聖女の魔力を失い国が崩壊。婚約破棄したら、彼と幼馴染が事故死した。

佐藤 美奈

文字の大きさ
6 / 17

6 お揃いのバカップル

しおりを挟む
「これが証拠だ!その汚れた瞳でよく見てみろ!粉々に破壊されたネックレスの痛ましい姿を!」

見識が狭いガブリエルはクロエが罪人だと決めつけて、マリアの壊されたネックレスを証拠として意気揚々と提出しましたが、こんなものは何の裏付けにもならない。

見たことも触れたこともないのでネックレスにクロエの指紋もついていないし、実際にはマリアが自分自身で破壊の限りを尽くしたのです。

全てはガブリエルの気を引いて、善人であるクロエの評判を落とすためのマリアの邪悪な腹黒い陰謀でした。

「もういいの!ガブリエル彼女を許してあげて!」
「こんな小悪魔にまで哀れみを感じて愛を与えるというのか?」
「はい、許します。その人も可哀想……ガブリエルに捨てられて毎日心に不満を抱えていたのでしょう」
「マリア……君はなんて優しい子だ。ひょっとして女神の生まれ変わりなのか……?」

マリアはネックレスの破片を一つ手に取ると、損傷したネックレスを労わるように胸に押し当てて、次に顔を両手で覆って本物の涙を出すくらいの勢いで女優ばりの泣き真似を開始しました。

その出で立ちにガブリエルは胸を貫かれ感動が押し寄せる。そしてクロエに同情の涙を流し、慈悲を与えるマリアを褒めちぎるのです。


「マリア好きだ……」
「ガブリエル私もよ……」

また見つめ合い熱々ムードになる。今にも抱き合わんばかりの素振りになって、二人だけの世界に入り込んでしまう自由奔放なカップル。

すぐそばにいるクロエは険しい顔つきになり、胸の奥が徐々に冷えていく。でも愚かな二人は激しい情欲が湧いて彼女のことに気付く事ができないのです。

やはり興奮度が高まって我慢ができなかったらしい。衝撃的な接触を取り始めました。遊びみたいな軽い口付けではなく、お互いに満足できなくて、むさぼり続ける長いキスを交わしていた。

「……おほんっ!あの……よろしいでしょうか?」

その間、クロエは咳払いをしたり呼びかけたりして自分はここにいますよ?と存在をアピールしていましたが、燃え上がってキスをしている二人には、全くもって効果がありませんでした。

キスが終わるまで切ない気持ちでクロエの周りだけは、空気が冷却していたのは言うまでもない。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

婚約破棄の日の夜に

夕景あき
恋愛
公爵令嬢ロージーは卒業パーティの日、金髪碧眼の第一王子に婚約破棄を言い渡された。第一王子の腕には、平民のティアラ嬢が抱かれていた。 ロージーが身に覚えのない罪で、第一王子に糾弾されたその時、守ってくれたのは第二王子だった。 そんな婚約破棄騒動があった日の夜に、どんでん返しが待っていた·····

妹のために犠牲になることを姉だから仕方ないで片付けないでください。

木山楽斗
恋愛
妹のリオーラは、幼い頃は病弱であった。両親はそんな妹を心配して、いつも甘やかしていた。 それはリオーラが健康体になってからも、続いていた。お医者様の言葉も聞かず、リオーラは病弱であると思い込んでいるのだ。 リオーラは、姉である私のことを侮っていた。 彼女は両親にわがままを言い、犠牲になるのはいつも私だった。妹はいつしか、私を苦しめることに重きを置くようになっていたのだ。 ある時私は、妹のわがままによって舞踏会に無理な日程で参加することになった。 そこで私は、クロード殿下と出会う。彼との出会いは、私の現状を変えていくことになるのだった。

姉妹同然に育った幼馴染に裏切られて悪役令嬢にされた私、地方領主の嫁からやり直します

しろいるか
恋愛
第一王子との婚約が決まり、王室で暮らしていた私。でも、幼馴染で姉妹同然に育ってきた使用人に裏切られ、私は王子から婚約解消を叩きつけられ、王室からも追い出されてしまった。 失意のうち、私は遠い縁戚の地方領主に引き取られる。 そこで知らされたのは、裏切った使用人についての真実だった……! 悪役令嬢にされた少女が挑む、やり直しストーリー。

虐げられたアンネマリーは逆転勝利する ~ 罪には罰を

柚屋志宇
恋愛
侯爵令嬢だったアンネマリーは、母の死後、後妻の命令で屋根裏部屋に押し込められ使用人より酷い生活をすることになった。 みすぼらしくなったアンネマリーは頼りにしていた婚約者クリストフに婚約破棄を宣言され、義妹イルザに婚約者までも奪われて絶望する。 虐げられ何もかも奪われたアンネマリーだが屋敷を脱出して立場を逆転させる。 ※小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。

婚約破棄はまだですか?─豊穣をもたらす伝説の公爵令嬢に転生したけど、王太子がなかなか婚約破棄してこない

nanahi
恋愛
火事のあと、私は王太子の婚約者:シンシア・ウォーレンに転生した。王国に豊穣をもたらすという伝説の黒髪黒眼の公爵令嬢だ。王太子は婚約者の私がいながら、男爵令嬢ケリーを愛していた。「王太子から婚約破棄されるパターンね」…私はつらい前世から解放された喜びから、破棄を進んで受け入れようと自由に振る舞っていた。ところが王太子はなかなか破棄を告げてこなくて…?

婚約者が不倫しても平気です~公爵令嬢は案外冷静~

岡暁舟
恋愛
公爵令嬢アンナの婚約者:スティーブンが不倫をして…でも、アンナは平気だった。そこに真実の愛がないことなんて、最初から分かっていたから。

なんでも思い通りにしないと気が済まない妹から逃げ出したい

木崎優
恋愛
「君には大変申し訳なく思っている」 私の婚約者はそう言って、心苦しそうに顔を歪めた。「私が悪いの」と言いながら瞳を潤ませている、私の妹アニエスの肩を抱きながら。 アニエスはいつだって私の前に立ちはだかった。 これまで何ひとつとして、私の思い通りになったことはない。すべてアニエスが決めて、両親はアニエスが言うことならと頷いた。 だからきっと、この婚約者の入れ替えも両親は快諾するのだろう。アニエスが決めたのなら間違いないからと。 もういい加減、妹から離れたい。 そう思った私は、魔術師の弟子ノエルに結婚を前提としたお付き合いを申し込んだ。互いに利のある契約として。 だけど弟子だと思ってたその人は実は魔術師で、しかも私を好きだったらしい。

堅実に働いてきた私を無能と切り捨てたのはあなた達ではありませんか。

木山楽斗
恋愛
聖女であるクレメリアは、謙虚な性格をしていた。 彼女は、自らの成果を誇示することもなく、淡々と仕事をこなしていたのだ。 そんな彼女を新たに国王となったアズガルトは軽んじていた。 彼女の能力は大したことはなく、何も成し遂げられない。そう判断して、彼はクレメリアをクビにした。 しかし、彼はすぐに実感することになる。クレメリアがどれ程重要だったのかを。彼女がいたからこそ、王国は成り立っていたのだ。 だが、気付いた時には既に遅かった。クレメリアは既に隣国に移っており、アズガルトからの要請など届かなかったのだ。

処理中です...