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第11話
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「そんなことよりカミーユはどこにいる?」
ハリー殿下は何とも言えない感じがした。娘のカミーユが見当たらないので噛みつくような口調でオリビア夫人に問いただす。
「突然そんなに怒鳴らないで。カミーユならメイドにちゃんと見てもらっていますから安心してください」
「別にその必要はないだろう?」
「だからあなたとゆっくり話がしたいから」
「じゃあ早く言ってくれ」
「なんで冷たい態度なの?昔のあなたはもっと優しかった…」
「はぁ?1ヶ月も無視しといて何を言って…」
「それはごめんなさい。私も悪かったと思ってます。でもあなたも反省してほしい」
「僕が何を反省するんだ?」
「もういいから!かわいい妻が謝ったんだからあなたも許して最後くらい男らしく謝ったらどう?」
「何を勝手な理屈を言ってるんだ?」
「キィィーーーーーーーー!!」
「じゃあジョージのことはどうなんだ?」
「ジョージとは何もない!あなたがジョージのことをしつこく聞いて私を嫌な気持ちにさせたんだから仕方ないでしょ。だから今回はお互いに悪かったと反省しましょう」
追い詰められて開き直った態度をとったり動揺を隠せない血の気の引いた顔で半ばヒステリーを起こし奇怪な叫び声を上げて忙しい気持ちの切り替えをする妻。
見えすいた嘘に変に遠まわしな浅ましいことを口にして自分を正当化するような言い訳を繰り返すオリビア夫人に夫は呆れるほかない。
挙げ句の果てには泣く振りをして目も当てられないほど懸命になって謝ったり言い逃れを始めるもハリー殿下は怒りの感情は既に忘れていた。
ひとしきり小ざかしい口から出まかせを聞くのにハリー殿下はうんざりした表情で妻の戯言を終わらす。
「オリビアの言いたいことは分かった」
「じゃあ今までのことは許してくれるの?」
「許すよ。ジョージとは何もないんだろ?」
「そうよ!」
オリビア夫人はハリー殿下から許すと伝えられると救われたような気持ちになり喜びを顔にみなぎらせて少しはしゃいだ口調で返す。
思わず夫に甘えるように抱きついて柔らかい唇で頬にキスをしたがハリー殿下は非常に気持ちが悪く感じて不快感は一気に頂点に達する。
「明日話そう」
「何で?」
「明日にオリビアの数週間の調査が完了して結果を報告してくれるんだ」
「え……?」
その瞬間、腰が砕けたように泣き崩れる妻はハリー殿下に差別視するような憎しみを含んだ瞳を向ける。
「卑怯者!やり方が汚い!妻を調査するなんて恥ずかしくないの?」
「他人の迷惑を考えない自分勝手なことを言うんだな…オリビアはいつ人格が変わってしまったんだ?」
「うるさい黙れ!最低な夫でみっともない!卑劣すぎて許せないーーーー!!あなたのそういう所が大嫌いなのよーーー!!」
オリビア夫人は充血して腫れ上がった瞳で狂った獣のようにいつまでも思うがままに王太子妃とは思えない下品な言葉を軽々しく口にして吠えまくっていた。
**********
新作『妹の婚約者が子供の時に好きだった人で誘惑すると、彼は妹に婚約破棄を告げた』の連載を始めました。
ハリー殿下は何とも言えない感じがした。娘のカミーユが見当たらないので噛みつくような口調でオリビア夫人に問いただす。
「突然そんなに怒鳴らないで。カミーユならメイドにちゃんと見てもらっていますから安心してください」
「別にその必要はないだろう?」
「だからあなたとゆっくり話がしたいから」
「じゃあ早く言ってくれ」
「なんで冷たい態度なの?昔のあなたはもっと優しかった…」
「はぁ?1ヶ月も無視しといて何を言って…」
「それはごめんなさい。私も悪かったと思ってます。でもあなたも反省してほしい」
「僕が何を反省するんだ?」
「もういいから!かわいい妻が謝ったんだからあなたも許して最後くらい男らしく謝ったらどう?」
「何を勝手な理屈を言ってるんだ?」
「キィィーーーーーーーー!!」
「じゃあジョージのことはどうなんだ?」
「ジョージとは何もない!あなたがジョージのことをしつこく聞いて私を嫌な気持ちにさせたんだから仕方ないでしょ。だから今回はお互いに悪かったと反省しましょう」
追い詰められて開き直った態度をとったり動揺を隠せない血の気の引いた顔で半ばヒステリーを起こし奇怪な叫び声を上げて忙しい気持ちの切り替えをする妻。
見えすいた嘘に変に遠まわしな浅ましいことを口にして自分を正当化するような言い訳を繰り返すオリビア夫人に夫は呆れるほかない。
挙げ句の果てには泣く振りをして目も当てられないほど懸命になって謝ったり言い逃れを始めるもハリー殿下は怒りの感情は既に忘れていた。
ひとしきり小ざかしい口から出まかせを聞くのにハリー殿下はうんざりした表情で妻の戯言を終わらす。
「オリビアの言いたいことは分かった」
「じゃあ今までのことは許してくれるの?」
「許すよ。ジョージとは何もないんだろ?」
「そうよ!」
オリビア夫人はハリー殿下から許すと伝えられると救われたような気持ちになり喜びを顔にみなぎらせて少しはしゃいだ口調で返す。
思わず夫に甘えるように抱きついて柔らかい唇で頬にキスをしたがハリー殿下は非常に気持ちが悪く感じて不快感は一気に頂点に達する。
「明日話そう」
「何で?」
「明日にオリビアの数週間の調査が完了して結果を報告してくれるんだ」
「え……?」
その瞬間、腰が砕けたように泣き崩れる妻はハリー殿下に差別視するような憎しみを含んだ瞳を向ける。
「卑怯者!やり方が汚い!妻を調査するなんて恥ずかしくないの?」
「他人の迷惑を考えない自分勝手なことを言うんだな…オリビアはいつ人格が変わってしまったんだ?」
「うるさい黙れ!最低な夫でみっともない!卑劣すぎて許せないーーーー!!あなたのそういう所が大嫌いなのよーーー!!」
オリビア夫人は充血して腫れ上がった瞳で狂った獣のようにいつまでも思うがままに王太子妃とは思えない下品な言葉を軽々しく口にして吠えまくっていた。
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新作『妹の婚約者が子供の時に好きだった人で誘惑すると、彼は妹に婚約破棄を告げた』の連載を始めました。
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