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132話 「勧誘だったようで」
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「ま、待ってくれ! 違うんだ!」
「何ガ?」
ラヴィの剣呑な雰囲気を見て気づいた男たちは慌てた様子で手を上げ争う意思がない事を見せる。
そしてラヴィがいきなり襲い掛かかる事はないと見て刺激しない様に慎重に説明を始めるのであった。
「お、俺たちはあなたと同じ探索者です」
「それデ? 武器屋にヨウガある……ワケでは…ない、ダロウ?」
相変わらず喋りにくそうなラヴィであるが、言葉の意味は相手にはきっちり通じている。
彼らはブンブンと頭を縦に激しく降るとラヴィの後ろにいるリザートマン達を指さした。
「その、いま俺ら少し探索に行き詰ってて、ダンジョンの敵が強くて……それで優秀な前衛が欲しかったんです」
「フム」
そこまで聞いて槍をすっと下し先を顎で促すラヴィ。
槍から手を放す事はないが話は聞くだけ聞くつもりなのだろう。
「その、街でリザートマンが3人もいるって聞いて……もしかしてラヴィさんみたいに探索者になりに来たのかと思って」
「他のPTも勧誘に動き出そうとしてたし……俺たち先越されちゃまずいと思って……」
「少シマテ」
彼らに待つよう指示をだし、加賀とリザートマン達の元へと戻るラヴィ。
そして先ほどの話をリザートマン達へと伝えて行く。
「興味ないわけじゃ無いんすけど……」
「だってなあ……」
「ああ……」
ラヴィから話を聞いてもリザートマン達はあまり乗り気では無いようだ。
「何か理由があるんです? ちゃんと理由話しておかないと毎度街にくるたびに勧誘されちゃうかもですよ?」
ダンジョンに興味がないわけでは無いと言う事は他に断る理由があると言う事だ。
気になった加賀は今後の事も考え彼らにその理由を尋ねた。
それに対しリザートマン達は顔をお互い見合わせるとそろって口を開く。
言葉が分からない、と。
「あー……ですよねー、それじゃしょうがないよね……」
「すまんが加賀ちゃん、彼らに伝えてもらってもいいかい? ちょっと顎が付かれてきちゃって……」
「ほいほい」
気だるそうに顎をさするラヴィを見て彼らに伝える事を承諾した加賀、うーちゃんとアイネと共に彼らの元へと近寄っていく。
「あん? 何だ、見せもんじゃねーんだぞ……何か御用でしょうか」
近寄ってくる加賀に対し、じろりと睨みつけ追い返そうとする男たちであるが、すぐにへこへこしだす。
男の前に不意に現れたうーちゃんが某九尾ばりの目つきでガン見してたからである。
「うーちゃん、だめだって……なんかもう顔すごい事なってるし」
男にガンつけたままのうーちゃんをずりずりと引きずる加賀。
十分距離を取ったところでふぅと息を吐き、男たちに向けて先ほどの事を伝える。
「言葉通じないならなんでこの街に……」
「欲しいものがあったみたいですよ。通訳はラヴィがしますし」
「……そうか、分かったよ。言葉通じないならPT誘うのは無理そうだ……ほかの連中にも言っておくよ、迷惑かけてすまなかった」
ラヴィや加賀に頭を下げ、その場から去っていく男たち。
PTに勧誘して焦っていただけで、根は別に悪い連中ではないのだろう。
今も加賀達に近寄ろうとした他の勧誘目当ての連中を引き留め事情の説明をしているのが遠目に見える。
「勧誘とかあるんですねー」
「んー……今回はたまたまかなあ、ほらこいつらこの街に初めてくるわけだし。俺は他のPT入ってて加賀ん達はどうみても探索者じゃない」
「うんうん?」
「ようはどこにも所属してないフリーの可能性があるってわけだ、俺が言うのもなんだけど俺らの部族って前衛としてはかなり優秀だからさ勧誘できるならしたいんだろうさ」
つっても大抵言葉通じないけどな! と笑い飛ばすラヴィ。
加賀はリザートマン達の姿をまじまじと見て確かに、と思う。
人よりも巨大で力強く早い、それでいて全身を硬い鱗で覆われた戦士。間違いなく前衛としては優秀だ。
「……ここのダンジョンてそんなに難易度高いんですか?」
「高いね、高すぎるぐらいだよ。何せ1階層で下位とは言えドラゴン出るんだよ? 普通はありえないって」
「へー……」
「その分攻略しがいがあるんだけどなー……さっき見たいに駆け出しに毛が生えた連中にとってはきついかもな」
それを聞いてうーと唸る加賀。
恐らくであるが難易度が上がった原因は加賀の料理にあるのではないかと内心思っているのだ。
そしてその思いは恐らく正しい、加賀の料理でお腹いっぱい……ダンジョン再築に必要な魔力が限界ぎりぎりまで溜まったダンジョンコアはここぞとばかりに張り切ってダンジョンを作成したのだろう。
その結果がラヴィ等の高レベルの探索者でなければ1階層ですら手こずる高難易度ダンジョンの誕生だ。
「どったの?」
「ん……なんでもない、です」
「そう? ならいいんだけどさ」
今も時折こっそりと飯を炊かりにくるダンジョンコア。
宿に戻ったら皆に相談した後、今の話をダンジョンコアにして見ようと思う加賀であった。
「何ガ?」
ラヴィの剣呑な雰囲気を見て気づいた男たちは慌てた様子で手を上げ争う意思がない事を見せる。
そしてラヴィがいきなり襲い掛かかる事はないと見て刺激しない様に慎重に説明を始めるのであった。
「お、俺たちはあなたと同じ探索者です」
「それデ? 武器屋にヨウガある……ワケでは…ない、ダロウ?」
相変わらず喋りにくそうなラヴィであるが、言葉の意味は相手にはきっちり通じている。
彼らはブンブンと頭を縦に激しく降るとラヴィの後ろにいるリザートマン達を指さした。
「その、いま俺ら少し探索に行き詰ってて、ダンジョンの敵が強くて……それで優秀な前衛が欲しかったんです」
「フム」
そこまで聞いて槍をすっと下し先を顎で促すラヴィ。
槍から手を放す事はないが話は聞くだけ聞くつもりなのだろう。
「その、街でリザートマンが3人もいるって聞いて……もしかしてラヴィさんみたいに探索者になりに来たのかと思って」
「他のPTも勧誘に動き出そうとしてたし……俺たち先越されちゃまずいと思って……」
「少シマテ」
彼らに待つよう指示をだし、加賀とリザートマン達の元へと戻るラヴィ。
そして先ほどの話をリザートマン達へと伝えて行く。
「興味ないわけじゃ無いんすけど……」
「だってなあ……」
「ああ……」
ラヴィから話を聞いてもリザートマン達はあまり乗り気では無いようだ。
「何か理由があるんです? ちゃんと理由話しておかないと毎度街にくるたびに勧誘されちゃうかもですよ?」
ダンジョンに興味がないわけでは無いと言う事は他に断る理由があると言う事だ。
気になった加賀は今後の事も考え彼らにその理由を尋ねた。
それに対しリザートマン達は顔をお互い見合わせるとそろって口を開く。
言葉が分からない、と。
「あー……ですよねー、それじゃしょうがないよね……」
「すまんが加賀ちゃん、彼らに伝えてもらってもいいかい? ちょっと顎が付かれてきちゃって……」
「ほいほい」
気だるそうに顎をさするラヴィを見て彼らに伝える事を承諾した加賀、うーちゃんとアイネと共に彼らの元へと近寄っていく。
「あん? 何だ、見せもんじゃねーんだぞ……何か御用でしょうか」
近寄ってくる加賀に対し、じろりと睨みつけ追い返そうとする男たちであるが、すぐにへこへこしだす。
男の前に不意に現れたうーちゃんが某九尾ばりの目つきでガン見してたからである。
「うーちゃん、だめだって……なんかもう顔すごい事なってるし」
男にガンつけたままのうーちゃんをずりずりと引きずる加賀。
十分距離を取ったところでふぅと息を吐き、男たちに向けて先ほどの事を伝える。
「言葉通じないならなんでこの街に……」
「欲しいものがあったみたいですよ。通訳はラヴィがしますし」
「……そうか、分かったよ。言葉通じないならPT誘うのは無理そうだ……ほかの連中にも言っておくよ、迷惑かけてすまなかった」
ラヴィや加賀に頭を下げ、その場から去っていく男たち。
PTに勧誘して焦っていただけで、根は別に悪い連中ではないのだろう。
今も加賀達に近寄ろうとした他の勧誘目当ての連中を引き留め事情の説明をしているのが遠目に見える。
「勧誘とかあるんですねー」
「んー……今回はたまたまかなあ、ほらこいつらこの街に初めてくるわけだし。俺は他のPT入ってて加賀ん達はどうみても探索者じゃない」
「うんうん?」
「ようはどこにも所属してないフリーの可能性があるってわけだ、俺が言うのもなんだけど俺らの部族って前衛としてはかなり優秀だからさ勧誘できるならしたいんだろうさ」
つっても大抵言葉通じないけどな! と笑い飛ばすラヴィ。
加賀はリザートマン達の姿をまじまじと見て確かに、と思う。
人よりも巨大で力強く早い、それでいて全身を硬い鱗で覆われた戦士。間違いなく前衛としては優秀だ。
「……ここのダンジョンてそんなに難易度高いんですか?」
「高いね、高すぎるぐらいだよ。何せ1階層で下位とは言えドラゴン出るんだよ? 普通はありえないって」
「へー……」
「その分攻略しがいがあるんだけどなー……さっき見たいに駆け出しに毛が生えた連中にとってはきついかもな」
それを聞いてうーと唸る加賀。
恐らくであるが難易度が上がった原因は加賀の料理にあるのではないかと内心思っているのだ。
そしてその思いは恐らく正しい、加賀の料理でお腹いっぱい……ダンジョン再築に必要な魔力が限界ぎりぎりまで溜まったダンジョンコアはここぞとばかりに張り切ってダンジョンを作成したのだろう。
その結果がラヴィ等の高レベルの探索者でなければ1階層ですら手こずる高難易度ダンジョンの誕生だ。
「どったの?」
「ん……なんでもない、です」
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