婚約者の家に行ったら幼馴染がいた。彼と親密すぎて婚約破棄したい。

佐藤 美奈

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第35話

「仕事が休みに入ったから旅行に行こう」
「やったー!」

可愛い妻のエリザベスは男心を掴むのが上手くいつも新鮮な笑顔。それを愛情のある目で受けとめるジャック。

ある日、長期の休みに入る。その間に旅行に行くことになり計画を立てていた。相談してる時に移動に半日くらいかかると言うとエリザベスは不満そう。

逆にジャックは、馬車の中で休んだり会話したりすればいいと説得する。だが妻は、怖いから嫌と答えるのです。

理由を尋ねると、馬車に長時間乗るのが問題だった。乗り物酔いに苦しむのが嫌なだけでした。でも急に可愛く思えてきて、こいつは僕が守らなきゃとジャックは胸の中で思う。

「なんかこの頃は怖い夢を見るの」
「そうなの?大丈夫?」
「うん、ジャックと一緒に寝たら平気」

最近はエリザベスの体調が悪いようでジャックも心配していました。今はどちらかというと暖かい季節なのに、夜になると何故か寒くて凍るという。

そして寝る時になるとジャックのことを抱き枕みたいに、怖いとつぶやき涙目になりながら抱きついてくる。ただ甘えているだけかと思いましたが違った。

実はこのところ、エリザベスは趣味で怖い内容の舞台鑑賞にハマっている。夜にそのことを思い出していた。ジャックは聞いた時は開いた口が塞がらなかったが、天使のような可愛い妻なので何でも許してしまい、仕方ないなという感じで苦笑いする。


「ジャック久しぶりだな」
「どうも……」
「そんな顔するなよ。それよりまだ私のことを恨んでいるのかな?」
「いえ、そんなことはありませんけど……」

いつもの道を歩いていたら、エリザベスの父のカインに声をかけられる。ジャックは待ち伏せしてたのだろうと感じました。

カインは前妻のヴィクトリアと離婚して、その時ジャックと婚約していたクロエと結婚した。カインはジャックの恋人を奪った相手。

何年も前のことなので、脳から消滅していたと思っていたのに、つらい記憶が思い出される。今はもう吹っ切れていてカインに対してどす黒い憎悪はない。

だけど当時は言いようのない悔しさが胸に渦巻いていました。結局、一番大事なのはクロエの気持ちです。彼女がカインと結婚したいと答えた時は、自分達は永遠に両想いで好きだと思っていたのに絶望する。

しかし彼女から恋愛感情が無くなったと言われたら、彼はどうすることもできない。理不尽な理由でもジャックは納得して諦めるしか選択がありません。

その結果、高額な慰謝料も払ってもらい、ジャックの家の借金を全額返してもらうなどカインは並大抵ではない償いをした。

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