子ちゃんと真那は水辺から離れて遊び始めた。
石を投げ入れたり、走り回ったりしてる。
「あ、これよかったら使ってください。」
私は真那と一緒に握ったおにぎりが入ったタッパーを鞄から出した。
「何か持って来てくれたの!?」
「おにぎりなんですけど・・・」
「いいね!子供たちも食べやすいし!」
「喜んでもらえたならよかったですー。」
大きいレジャーシートを敷こうとする雪華さんを手伝い、BBQが始まった。
深田さんが素早くお肉や野菜を焼いてくれ、私と雪華さんは子供たちに食べさせていく。
でも真那や三つ子ちゃんたちは遊ぶのが楽しいようで、ほんの数口食べたあと遊びにいってしまったのだ。
残された私と雪華さんはレジャーシートに座ってお肉を食べながら子供たちに視線を向ける。
「仲良くなってくれてよかったね、これなら小学校行っても大丈夫そう。」
優しい笑みを浮かべながら子供たちを見てる雪華さんは、チラッと私を見たのだ。
「?」
「ふふ、那智さんは再婚とか興味ないの?」
「あー・・・・。」
突然の質問に困った私は、前の旦那とのことを雪華さんに話すことにした。
「前の旦那とは真那ができて結婚したんですけど、あまり『いい旦那』とは呼べない人だったんですよ。だから真那と二人でもいいかなって思ってて・・・」
前の旦那は真那に興味がないのか、自分を優先する人だった。
結婚している手前、生活費なんかは出してくれていたものの、真那を抱いたことさえ無い。
(たった一度の夜で・・真那ができちゃったから、愛なんてものがなかったんだろうけど・・・。)
そんなことを考えてると、雪華さんが私の体をぎゅっと抱きしめてきたのだ。
「雪華さん?」
「・・・私でよかったらいつでも話聞くからね?」
ここに引っ越してきて、こんなに親身になってくれる人に出会うと思っていなかった私は、雪華さんのやさしさが身に染みていた。
「はい、ありがとうございます・・・。」
雪華さんの気持ちをありがたく思っているとき、深田さんが大きな声をだしたのだ。
「お!長谷川ーっ!こっちこっち!」
その言葉に視線を向けると、海沿いの道を圭吾さんが歩いてきていたのだ。
「へっ・・・!?」
「あっ!けーたんだ!」
圭吾さんは私たちを見ると同時に驚いた顔をしていた。
深田さんはスマホを手に持ち、私を見ている。
「俺が呼んだんだよ。真那ちゃん、長谷川に懐いてるし?」
「あー・・・そうだったんですね・・・」
驚く私に、今度は雪華さんが耳打ちするようにして話しかけてきた。
「ねぇ、長谷川くん、やたら那智さんのこと気にかけてると思わない?」
「・・・へ?」
「私はお似合いだと思うなー・・・二人のこと。」
「~~~~っ!?」
思いがけない言葉に一瞬困ったけど、私は再婚とか考える気はなかった。
だからこの話もここで止まって終わることになるだろう。
「・・・もう結婚はいいんです。真那と二人で暮らしていけたらそれで・・いいんです。」
私の考えをわかってくれたのか、雪華さんはそれ以上何も言ってこなかった。
そして圭吾さんは真那たちのところにいき、4人をみてくれている。
「けーたん!かいがらあつめしよ!」
「貝殻?どんなのだ?」
「かわいいの!」
「かわいいの?よくわかんないけど・・・探してみるか。」
真那にせがまれて一緒に波打ち際を歩く圭吾さんの姿はまるで『父親』みたいだ。
別れた旦那がちゃんと父親をしてくれていたら、こんな未来もあったのかもしれない。
(まぁ、そんな未来、最初から存在しなかったんだろうけど。)
このあと私たちは全員で波打ち際で遊んだ。
子どもたちは海で遊んで疲れたのか、帰るころには目を擦りだしていて・・・
「那智、俺の車で家まで送るから乗りな?」
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