婚約者の家に行ったら幼馴染がいた。彼と親密すぎて婚約破棄したい。

第34話

「ボランティアに行きたい！」

最近は義理人情に厚いエリザベス。生まれながらにして彼女の素直な性格に惚れているジャックも喜んで賛同しました。

他にも本を読んだりして机に向かい勉強している。どうやら資格を取りたいらしく熱心に頭を働かせています。

その資格取得にジャックは正直に言うと、難しいだろうと思っていましたが無事に合格。天使のような可愛らしい笑顔ですごく嬉しそうに報告してきたのが印象的でした。

「エリザベスは偉いなあ」
「もっと褒めて！」
「いい子いい子してあげる」
「あははは」

ジャックは頭を撫でたり、抱いたりしてエリザベスを称賛する。言葉以上のものを感じて夫婦の信頼関係が一段と深まる。

エリザベスは普段からなんでもジャックに頼る。あれしてこれしてと子供みたいに甘えて振り回します。でもジャックは全然面倒に思いません。

自分がどんなに辛い時でも、愛情のある瞳で妻を見守り光のように包み込む。結婚を決意した瞬間にジャックは永遠の愛を胸の中で誓う。そして現在も立派にその誓いを守り通しています。


「これ美味しい！」
「フフフッ……」
「ジャック何笑ってるの？」
「エリザベスが純粋で可愛くて気持ちを抑えられなくてね」
「そう？私可愛い？」
「とてもチャーミングだよ」

ある日、二人で出かけて昼食をとるためにレストランに入る。それほど高級なところではないけど人気の店らしく人が溢れていた。

注文した料理が運ばれてきて食べていた時に、エリザベスが顔に喜色を浮かべて食事をほめる。ジャックも妻の素敵な笑顔に目尻を下げて柔和な笑顔になり心が和らぐ。

「ねえジャック」
「なに？」

その時、何か忘れかけていた記憶を思い出したような顔をして不意に切り出す。

「私この前資格取るために勉強してたでしょ」
「うん、それが？」
「その時に勉強を教えてもらっていた先生ね。私のこと絶対嫌いなのよ」
「そうなの？」
「何となくわかるの。嫌味ったらしい顔して『あなたは理解力が劣っています』って説教されたの」
「大変だったね……」

先日、エリザベスはある資格を得た。二人の胸は嬉しさではち切れそうで飛び上がって喜んだ。

ところが、エリザベスには不安要素があった。勉強を教えてもらうために招いた家庭教師の男性が不愉快に感じたらしい。

夫は会ったことがないのでどのような人物なのか分かりませんが、同意するように頷いて妻の気持ちを汲み取る。