再婚相手は溺愛消防士!?二度と結婚しないと決めてたのに、どうしてこんなことに!

すずなり。

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那智の変化。

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病院に着いたあと、那智は処置室に運ばれていった。
俺と真那が廊下で処置が終わるのを待っていると、雄大さんと雪華さんが駆け付けてくれたのだ。

「長谷川・・・!どうだった!?」

俺は救急隊の話を雄大さんに話した。
熱が高いことから、おそらくウイルスにやられたのかもしれないことを。

「単なる風邪くらいならまだいいだろうけど・・・それでも今日明日は入院だろうな。」
「・・・。」

感染するタイプの風邪だとすると、真那と同室は避けたいところだろう。
那智だって、自分の風邪を真那にうつすのはよく思わないはずだ。

「そこで、俺たちが真那ちゃんを預かろうと思ってる。」
「え?」

そう雄大さんが言ったあと、雪華さんが身を屈めて真那と同じ視線の高さになった。
そして・・・

「真那ちゃん?ママ、体調が悪いから今日は空と一緒に寝ない?」
「そらくん・・・?」
「そう。ママが元気になるまで・・・陸と海と空と一緒にいよう?」

雪華さんの言葉に、真那は那智が処置されている部屋を見た。
そして俺を見て考え込み、首を縦に振った。

「いい子ね、真那ちゃん。ちょっとだけ頑張ろうね。」

雪華さんが手を出すと、真那はその手を取って俺の膝から下りた。

「長谷川は三井さんの傍にいるだろう?」
「はい。真那のことも説明しないといけませんし・・・。」
「なら、あとは頼んだ。こっちは大丈夫だから。」
「はい・・・。那智の目が覚めたら連絡します。」

基本的に、身寄りがいない人は俺たちの誰かが傍につく。
それは目が覚めるまでがほとんどで、その後は病院と本人に任せるのだ。
でも・・・

(那智のことだから、きっと目が覚めたらすぐに帰ると言いだすだろう。そうなれば十分に回復できないから、また倒れるかもしれない。)

また倒れると真那が寂しい思いをすることになる。
その辺をどう説き伏せるかが、俺にかかってるのだ。

「すみませーん、三井さんのご家族の方ー?」
「!!・・・はい!織浜消防署の長谷川です!搬送に付き添ってきました!」
「ありがとうございます。状態、落ち着きましたので病室にご案内しますねー。」

俺は看護師についていった。
するとベッドで寝ている那智と合流し、点滴の管に繋がれた姿に胸が痛む。

「容体ってどうなんですか?」

ベッドを押す看護師に聞く。

「大丈夫ですよー。ちょっと熱が高いので解熱の点滴を入れてます。熱が高すぎて本人さんがつらいと思うので、抗生剤などはあとで順番に点滴していきますね。」
「ありがとうございます。」

ひとまず安心したところで、那智は病室に入れられた。
この病院は大部屋がないらしく、全室個室だ。
決して広いとは言えない部屋の隅にある椅子に腰かけ、那智の目が開くのを待つことにしたのだった。

そして2時間後・・・

「ん・・・。」

目を覚ました那智は、ぼーっと天井を見つめていた。
那智が目を覚ますまでのあいだに点滴を変えに来た看護師によると、明日まで熱は下がりそうにないとのことだ。

「那智、俺が誰かわかる?」

そう聞くと、那智はゆっくりと俺を見た。
そして、かすれる声で・・・

「け・・ごさ・・?」
「そう。ここはどこかわかる?」

那智は何度も瞬きを繰り返した。

「わかんな・・・・」
「ここは病院。那智は家で倒れたんだ。多分、倒れる直前に署に電話をかけたんじゃないか?体調が悪いこと、わかってたんだろ?」

そう言うと、那智は驚いた顔をして起き上がろうとした。

「ちょ・・!まだ寝てないとだめだって!熱が高いんだから!」
「まな・・・真那は・・・!?」
「大丈夫。雄大さんと雪華さんがみてくれてる。今日は泊まらせてくれるって言ってたから那智は入院。」
「!?・・・もっ・・もう大丈夫・・・!」
「そんなわけないだろ?さっきも看護師が熱を計っていったけど、まだ38度ある。点滴効果があってその高さなんだから、切れたらまた上がるからな?」
「でも真那が・・・・」
「大丈夫だって。何かあれば雄大さんか雪華さんが連絡くれる。真那のために1秒でも早く回復するのが那智の仕事だ。」

那智は諦めたのか、力を抜いてベッドに身を沈めた。
そして点滴の袋を見つめてる。

「早くて・・・どれくらいで退院できそうですか・・・?」

泣きそうなのか、声を震わせながら聞いてきた那智。

「今日は無理。早くて明日、長ければ4~5日ってとこだな。」
「!!・・・そんなに長く真那を預けるなんて無理です・・。」
「だろうな。初めてなんじゃない?真那と離れるの。」
「そう・・ですね・・・。初めてです。だからこそ真那が不安がってないか心配で・・・あと、深田さんや雪華さんにご迷惑かけてしまって本当に申し訳ない・・・。」

那智は両手で自分の顔を覆った。
もしかするとその手の下では涙が零れてるかもしれない。

「・・・雄大さんも雪華さんも、那智のことを大切に想ってるよ。だから大変なときに助けてくれる。その好意は甘えてもいいんじゃないか?」
「・・・。」
「それに、俺だって那智や真那を大切に想ってる。知り合って半年も経ってないけど親しくなってきてると思ってる。だから、こんなときくらい甘えたらいいんだよ。」

裁縫が得意な那智は、町の人たちの服のほつれや簡単な補修なんかをタダで引き受けていた。
本人は『これくらいなんともないこと』みたいな感覚でやってるみたいだから、特に何も言わないけど・・・周りの人間はそのありがたさに気がついてる。
持ちつ持たれつの関係が強い田舎で、那智は十分に馴染んでいたのだ。

「・・・ありがとう、圭吾さん。」
「!!・・・ゆっくり寝な。」

このとき、那智のなかで何かが変化したようだった。
敬語を使っていた那智が、普通の話し方になった。

(一歩前進・・・かな?)

いつまでも余所余所しい那智に、雄大さんも雪華さんもため息を漏らしていた。
年の差を考えてのことなのかもしれないけど、寂しく感じていたのだ。
それは俺も同じで、その壁はそのうち取っ払えればいいなと思っていた。
それがこの機会でできたみたいだ。

「俺は一旦帰るから。真那の様子も見てくるし、いい子で寝ろよ?」
「・・・わかってるよ。」
「ははっ。」

しっかりした受け答えができていることに安心し、俺は病室をあとにした。
そして帰りに雄大さんの家に寄ることにしたのだが・・・




「え・・・真那!?」



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