2 / 16
現在の彩。
しおりを挟む
ーーーーー
ーーーーー
翌朝。
目が覚めた朝6時に家の食堂に向かうとそこに・・彩がいた。
「あ、ゆうちゃん、おはよー。」
「!?・・・は!?彩!?」
さも当たり前かのように食堂の椅子に座っていた彩。
料理番の『トオル』が鼻歌を歌いながら彩に朝飯を運んできたのだ。
「彩ちゃーんっ、トオルくん特製のサンドイッチよーっ!」
「わぁ、すごいーっ。」
彩の前に置かれた皿には4種類のサンドイッチが乗っていた。
厚焼き玉子、照り焼きチキン、ハムサラダ、それにフルーツサンドだ。
「全部トオルくんが作ったの?」
「そうよ?朝から彩ちゃんが来てくれて、トオルくん、張り切っちゃったわ!」
「えへへ、いただきまーす。」
彩はフルーツサンドを手に取り、ぱくっとかぶりついた。
想像通りの味だったのか、はたまた想像以上の味だったのか、目を輝かせてる。
「おいしいっ!」
「そう?よかったわ、いっぱい食べてね?」
「うんっ。」
「かわいいわねぇー。」
トオルは新しいおもちゃでも手に入れたかのように嬉しそうに彩を見つめながらキッチンに戻っていった。
そして俺用のコーヒーが入ったマグカップを彩の隣の席に置いた。
「はい、ゆうちゃんのコーヒーよ?」
「・・・さんきゅ。」
席に着き、濃い目のブラックコーヒーに口をつける。
すると彩が手にサンドイッチを持ったまま俺のことをじっと見ていたのだ。
「どした?」
「・・・ゆうちゃん、そんな苦いのよく飲めるねぇ。」
「お前は飲めそうにないな。」
隣に住んでいた時はよく甘い紅茶を飲んでいた彩。
ケーキなんかも好きで、フルーツがたくさん乗ってるのをしばらく眺めていたことが記憶にあった。
「飲めないよ?牛乳が一番好きかなぁ?」
「牛乳・・・子供か。」
「もう大学生だから子供じゃないもん。」
そう言って彩はぱくっとサンドイッチを口に入れた。
「・・・大学!?お前が!?」
「?・・そうだよ?」
「え・・どこの・・・」
まさか彩が大学に通ってると思ってなかった俺は心底驚いた。
成績自体悪い方じゃ無かった記憶はあったものの、ちゃんと学生生活が遅れてるのか疑問に思ったのだ。
電車に乗ったりバスに乗ったりも苦手で、彩がちゃんと通えてるか不安に思った。
でも彩の発言に、俺は合点がいくことになった。
「九条大学。」
「!?・・・うちの大学!?」
うちは手広く事業をしてる。
飲食を始めとして、建設、造園、宿泊・・・。
その中の一つに大学があるのだ。
「ゆうちゃんの大学なの?」
首をかしげながら聞いてきた彩。
俺はコーヒーを啜りながら当たり障りのない説明をした。
「うちは金出してるだけだ。」
「へぇー。」
「学部が多いだろ?『学』はあったほうがいいからうちの金で学部を増やさせてるんだよ。」
学べる時間は限られてる。
その限られた時間で学びたいことを全て学べるようにと幅広い学部がうちの大学の売りなのだ。
「彩は美術だろ?」
芸術分野も幅が広いうちの大学。
彩なら美術学部で輝かしい成績を収めてそうだった。
「え?経営学部だよ?」
その言葉に俺はコーヒーを吹き出した。
「ごほっ・・!ごほっ!!・・は!?経営学部!?」
「なーんちゃって。美術学部だよー。」
にこにこ笑いながら言う彩。
俺はどうやら嵌められたようだ。
「お前・・・・」
「だってゆうちゃん、私のことなんでも当てるんだもん。」
ぷぃっと顔を背けるようにして彩はまたサンドイッチを一口かじった。
その拗ね方は昔のままで・・・俺は思わず笑ってしまった。
「・・・ははっ。」
「?・・・あっ、私、大学に行かないといけない時間だから帰るね?トオルくん、ごちそうさまでした。」
残りのサンドイッチを口に放り込み、もぐもぐと口を動かしながら彩は食器を下げに行った。
そしてスタスタと歩いて玄関に向いていく姿を見送ってると、トオルがニヤニヤしながら口を開いた。
「・・・ふふ、幼馴染の女の子、大人になってかわいくなったとか思ってるんじゃないのー?」
そう言われ、俺はマグカップに残っていたコーヒーを一気に流し込んだ。
「んなわけねーだろ。」
「あらあら、どうかしらー?」
ガラガラと玄関の引き戸を開ける音が聞こえてくる。
そして彩の気配が遠くなっていったあと、トオルはキッチンに戻っていった。
そして空になったマグカップを見つめながら、俺は小声で呟いた。
「・・彩は昔も今も可愛いんだよ。」
そう言って俺は食堂を後にしたのだった。
ーーーーー
ーーーーー
翌朝。
目が覚めた朝6時に家の食堂に向かうとそこに・・彩がいた。
「あ、ゆうちゃん、おはよー。」
「!?・・・は!?彩!?」
さも当たり前かのように食堂の椅子に座っていた彩。
料理番の『トオル』が鼻歌を歌いながら彩に朝飯を運んできたのだ。
「彩ちゃーんっ、トオルくん特製のサンドイッチよーっ!」
「わぁ、すごいーっ。」
彩の前に置かれた皿には4種類のサンドイッチが乗っていた。
厚焼き玉子、照り焼きチキン、ハムサラダ、それにフルーツサンドだ。
「全部トオルくんが作ったの?」
「そうよ?朝から彩ちゃんが来てくれて、トオルくん、張り切っちゃったわ!」
「えへへ、いただきまーす。」
彩はフルーツサンドを手に取り、ぱくっとかぶりついた。
想像通りの味だったのか、はたまた想像以上の味だったのか、目を輝かせてる。
「おいしいっ!」
「そう?よかったわ、いっぱい食べてね?」
「うんっ。」
「かわいいわねぇー。」
トオルは新しいおもちゃでも手に入れたかのように嬉しそうに彩を見つめながらキッチンに戻っていった。
そして俺用のコーヒーが入ったマグカップを彩の隣の席に置いた。
「はい、ゆうちゃんのコーヒーよ?」
「・・・さんきゅ。」
席に着き、濃い目のブラックコーヒーに口をつける。
すると彩が手にサンドイッチを持ったまま俺のことをじっと見ていたのだ。
「どした?」
「・・・ゆうちゃん、そんな苦いのよく飲めるねぇ。」
「お前は飲めそうにないな。」
隣に住んでいた時はよく甘い紅茶を飲んでいた彩。
ケーキなんかも好きで、フルーツがたくさん乗ってるのをしばらく眺めていたことが記憶にあった。
「飲めないよ?牛乳が一番好きかなぁ?」
「牛乳・・・子供か。」
「もう大学生だから子供じゃないもん。」
そう言って彩はぱくっとサンドイッチを口に入れた。
「・・・大学!?お前が!?」
「?・・そうだよ?」
「え・・どこの・・・」
まさか彩が大学に通ってると思ってなかった俺は心底驚いた。
成績自体悪い方じゃ無かった記憶はあったものの、ちゃんと学生生活が遅れてるのか疑問に思ったのだ。
電車に乗ったりバスに乗ったりも苦手で、彩がちゃんと通えてるか不安に思った。
でも彩の発言に、俺は合点がいくことになった。
「九条大学。」
「!?・・・うちの大学!?」
うちは手広く事業をしてる。
飲食を始めとして、建設、造園、宿泊・・・。
その中の一つに大学があるのだ。
「ゆうちゃんの大学なの?」
首をかしげながら聞いてきた彩。
俺はコーヒーを啜りながら当たり障りのない説明をした。
「うちは金出してるだけだ。」
「へぇー。」
「学部が多いだろ?『学』はあったほうがいいからうちの金で学部を増やさせてるんだよ。」
学べる時間は限られてる。
その限られた時間で学びたいことを全て学べるようにと幅広い学部がうちの大学の売りなのだ。
「彩は美術だろ?」
芸術分野も幅が広いうちの大学。
彩なら美術学部で輝かしい成績を収めてそうだった。
「え?経営学部だよ?」
その言葉に俺はコーヒーを吹き出した。
「ごほっ・・!ごほっ!!・・は!?経営学部!?」
「なーんちゃって。美術学部だよー。」
にこにこ笑いながら言う彩。
俺はどうやら嵌められたようだ。
「お前・・・・」
「だってゆうちゃん、私のことなんでも当てるんだもん。」
ぷぃっと顔を背けるようにして彩はまたサンドイッチを一口かじった。
その拗ね方は昔のままで・・・俺は思わず笑ってしまった。
「・・・ははっ。」
「?・・・あっ、私、大学に行かないといけない時間だから帰るね?トオルくん、ごちそうさまでした。」
残りのサンドイッチを口に放り込み、もぐもぐと口を動かしながら彩は食器を下げに行った。
そしてスタスタと歩いて玄関に向いていく姿を見送ってると、トオルがニヤニヤしながら口を開いた。
「・・・ふふ、幼馴染の女の子、大人になってかわいくなったとか思ってるんじゃないのー?」
そう言われ、俺はマグカップに残っていたコーヒーを一気に流し込んだ。
「んなわけねーだろ。」
「あらあら、どうかしらー?」
ガラガラと玄関の引き戸を開ける音が聞こえてくる。
そして彩の気配が遠くなっていったあと、トオルはキッチンに戻っていった。
そして空になったマグカップを見つめながら、俺は小声で呟いた。
「・・彩は昔も今も可愛いんだよ。」
そう言って俺は食堂を後にしたのだった。
ーーーーー
73
あなたにおすすめの小説
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
萎んだ花が開くとき
陽花紫
恋愛
かつては美しく、男たちの愛から逃げていたクレアはいつしか四十を過ぎていた。華々しい社交界を退き、下町に身を寄せていたところある青年と再会を果たす。
それはかつて泣いていた、小さな少年ライアンであった。ライアンはクレアに向けて「結婚してください」と伝える。しかしクレアは、その愛に向き合えずにいた。自らの身はもう、枯れてしまっているのだと。
本編は小説家になろうにも掲載中です。
罰ゲームで告白されたはずなのに、再会した元カレがヤンデレ化していたのですが
星咲ユキノ
恋愛
三原菜々香(25)は、初恋相手に罰ゲームで告白されたトラウマのせいで、恋愛に消極的になっていた。ある日、職場の先輩に連れていかれた合コンで、その初恋相手の吉川遥希(25)と再会するが、何故かヤンデレ化していて…。
1話完結です。
遥希視点、追記しました。(2025.1.20)
ムーンライトノベルズにも掲載しています。
初色に囲われた秘書は、蜜色の秘処を暴かれる
ささゆき細雪
恋愛
樹理にはかつてひとまわり年上の婚約者がいた。けれど樹理は彼ではなく彼についてくる母親違いの弟の方に恋をしていた。
だが、高校一年生のときにとつぜん幼い頃からの婚約を破棄され、兄弟と逢うこともなくなってしまう。
あれから十年、中小企業の社長をしている父親の秘書として結婚から逃げるように働いていた樹理のもとにあらわれたのは……
幼馴染で初恋の彼が新社長になって、専属秘書にご指名ですか!?
これは、両片想いでゆるふわオフィスラブなひしょひしょばなし。
※ムーンライトノベルズで開催された「昼と夜の勝負服企画」参加作品です。他サイトにも掲載中。
「Grand Duo * グラン・デュオ ―シューベルトは初恋花嫁を諦めない―」で当て馬だった紡の弟が今回のヒーローです(未読でもぜんぜん問題ないです)。
年上幼馴染の一途な執着愛
青花美来
恋愛
二股をかけられた挙句フラれた夕姫は、ある年の大晦日に兄の親友であり幼馴染の日向と再会した。
一途すぎるほどに一途な日向との、身体の関係から始まる溺愛ラブストーリー。
【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!
satomi
恋愛
昼夜問わずに働く18才の主人公南ユキ。
働けども働けどもその収入は両親に搾取されるだけ…。睡眠時間だって2時間程度しかないのに、それでもまだ働き口を増やせと言う両親。
早朝のバイトで頭は朦朧としていたけれど、そんな時にうちにやってきたのは白虎商事CEOの白川大雄さん。ポーンっと25億で私を買っていった。
そんな大雄さん、白虎商事のCEOとは別に白虎組組長の顔を持っていて、私に『姐』になれとのこと。
大丈夫なのかなぁ?
鬼上官と、深夜のオフィス
99
恋愛
「このままでは女としての潤いがないまま、生涯を終えてしまうのではないか。」
間もなく30歳となる私は、そんな焦燥感に駆られて婚活アプリを使ってデートの約束を取り付けた。
けれどある日の残業中、アプリを操作しているところを会社の同僚の「鬼上官」こと佐久間君に見られてしまい……?
「婚活アプリで相手を探すくらいだったら、俺を相手にすりゃいい話じゃないですか。」
鬼上官な同僚に翻弄される、深夜のオフィスでの出来事。
※性的な事柄をモチーフとしていますが
その描写は薄いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる