救助隊との色恋はご自由に。

すずなり。

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出会い。

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ほたる「・・・私、なんでこんな状況下にいるの!?」









ーーーーーーーー






遡ること数時間。


家の近くのショッピングモールで買い物をしていた私、月城(つきしろ)ほたる。

今日は仕事が休みだから、新しい服を買いに来ていた。



ほたる「寒くなってきたからちょっと厚めな服が欲しいんだよねー。」



モールの中を、あっちこっち移動しながらたくさんの服を見て回る。



ほたる「うーん・・・さっき、上の階で見た服にしようかな。」


そう思って近くのエレベーターに向かった。

上行きのボタンを押して、エレベーターを待つ。

ふと、上を見上げると壁掛けの時計があった。

時刻は『11時50分』。



ほたる「あっ、もうお昼だ。服の前にごはんにしないと。」


たくさん歩いたからか、少し小腹も空いてきた。



到着したエレベーターに乗り込み、私は最上階のボタンを押した。



ほたる「ここのモール、フードコートは最上階なんだよね。」



誰も乗ってなかったエレベーター。

ぐんぐん上がっていく階表示を見つめていると、エレベーターが急に止まった。




ガコンっ・・・!



ほたる「?」




到着したのなら、ドアが開くはずなのに、その気配すらない。



ほたる「故障?・・・緊急連絡ボタン押した方がいい?」




悩みながらも私は、緊急連絡ボタンを押した。





ピーッ・・ピーッ・・ピーッ・・・




『はい、緊急受付です。』

ほたる「すみません、ドアが開かないみたいなんです。」

『少々お待ちください。・・・システムトラブルのようです。申し訳ありませんが、開けに参りますのでしばらくお待ちください。』

ほたる「・・・わかりました。」




トラブルなら仕方ないか。

私も仕事してる身だから文句を言うのは好きじゃない。

すぐに来るだろうと思って、私はドアが開くのを待つことにした。







ーーーーーーーー







1時間後・・・



ほたる「・・・遅くない?」


腕時計を見ると、『13時』になろうとしてる。

少し寒い季節にはなってきたけど、それは朝晩のこと。

昼間はまだ暑い。

密室のエレベーターにクーラーはなく、だんだん蒸し暑くなってきた。




ほたる「あつい・・・お腹すいた・・・。」




私はエレベーターの床に座り込んで、まだ開かないドアを見つめていた。



ほたる「このまま開かなかったらどうしよう・・・。」


もう1回緊急連絡ボタンを押すかどうか悩んだとき、外から声が聞こえてきた。




香川 純弥(かがわ じゅんや)「・・・誰かいますか!?」



外からの声に私は必死に答えた。



ほたる「(きたっ!)・・・いますっ。いますっ!」

純弥「!!・・・要救助者発見!」



ほたる(・・・要救助者?・・・まさか・・・。)




機械を使ってエレベーターのドアがこじ開けられていく。



ガコッ・・・!ガンガンッ!ギギー・・・!




ほたる「あ・・・。」

純弥「いたっ!大丈夫ですか!?」



ドアを開けてくれたのはエレベーターの会社の人じゃなかった。

私に手を差し伸べてくれた人は・・・




純弥「天河(あまかわ)消防署の香川です。お名前言えますか?」




やっばり消防関係の人だ・・・!



ほたる「月城・・・ほたる。」

純弥「歩けますか?」

ほたる「はい・・・。」



立ちあがって、ドアをくぐろうとしたとき、足元がふらついた。



ほたる「ぅわ・・・っ。」

純弥「ーーっ!大丈夫ですか?」




がしっと、たくましい腕に支えられ、一瞬ドキッとした。




ほたる「・・・大丈夫です。」

純弥「・・・少し顔色が悪いようなので・・・失礼します。」

ほたる「え?・・・きゃあっ!?」



救助隊の人は、私を姫抱きにして運びだした。



ほたる「あの・・っ、下ろしてくださいっ。」

純弥「じゃあ近くの椅子まで。」



救助隊の人は、私を近くの椅子に座らせてくれた。




純弥「体調の悪いところとかないですか?」

ほたる「・・・ないです。」

純弥「・・・ほんとに?」



救助隊の人の視線が、私の顔からお腹のあたりに移った。



純弥「さっきから・・・お腹を押さえてますけど?」

ほたる「ーーーっ。これはっ・・・その・・・」

純弥「?」

ほたる「・・・おなかが空いて。」




私の発言に、救助隊の人は笑いだした。



純弥「くっ・・・ははっ・・・。」

ほたる「~~~っ。」



恥ずかしすぎて顔から火がでそうだ。



純弥「ちょっと待ってて?」



そういうと、救助隊の人は走ってどこかに行ってしまった。




ほたる(待っとく・・・んだよね?)



よくわからない状況になり、不安になる中、数分で救助隊の人が帰ってきた。



純弥「これ、俺のだけどよかったらどうぞ。」








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