再婚相手は溺愛消防士!?二度と結婚しないと決めてたのに、どうしてこんなことに!

すずなり。

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助け。

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俺はそのまま、あるところに電話をかけた。
電話先は、胸ポケットから取り出した名刺に書かれてある、『園田圭一』だ。

(那智の前の旦那、とりあえず帰っていったけどまた来るかもしれない。園田さんの会社はデカいから、もしかしたら何か妨害できるかもしれないし・・・。)

この町に足を運ぶには、それなりに金が要る。
身なりから考えたら収入は多いほうとは言えなさそうだったことから、収入減を立てば来るに来れないのではないかと考えたのだ。
それに、自分が常に那智と真那の側にいることはできないし、可能性を一つずつ潰せば完全に諦める日が来るのではないかと思った。

(最悪の場合は警察に相談して接近禁止命令とか出してもらうってのがあるけど・・。)

法でどうにかなるのかも怪しいところだ。
真那を盾にされると、那智は折れるしかないだろう。

(そんなこと、させるもんか。)

そう考えているとき、電話が繋がった。

『もしもし?どちら様で?』
「あのっ・・・、野崎柚香さんのデザインを服にしている三井那智が住んでる町にいる長谷川です。覚えていますか?」
『!・・・もちろんですよ。その節はありがとうございました。』
「いえ。こちらこそありがとうございました。」
『で、どうされたんですか?』
「それが・・・ちょっと園田さんの力をお借りしたくて・・・。」

俺は園田さんに最近のことを話した。
那智が元旦那に復縁を迫られてることや、真那の父親であるということを盾にしていること。
俺や町の人たちがその男を追い返したものの、また来るかもしれないことを。

『・・・かなり迷惑な男ですね。』
「まぁ・・・。こっちはこっちで対処しているんですけど、来れないようにしたくて・・・。もしかしたら園田さんの会社の子会社で働いていないかなと思ったんです。細部までいくと、結構な規模の会社ですよね?」
『そうですねー・・・。従業員は何万人かいると思うんで、もしかしたらヒットするかもしれません。ヒットしたらどうします?解雇しましょうか?』
「いえ・・・!詳しい情報を教えて欲しいんです。その情報から、どうすればもう来なくなるかを考えようと思ってます。」

これは俺の問題だ。
少しだけ・・ほんの少しだけ助けてもらえたら、あとは自分でどうにかできるはずだ。

『・・・わかりました。調べがついたら折り返しお電話します。もし、仕事などで電話が取れなかった場合は掛けなおしてもらえますか?基本的にこちらはいつも出れると思いますので。』
「ありがとうございます。」
『あまり期待はしないでくださいね?うちの会社にいなかったら調べようがないので・・・。』
「それはもちろんです!」
『では。』

そう言って園田さんは電話を切ってしまった。

「?・・・那智の旦那の名前をまだ言ってなかったんだけど・・。」

情報のかけらもない状態では調べることは不可能だろう。
そのうち折り返してくるのを待つか、俺からかけるほうがいいのか悩んでいると、雄大さんの声が聞こえてきた。

「長谷川ーっ!錦田さんとこ、奥さんの調子悪いみたいだから救急車出してくれってー!行くぞー!!」
「!!・・・はい!すぐ行きます!」

仕事がひと段落してから電話を掛けなおすことにし、俺は仕事に向かったのだった。


ーーーーー


そして翌日の昼。
今まで園田さんからの電話はなかったことから、あの人もすぐ仕事が忙しくなったのかもしれない。
せめて名前だけでも伝えようと思い、俺はスマホの通話履歴を開いた。
そして、昨日かけた電話番号をタップしようとしたとき、ちょうどその電話番号から電話がかかってきたのだ。

(おぉ、ちょうどいいタイミング。)

そう思って俺は電話に出た。

「もしもし?」
『あ、長谷川さんですか?園田です。』
「お電話ありがとうございます。あれですよね?那智の旦那の名前とかですよね?ちょっと下の名前しかわからないんですけど・・・」

フルネームや、ほかの情報を那智に聞くこともできたけど、聞くと那智が変に勘ぐるだろう。
それは俺が望まないため、聞かなかったのだ。
どうしてもなときは、那智に相談したいと思っていたから。

『?・・下の名前?大介ですか?』
「え・・・?どうしてそれを?」
『調べがついたんですよ。本名は田野大介。住所は不定。仕事はアルバイトですね、女の家を転々としながら生活をしています。実家からは縁切りされていて、弟が一人います。その弟はちゃんと就職して家庭をもっています。』

園田さんは那智の前の旦那の情報をつらつらと話していった。
那智との出会いや結婚、真那が生まれて離婚するまでも詳細に調べ上げられていて、背筋が寒くなる感覚を覚えたほどだ。

『・・・と、まぁこんな感じでしょうかね。家族は調べなくていいかと思ったんですけど、どうします?』
「いやいやいや・・・!昨日の今日で調べれるものなんですか!?」
『野崎さんっていう立派な情報があるんで、すぐですよ。本当は今朝電話をしようと思ったんですけど、思ったより遅くに家をでたもので・・・。』

一体何者?と思いながらも、いただいた情報は無駄にできない。

「すみません、もう一度お願いします!今度はメモに取るので・・!」
『了解。あとでPDFも送っておきますね。』

園田さんが言う内容をメモに取り、そのあと送られてきたPDFも一通り目を通す。
そこでわかったのは、あの男が行く先を失ったために那智を食い物にしようとしてることだった。
家の場所がわかったのは、那智の仕事が関係していた。

(なるほど・・・。ネットから那智の会社を突き止め、服の発送元となってる家の住所を頼りにこの町に来たのか。で、服の売り上げをある程度計算して養ってもらう気で来たんだな。)

真那の父親という大義名分を掲げれば、那智が受け入れると思ったのだろう。

(何でもかんでも自分の思い通りに事が運ぶと思ったら大間違いだ。・・・でも、行く当てがないのならもう一度くらいは来るかもしれないな。)

そんなことを考えていると、電話の向こうで園田さんが

『・・・この件、ちょっと預からせてもらってもいいですか?』

と言ってきた。
預けてどうにかなるものなのかと思うものの、せっかくの好意を断る理由もない。

「それは大丈夫ですが・・・。」
『要は、そちらに行けないような環境を作ればいいってことですよね?』
「?・・・まぁ・・そうですね・・・?」
『なら、ちょっと策があります。もし、そちらに行くことがあれば連絡ください。ちょっといろいろしてみますので。』
「?・・・よろしくお願いします・・?」

よくわからないまま電話は切れ、俺は無音となったスマホをじっと見つめた。

「何をする気なんだろう・・・?」

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