5 / 17
5 マリアの本性
しおりを挟む
「僕とマリアの関係に嫉妬してマリアを亡き者にしようと計画していたそうだな」
「私はそんなこと知りません……」
「言い訳をするな!元婚約者だからお前の気持ちも少しは理解できる。突然マリアに婚約者と聖女の座を奪われて頭がおかしくなるのも仕方ないだろう」
ガブリエルの身勝手な言い分にクロエは呆れ果てる。一方的な見方で、マリアの意見に疑問を持たないで頭から信じてかかっている。
考えて見れば……?クロエは頭をよぎる。普通に歩いていたらマリアが充血した目で凄い勢いで走ってきて、そのまま通り過ぎたかと思えば窓から飛び降りた。
ところが、都合のいいことに何故か?下にマットが丁重に敷いてあったため大事に至らずにすむ。
マリアはその出来事を内密にガブリエルに報告する。あるまじきことだがクロエに背中を押されて、自分は突き落とされ殺されかけたと泣き叫びながら打ち明けたのが真相。
「他にはマリアの大切にしているネックレスを無理やり奪って壊したり……」
「ネックレス……?身に覚えがございませんが……?」
「とぼけた顔でしらばっくれるな!」
マリアのネックレスを壊した?やはりクロエは心当たりがない。異議をとなえると誤魔化そうとするなと反射的に大声で怒りをぶつけられる。
その上マリアは隣で、いい気味だという顔をして性分の悪い微笑みを口元に浮かべています。クロエは手に取るように分かる。一連の出来事はマリアのでっち上げなのだと……。
「マリアそうだよね?」
「その通りです。私の御祖母様から贈られて愛用していました。でもそのネックレスを貸してと言われて……私の中で重要な物なので当然断りましたが強引に取られて……繰り返しお願いしたら返してもらったのですが……うっ……」
「マリア辛かったね。ここからは僕に任せてほしい」
「はい……」
「性格の歪んだ女め、僕の掛け替えのない存在のマリアに何度涙を流させれば気が済むのだ!」
マリアはガブリエルの前では、しおらしい穏やかな態度を演じていますが、彼をたらし込むための仮面に過ぎない。
猫かぶりをしているマリアの化けの皮の下を見抜けない頭の発達が幼稚な彼は、マリアが絶対的に正しいと思い込み同情せずにいられないという気持ちになるのです。
「私はそんなこと知りません……」
「言い訳をするな!元婚約者だからお前の気持ちも少しは理解できる。突然マリアに婚約者と聖女の座を奪われて頭がおかしくなるのも仕方ないだろう」
ガブリエルの身勝手な言い分にクロエは呆れ果てる。一方的な見方で、マリアの意見に疑問を持たないで頭から信じてかかっている。
考えて見れば……?クロエは頭をよぎる。普通に歩いていたらマリアが充血した目で凄い勢いで走ってきて、そのまま通り過ぎたかと思えば窓から飛び降りた。
ところが、都合のいいことに何故か?下にマットが丁重に敷いてあったため大事に至らずにすむ。
マリアはその出来事を内密にガブリエルに報告する。あるまじきことだがクロエに背中を押されて、自分は突き落とされ殺されかけたと泣き叫びながら打ち明けたのが真相。
「他にはマリアの大切にしているネックレスを無理やり奪って壊したり……」
「ネックレス……?身に覚えがございませんが……?」
「とぼけた顔でしらばっくれるな!」
マリアのネックレスを壊した?やはりクロエは心当たりがない。異議をとなえると誤魔化そうとするなと反射的に大声で怒りをぶつけられる。
その上マリアは隣で、いい気味だという顔をして性分の悪い微笑みを口元に浮かべています。クロエは手に取るように分かる。一連の出来事はマリアのでっち上げなのだと……。
「マリアそうだよね?」
「その通りです。私の御祖母様から贈られて愛用していました。でもそのネックレスを貸してと言われて……私の中で重要な物なので当然断りましたが強引に取られて……繰り返しお願いしたら返してもらったのですが……うっ……」
「マリア辛かったね。ここからは僕に任せてほしい」
「はい……」
「性格の歪んだ女め、僕の掛け替えのない存在のマリアに何度涙を流させれば気が済むのだ!」
マリアはガブリエルの前では、しおらしい穏やかな態度を演じていますが、彼をたらし込むための仮面に過ぎない。
猫かぶりをしているマリアの化けの皮の下を見抜けない頭の発達が幼稚な彼は、マリアが絶対的に正しいと思い込み同情せずにいられないという気持ちになるのです。
5
あなたにおすすめの小説
平民だからと婚約破棄された聖女は、実は公爵家の人間でした。復縁を迫られましたが、お断りします。
木山楽斗
恋愛
私の名前は、セレンティナ・ウォズエ。アルベニア王国の聖女である。
私は、伯爵家の三男であるドルバル・オルデニア様と婚約していた。しかし、ある時、平民だからという理由で、婚約破棄することになった。
それを特に気にすることもなく、私は聖女の仕事に戻っていた。元々、勝手に決められた婚約だったため、特に問題なかったのだ。
そんな時、公爵家の次男であるロクス・ヴァンデイン様が私を訪ねて来た。
そして私は、ロクス様から衝撃的なことを告げられる。なんでも、私は公爵家の人間の血を引いているらしいのだ。
という訳で、私は公爵家の人間になった。
そんな私に、ドルバル様が婚約破棄は間違いだったと言ってきた。私が公爵家の人間であるから復縁したいと思っているようだ。
しかし、今更そんなことを言われて復縁しようなどとは思えない。そんな勝手な論は、許されないのである。
※この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「アルファポリス」にも掲載しています。
姉妹同然に育った幼馴染に裏切られて悪役令嬢にされた私、地方領主の嫁からやり直します
しろいるか
恋愛
第一王子との婚約が決まり、王室で暮らしていた私。でも、幼馴染で姉妹同然に育ってきた使用人に裏切られ、私は王子から婚約解消を叩きつけられ、王室からも追い出されてしまった。
失意のうち、私は遠い縁戚の地方領主に引き取られる。
そこで知らされたのは、裏切った使用人についての真実だった……!
悪役令嬢にされた少女が挑む、やり直しストーリー。
殿下、幼馴染の令嬢を大事にしたい貴方の恋愛ごっこにはもう愛想が尽きました。
和泉鷹央
恋愛
雪国の祖国を冬の猛威から守るために、聖女カトリーナは病床にふせっていた。
女神様の結界を張り、国を温暖な気候にするためには何か犠牲がいる。
聖女の健康が、その犠牲となっていた。
そんな生活をして十年近く。
カトリーナの許嫁にして幼馴染の王太子ルディは婚約破棄をしたいと言い出した。
その理由はカトリーナを救うためだという。
だが本当はもう一人の幼馴染、フレンヌを王妃に迎えるために、彼らが仕組んだ計略だった――。
他の投稿サイトでも投稿しています。
婚約者が妹と結婚したいと言ってきたので、私は身を引こうと決めました
日下奈緒
恋愛
アーリンは皇太子・クリフと婚約をし幸せな生活をしていた。
だがある日、クリフが妹のセシリーと結婚したいと言ってきた。
もしかして、婚約破棄⁉
神のいとし子は追放された私でした〜異母妹を選んだ王太子様、今のお気持ちは如何ですか?〜
星井ゆの花(星里有乃)
恋愛
「アメリアお姉様は、私達の幸せを考えて、自ら身を引いてくださいました」
「オレは……王太子としてではなく、一人の男としてアメリアの妹、聖女レティアへの真実の愛に目覚めたのだ!」
(レティアったら、何を血迷っているの……だって貴女本当は、霊感なんてこれっぽっちも無いじゃない!)
美貌の聖女レティアとは対照的に、とにかく目立たない姉のアメリア。しかし、地味に装っているアメリアこそが、この国の神のいとし子なのだが、悪魔と契約した妹レティアはついに姉を追放してしまう。
やがて、神のいとし子の祈りが届かなくなった国は災いが増え、聖女の力を隠さなくなったアメリアに救いの手を求めるが……。
* 2025年10月25日、外編全17話投稿済み。第二部準備中です。
* ヒロインアメリアの相手役が第1章は精霊ラルド、第2章からは隣国の王子アッシュに切り替わります。最終章に該当する黄昏の章で、それぞれの関係性を決着させています。
* この作品は小説家になろうさんとアルファポリスさんに投稿しております。
* ブクマ、感想、ありがとうございます。
現聖女ですが、王太子妃様が聖女になりたいというので、故郷に戻って結婚しようと思います。
和泉鷹央
恋愛
聖女は十年しか生きられない。
この悲しい運命を変えるため、ライラは聖女になるときに精霊王と二つの契約をした。
それは期間満了後に始まる約束だったけど――
一つ……一度、死んだあと蘇生し、王太子の側室として本来の寿命で死ぬまで尽くすこと。
二つ……王太子が国王となったとき、国民が苦しむ政治をしないように側で支えること。
ライラはこの契約を承諾する。
十年後。
あと半月でライラの寿命が尽きるという頃、王太子妃ハンナが聖女になりたいと言い出した。
そして、王太子は聖女が農民出身で王族に相応しくないから、婚約破棄をすると言う。
こんな王族の為に、死ぬのは嫌だな……王太子妃様にあとを任せて、村に戻り幼馴染の彼と結婚しよう。
そう思い、ライラは聖女をやめることにした。
他の投稿サイトでも掲載しています。
聖女をぶん殴った女が妻になった。「貴女を愛することはありません」と言ったら、「はい、知ってます」と言われた。
下菊みこと
恋愛
主人公は、聖女をぶん殴った女を妻に迎えた。迎えたというか、強制的にそうなった。幼馴染を愛する主人公は、「貴女を愛することはありません」というが、返答は予想外のもの。
この結婚の先に、幸せはあるだろうか?
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる