幼馴染の勇者パーティーから「無能で役立たず」と言われて追放された女性は特別な能力を持っている世界最強。

佐藤 美奈

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第4話

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ギルドに着くといつもより騒がしいことに気がついた。同じパーティーメンバーだろう数人の男女が、ギルド内の入り口のところで大声で叫んでいたのだ。

いませんか!」
「力を貸してください!」

付与術師はいないかと、必死に呼び掛けていて彼らの表情には余裕が無さそうです。付与術師のレベッカは、声を聞いてただちに反応して立ち止まったが、チラッと視線を向けただけで通り過ぎた。

昨日、パーティーを追放されて付与術師はと言われたことを引きずっていて、また心ない意見を浴びせられるのかと不安な気持ちにならざるをえなかった。クビを宣告されるまでは、それなりによい仕事をしていると思っていたから深く凹んでしまったのもある。

ここは王都ということもあり、このギルドの建物もかなり大きく朝なので掲示板けいじばんに張られた依頼を物色する冒険者が50人はいました。これからも人が来るし、あの人たちには誰かが話しかけるだろうと思いレベッカは掲示板に向かった。

「薬草採取さいしゅを取れた……」

何とか一番簡単な依頼を受けることができた。付与術師は対象に力を与える事で能力を上げるので、非戦闘員のレベッカは魔物の討伐依頼は倒せないから受けられません。そう思うと、やっぱり自分は皆に寄生していたのかと泣き出しそうな憂鬱ゆううつな表情になる。

と言っても薬草採りでも魔物がいる街の外に出なくてはならないので一人では無理だ。魔物と遭遇そうぐうする可能性を考えると自分には対処ができないから、ほとほと困ったという風に頭を抱えこむ。

明るい性格が取りのレベッカだったが、幼馴染たちの言った通りに自分は能力が非常におとっているのか?と悲しくなり肩を落として、椅子に腰を下ろし長いテーブルにひじをついていた。

「すみません!付与術師のかたどうか協力お願いします!」

助けを求める声で鼓膜こまくが震えて、ふと何気なく後ろを振り向くとまだ彼らは入口付近に残っていた。レベッカがギルドに着いて40分は経っていた。彼らはそれよりも前から、ああして付与術師を待っているのだろう。

付与術師は、この世界で職種だから、声をあげる人もいなかったらしい。その理由でパーティーメンバーにも付与術師の役割りを理解してもらえなかった。

彼らの顔には深い絶望が浮かんでいる。その時、何か話し合って諦めたのだろうか?4人の男女はこちら側に頭を下げて、ギルド内で騒いでいたことを詫びて外へ出て行こうとした。

「あの、私付与術師ですけど……」
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