実家に帰ったら平民の子供に家を乗っ取られていた!両親も言いなりで欲しい物を何でも買い与える。

佐藤 美奈

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エマは相変わらず、抜け殻みたいな顔で存在を忘れるほど虫のように大人しい。

「リディアお嬢様この子はどういたしましょうか?」
「とりあえず邪魔にならない場所に運んで」

降参した子供のエマをメイド数人で移動させるのは造作もない。それぞれがエマの右腕に左腕に右足に左足を片手で持って、雑に扱うようなお手軽なやり方で出入口の方向に歩いて行く。

その時何かが床に落ちる音がした。きらりと光っていたのはネックレス。メイドの一人が拾いあげてリディアに渡す。

「これは私がお父様にいただいたネックレス……なんで?」

リディアは手に取った瞬間、無意識のまま口を滑らせる。金の鎖に複雑にカットされた宝石が真珠色に輝きを放つ華奢なネックレス。

リディアが10歳の誕生日の時に母に贈られた大切にしているネックレス。家族の幸せなひと時だったので忘れもしない思い出。

このネックレスは貧しい家庭には一筋縄では買えない高価な装身具。自分の部屋に置いて大事に保管してあるはずなのにどうして?リディアの脳裏に疑問が飛び交う。

「リディアお嬢様には申し上げにくいのですが……」
「知ってるなら話して」
「この子供は日常の生活はリディアお嬢様のお部屋で過ごしていました」
「信じられない……」

後ろ暗い気持ちが表情にあらわれているメイドが言う。聞けばリディアの部屋で寝起きしているらしい。エマが家に来てから3ヶ月以上が経過している。その間に部屋を勝手に物色したのは容易に想像がつく。


「これも私の……」

その時、リディアは疑惑を裏付ける証拠を発見する。先ほどまで隠れて見えなかったけど、今はエマが獣のようにじたばた暴れた後なので服装がみだれている。

さりげなく胸元で光るペンダント。気がついたらエマの首にかかっているアクセサリーに手をやり中を確認する。そのペンダントには裏蓋を開けると中に写真や薬などを入れる小さな空間があります。

リディアは家族の写真を入れていた記憶がよみがえりました。ペンダントのふたを開けてみると、頭の中が白紙になり、訳が分からず膝の震えが止まらない。

「お父様にお母様がどうして……?エマと一緒に……」
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