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第12話 殺される!家族でも恐怖を抱いた瞬間
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格別な美男子のハリーだが壮絶に頭が悪いのでアリスの言葉を理解できなかった。嘘をついていると姉から言われてもどうして?という思いで、不思議そうな顔をして首をかしげ正面に座っている姉を見つめた。
「ハリーわからないの?」
「うん。嘘って言われても……わかんないよ」
アリスの言葉に知らない振りを決め込む。だがこの時ハリーは内心驚いたが、表面に見せてないだけで息が詰まるほど焦っていた。
アリスも弟がこんなにも人間味のない男で、同時に異常すぎる二重人格者だとは思わなくて顔がこわばっている。フローラからハリーの裏の顔を聞かされているので不安に襲われる。
「私フローラに会ったの」
「へ?」
下唇を軽く噛んで拳をぎゅっと握ったアリスは決意して言った。ハリーは思わず間抜けな声をあげる。
「だから全部分かってるからね」
「なにが?」
「まだとぼけるつもり?フローラとあなたの会話を聞いたのよ」
「えぇ!?ど、どうやって聞いたの?」
やはり生粋のサイコパスだと思って姉は寒気がする。次の瞬間ハリーが立ち上がってこちらに歩き始める。
「ハリー立たないで!止まって!それ以上近づいたらベルを鳴らして人を呼びますよ!」
二人は小さなテーブルを挟んで座っていた。ところが突然ハリーが何を思ったのか?アリスのほうに向かってきた。手のとどく程の距離なので即座に目と鼻の先まで来た。
アリスは右手を前に出してハリーに止まるように言うと、テーブルに乗っていたベルを持って注意を促した。弟に何をされるか分からないので、緊張した面持ちで背中に冷や汗が出ていた。
自分は目の前にいる男に殺されるかもしれない。姉がそう思うほど弟からは不気味な雰囲気が感じられた。笑顔なんだけど目が笑ってないというか?とにかく身の危険を感じた。
「アリス姉さんそんなに驚かないでよ。ちょっと隣で話したかっただけだからさ」
ハリーは溺愛している姉に冷たく突き放されて、まるで自分の事を化け物でも見るような感じで怖がられた。
呼び鈴を鳴らして外で待機しているメイドを呼ぶとまで言われてしまい、ハリーはさらなる衝撃が脳裏を突き抜けた。僕が何をしたんだ?そんな気持ちと悲しさで呼吸が重くなる。大好きなアリスお姉さんの警戒するような視線が痛い。
完全に犯罪者扱いされたハリーは精気を吸い取られたような顔で、絶望的な孤独感を味わい半ベソをかきながら席に戻ってきて腰をおろした。
「ハリーわからないの?」
「うん。嘘って言われても……わかんないよ」
アリスの言葉に知らない振りを決め込む。だがこの時ハリーは内心驚いたが、表面に見せてないだけで息が詰まるほど焦っていた。
アリスも弟がこんなにも人間味のない男で、同時に異常すぎる二重人格者だとは思わなくて顔がこわばっている。フローラからハリーの裏の顔を聞かされているので不安に襲われる。
「私フローラに会ったの」
「へ?」
下唇を軽く噛んで拳をぎゅっと握ったアリスは決意して言った。ハリーは思わず間抜けな声をあげる。
「だから全部分かってるからね」
「なにが?」
「まだとぼけるつもり?フローラとあなたの会話を聞いたのよ」
「えぇ!?ど、どうやって聞いたの?」
やはり生粋のサイコパスだと思って姉は寒気がする。次の瞬間ハリーが立ち上がってこちらに歩き始める。
「ハリー立たないで!止まって!それ以上近づいたらベルを鳴らして人を呼びますよ!」
二人は小さなテーブルを挟んで座っていた。ところが突然ハリーが何を思ったのか?アリスのほうに向かってきた。手のとどく程の距離なので即座に目と鼻の先まで来た。
アリスは右手を前に出してハリーに止まるように言うと、テーブルに乗っていたベルを持って注意を促した。弟に何をされるか分からないので、緊張した面持ちで背中に冷や汗が出ていた。
自分は目の前にいる男に殺されるかもしれない。姉がそう思うほど弟からは不気味な雰囲気が感じられた。笑顔なんだけど目が笑ってないというか?とにかく身の危険を感じた。
「アリス姉さんそんなに驚かないでよ。ちょっと隣で話したかっただけだからさ」
ハリーは溺愛している姉に冷たく突き放されて、まるで自分の事を化け物でも見るような感じで怖がられた。
呼び鈴を鳴らして外で待機しているメイドを呼ぶとまで言われてしまい、ハリーはさらなる衝撃が脳裏を突き抜けた。僕が何をしたんだ?そんな気持ちと悲しさで呼吸が重くなる。大好きなアリスお姉さんの警戒するような視線が痛い。
完全に犯罪者扱いされたハリーは精気を吸い取られたような顔で、絶望的な孤独感を味わい半ベソをかきながら席に戻ってきて腰をおろした。
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