異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?

すずなり。

文字の大きさ
31 / 61

いろんな意味でハジメテ。

しおりを挟む
どさっ・・・!


「ん?」


物音がして視線をうつすと、アイビーが本を落としていた。

落としたにも関わらず微動だにしない。


「・・・寝たか?」


立ち上がり、アイビーを覗き込むと目を閉じてすぅすぅと眠ってる姿が目に入る。


「本読んでると眠くなるんだよなー。」


落ちた本を取り、本棚に戻す。

近くに置いてあった大判のタオルをアイビーにそっとかけた。


「顔ちっちゃ・・・。」


俺の手のひらくらいしかない顔に、目や鼻や口がある。

白い顔にほんのり赤い頬。

長いまつ毛がきれいだった。


「こんなちっちゃい顔であんなに感情を表現するんだもんな・・・すごいよな。」


ころころと表情が変わるアイビー。

嬉しいときは嬉しそうに笑い、不思議に思ってるときはほんとに不思議そうな顔をする。

泣いてる顔はダリアが死んだときが最後だと思うけど・・・おもわず抱きしめたくなるくらいだった。


「守りたいってあんな時に思うんだろうな。」


泣かせたくない。

ずっと微笑んでいて欲しい。

そんなことを思いながら俺はアイビーの髪の毛に触れた。

柔らかく、細い髪の毛。

金色にきらきらと輝くのをただ見つめていた。


「・・・好きだ。アイビー。」


そう言った時、アイビーの目がぱちっと開いた。


「お?起きたか?」

「~~~っ。」


顔を真っ赤にして自分の腕で顔を隠したアイビー。

俺は思わずその手を取った。


「なんで隠すんだ?」


そう聞くとアイビーは掠れるような声で言った。


「・・・優しくしないで・・。」

「え?」

「聞いたんでしょ・・?シャガから・・前の世界のこと・・・。」


目を少し潤ませながら話をするのは、俺が知ってる18歳のアイビーじゃなかった。

『涼花』だ。

屈託のない笑顔を見せるのもアイビーであり、涼花だけど・・・『今』話してるのはアイビーじゃなかった。


「それは前の『男』のことか?」

「・・・。」

「そんな酷いやつだったのか?」

「・・・酷いって言うか・・・その人しか知らないの。髪の毛なんか優しく触られたことないし、そんな目で見られたこともない。だから優しくされると困るの!」


この世界じゃ男が女を大事にするのは当たり前。

でも涼花の世界じゃそうじゃなかったらしい。

なら戸惑うのも仕方のないこと・・・。


「でも俺はお前が欲しい。」

「!?」

「側にいてくれるなら・・・その男のこと忘れさせてやる。」

「・・・へ!?」


俺はアイビーの隣に寝ころんだ。

大きいクッションはアイビーだけなら余裕で寝れるけど、俺も一緒になると少しはみ出る。


「来い。」

「わっ・・・!」


アイビーの身体をぐぃっと引き寄せ、抱きしめた。


「ちょ・・!?」

「俺のことが嫌いならもう二度と来るな。少しでも俺に希望があるなら・・・拒むな。」


最初こそは身体に力が入っていたアイビーだったけど、それも時間が過ぎると俺に身体を預け始めてきた。

小さな手を俺の身体に乗せてぎゅっと抱きついてきてる。


「好きだ・・・。口づけていいか・・・?」


そう言ってアイビーの顎をすくった。

そのまま顔を近づけると・・・アイビーはぎゅっと目を閉じた。


「いいんだな・・?」


何も言わないアイビーの唇に、そっと自分の唇を重ねた。


「んっ・・・。」

「・・・そんな声出すな。抑えられなくなる。」


思ってたよりも甘い声を漏らしたアイビーを抱きしめなおした。

自分の子供が欲しくて誰かと婚姻関係にあったときもあったけど・・・アイビーは他の女とは違うような気がした。


(何て言うか・・・壊しそう・・・。)


今まで抱いた女は・・・

『早くして』とか『もういい?』とかよく口にしてた。

そんな女しか知らなかったけど・・・アイビーの甘い声に『もっと聞きたい』という欲求が生まれてくる。


「もうちょっとだけ・・・いいか・・?」



俺の言葉にアイビーはぎゅっと俺の服を握った。

その瞬間、俺の中にある糸がぷつんと切れる音が聞こえた。


『もっと食べたい。』


アイビーの顎を指で掴み、口を割らせる。

小さくできた唇の隙間に・・・舌を滑り込ませた。


「んぅ・・・」

(なんだこれ・・・せま・・・温か・・。)


ちゅくちゅくと口の中を食べてる。

アイビーの・・・口の中を。


(もっと・・・もっと・・・。)


アイビーの応え方が上手いのか、何度も何度も舌を絡めさせた。

くちゅくちゅと水音が聞こえる中で、必死に俺の服を握るアイビーが可愛すぎて息ができないくらいに口づけを繰り返した。


ちゅ・・ちゅちゅ・・ちゅぱっ・・・



「ニゲラっ・・・んーっ・・!」


バシバシと肩を叩かれ、俺は唇を離した。

ちゅぱっと音を立てて離れた唇からは、名残惜しむように銀糸が伝ってる。



「はぁっ・・はぁっ・・・」

「あー・・・もっと口づけてたい・・・。お前、月のモノはまだか?」

「ま・・まだ・・・」

「まぁ、俺も耳飾り作ってないしな・・。柄だけ見せてもらうぞ。」


そう言ってアイビーの左側の髪の毛をかき上げ、耳飾りを見た。


「へぇ・・。」


髪飾りの柄を覚えたところで髪の毛を下ろした。

アイビーはまだ息が整わないのか肩で息をしてる。


「月のモノが終わったら来い。右耳に・・・深い青の耳飾りつけてやるからな。」

「~~~~っ!?」



アイビーはそのあと顔を赤らめたまま帰っていった。

あのまま家に着いたらシャガに問われることは間違いなさそうだ。


「さて・・・俺は耳飾りを作りに行くか。」





ーーーーー


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』

透子(とおるこ)
恋愛
身長185cmの女子大生・三浦ヨウコ。 「ちっちゃくて可愛い女の子に、私もなってみたい……」 そんな密かな願望を抱えながら、今日もバイト帰りにクタクタになっていた――はずが! 突然現れたテンションMAXの女神ルミエールに「今度はこの子に決〜めた☆」と宣言され、理由もなく異世界に強制転移!? 気づけば、森の中で虫に囲まれ、何もわからずパニック状態! けれど、そこは“3メートル超えの巨人たち”が暮らす世界で―― 「なんて可憐な子なんだ……!」 ……え、私が“ちっちゃくて可愛い”枠!? これは、背が高すぎて自信が持てなかった女子大生が、異世界でまさかのモテ無双(?)!? ちょっと変わった視点で描く、逆転系・異世界ラブコメ、ここに開幕☆

獣人の世界に落ちたら最底辺の弱者で、生きるの大変だけど保護者がイケオジで最強っぽい。

真麻一花
恋愛
私は十歳の時、獣が支配する世界へと落ちてきた。 狼の群れに襲われたところに現れたのは、一頭の巨大な狼。そのとき私は、殺されるのを覚悟した。 私を拾ったのは、獣人らしくないのに町を支配する最強の獣人だった。 なんとか生きてる。 でも、この世界で、私は最低辺の弱者。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

【完結】うっかり異世界召喚されましたが騎士様が過保護すぎます!

雨宮羽那
恋愛
 いきなり神子様と呼ばれるようになってしまった女子高生×過保護気味な騎士のラブストーリー。 ◇◇◇◇  私、立花葵(たちばなあおい)は普通の高校二年生。  元気よく始業式に向かっていたはずなのに、うっかり神様とぶつかってしまったらしく、異世界へ飛ばされてしまいました!  気がつくと神殿にいた私を『神子様』と呼んで出迎えてくれたのは、爽やかなイケメン騎士様!?  元の世界に戻れるまで騎士様が守ってくれることになったけど……。この騎士様、過保護すぎます!  だけどこの騎士様、何やら秘密があるようで――。 ◇◇◇◇ ※過去に同名タイトルで途中まで連載していましたが、連載再開にあたり設定に大幅変更があったため、加筆どころか書き直してます。 ※アルファポリス先行公開。 ※表紙はAIにより作成したものです。

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜

恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。 右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。 そんな乙女ゲームのようなお話。

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!

桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。 「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。 異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。 初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!

処理中です...