再婚相手は溺愛消防士!?二度と結婚しないと決めてたのに、どうしてこんなことに!

すずなり。

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デザイナーと初対面。

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ーーーーー

真那が行方不明になってから数日の時間が流れた。
今日は私、那智が朝から家を片付けていて大忙しだ。

「ほらほら真那?お昼寝する部屋は自分で片付けてね?今日は野崎さんが来る日なんだから。」
「のざきさん?」
「そうよ?ママのお仕事の人で、お姉さん。」
「!!・・・あい!」

せっかく来てくれるならきれいな家で迎えたいと思い、いろんな場所を拭いていく。
二階は糸くずや布の切れ端が多いことから、特に念入りにしないといけない。

「何時くらいに来るのかな?お昼過ぎくらいかな?」

車で来ることをこの前教えてもらった私は、この町にある来客用の駐車場の場所や家までの道のりを書いた地図を送っていた。
お互いに担当を通じての連絡になることから、声を聴くのも姿を見るのも今日が初めてになる。

「あっ、担当さんからメール来てる!・・・野崎さん、夕方くらいに到着予定だって!ちょっと時間に余裕ができたかも。」

庭掃除もできることに安心した私は、真那と一緒に片付けに励んだ。
お昼ごはんのときには圭吾さんが様子を見に来てくれ、仕事が終わったらまた来ると言って戻っていった。
そして日が傾き始めた15時に、彼女はやってきたのだ。

「遠いところをようこそ。デザイナーの野崎さん。」

真那が窓からずっと見ていたおかげで彼女の来訪に気がついた私。
先にドアを開けると、驚いた表情で立っている野崎さんがいたのだ。

「はっ・・初めまして・・!三井さん・・・で合ってますでしょうか・・・?」
「ふふ、合ってますよ。どうぞ?お入りください。」
「お・・・お邪魔します・・・!」

野崎さんとそのお連れの男性を家の中に招き入れ、テーブルに案内する。
二人は家の中をぐるっと見回していた。

「ちょっと狭いんですけど・・・どこでもお座りください。コーヒー淹れますけど飲めますか?」
「二人とも大丈夫です。」
「わかりました。ちょっとお待ちくだ・・・・」

そういったとき、真那が二人のあいだに立っているのが見えた。
私が気づいたのと同時に二人も気がついたようで・・・

「!?」
「へ!?」
「あ・・!こら真那!お客さまを驚かすんじゃありません!・・・すみません・・。」
「あ・・いや・・・。」
「お子さんがいらっしゃったんですか!?」
「えぇ。真那っていいます。ほら真那?ご挨拶は?」

そう聞くと真那は野崎さんと男性を交互に見上げた。
そして・・・

「みちゅいまなですっ・・・さんさいですっ。」

そう言ったのだ。

「かっ・・かわいい・・・っ!」

野崎さんは子どもの扱いを知っているのか、身をかがめて真那と同じ視線の高さになった。

「初めまして、野崎柚香です。真那ちゃん、ご挨拶できて偉いねぇ。」
「ゆーかちゃん?」
「きゃーっ!めちゃくちゃかわいいっ!」

野崎さんがそう言ってるとき、私はコーヒーを淹れにいった。
もう準備はできてあるから、あとは注ぐだけだ。
すると、真那が隣の男性を見上げたのが見えた。
まるで『誰?』と言わんばかりの圧力に、男性も話し始める。

「・・・初めまして、園田圭一です。よろしくね。」

物腰が柔らかそうな話し方に、真那は首を傾げた。

「けーたん?」

圭吾さんと名前が似ていることから混ざってしまったのか、真那が不思議そうな顔をしている。
私はコーヒーを入れたカップをトレイに乗せ、テーブルに運ぶ。

「真那、けーたんじゃないよ?けーたんは『圭吾さん』。そのお兄さんは『圭一さん』。」
「?」
「すみません、コーヒーをどうぞ。」

理解していない真那をおいて、私はテーブルにコーヒーカップを並べた。

「ありがとうございます。」
「ありがとうございますー。」
「ほら、真那はジュースね。」
「じゅーすっ。」

野崎さんと園田さんは席に座り、コーヒーカップに口をつけた。
その向かいに私が座って、改めて自己紹介をしていく。

「改めまして初めまして。三井那智といいます。いつも野崎さんのデザインを服にさせていただいてます。」
「こちらこそ初めまして。野崎柚香です。いつも私のデザインを服っていう形にしていただいて感謝してます。早速なんですけど・・・いろいろお聞きしてもいいですか?」
「ふふっ。えぇ、もちろん。」

私は野崎さんの質問に対して答えていった。

「紙に書いたデザインを服に起こすとき、気を付けてることってあるんですか?いつも私がこだわりたいところを的確に出してきてくれてるので・・・。」
「それは何度も書き直しされてる跡があるので、それをじっくり見てから・・・・。」
「なるほど・・・!じゃあこういうのは・・・・」
「あ、それはですね・・・・・。」

こうして私たちは話に夢中になっていったのだった。


ーーーーー


「那智ー、今日お客さんって言ってたけど来たかー?」

そう言って家に入った俺、圭吾は、那智とお客さんとの会話が弾んでいることから視線だけ合わせた。

「・・・っと、あ・・・こんばんは、いらっしゃい。」

そう言うと近くにいた男が話し始めたのだ。

「お邪魔しております。すみません、ちょっと話が盛り上がっちゃってるみたいで・・・。」

そう言った男は、今日のお客さん『野崎さん』の連れのようだった。
座っていて、足のあいだには真那が座ってる。

「あ、真那と遊んでくださっていたんですか?すみません・・・。」

絵本を持っていることから、きっと真那が『よんで』とねだったのだろう。

「いえ、ご主人のいらっしゃらない時にお邪魔してしまって、こちらこそすみません。」

『ご主人』という言葉に、俺は一瞬どきっとした。
普通に考えれば、俺がこの家に入ってきたのだからそう思っても仕方ないだろう。
でも、そう呼んでもらう資格は、まったくないのだ。

「・・・違うんです。」
「え?」
「俺は那智の旦那でもなければ真那の父親でもないんですよ。」
「そうなんですか?」
「はい。あ、俺、長谷川圭吾っていいます。そこの消防署で働いてます。」
「園田圭一です。よろしくお願いします。」

丁寧に自己紹介をしてくれた園田さんは、ユキくんから聞いていた通りの人だった。
でもこの姿は表向きらしく、『裏』があるのだとユキくんが言っていたことを思い出す。

「那智は半年ほど前にここに越してきたんです。3歳の真那を連れて、二人で・・・。」
「二人?ご主人は?」
「離婚してきたって言ってました。生まれつき喘息持ちの真那は都会の空気が合わず、常に病院通いだったそうなんですけど・・・那智の旦那がしょっと理解がないタイプの人だったみたいで・・・。」
「?・・・え、ならお二人のご関係は?友達・・・ではないですよね?」

家に普通に入ってきたことから気がついていたのか、園田さんは俺と那智を交互に見た。

「俺としては真那の父親になりたいと思っているんですけど・・なかなか言えなくて・・・那智はずっと『もう結婚はいい』と言ってまして・・・。」
「あー・・なるほど・・・・。」
「すみません、初対面なのにこんな話をしてしまって・・・あ、那智には内緒にしてくださいね?」
「わかりました。」

ユキくんから事前に聞いていたからか、つい喋ってしまった俺。
少し後悔しつつも那智のもとに行く。

「那智、雄大さんとこの奥さんに弁当頼むか?まだまだ話すだろう?」
「あ・・・!そうだね、お願いしてもいい?」
「オーケー。・・・デザイナーの野崎さんですよね?いつも那智がお世話になっております。」
「いえっ・・!野崎柚香と申します。初めまして・・・。」
「長谷川圭吾です。上に生地とか裁断の部屋があるんで、よかったら那智に案内してもらってください。晩御飯も用意するので食べて行ってくださいね。」
「!!・・・いえっ・・!そこまでお世話になるわけには・・・」
「遠方からって聞いてます。満足するまで話してくださいね。」
「す・・すみません・・。」

こうして予想通り雪華さんに弁当を頼むことになった。
俺は雄大さんに電話をかけながら外に出る。

「もしもし?予定通りになったんで、弁当お願いします。すぐ行きますんで。」

こうして俺はカフェに向かったのだった。

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