162 / 332
160話 「割と好評らしいですよ?」
しおりを挟む
「なんか変わった匂いするっすね!」
「……そうかの?」
夕方になり宿の探索者達がちらほらと戻ってくる。
少し前まで食堂では従業員らがコーヒーを飲んでいたが、今となっては全て綺麗に片付けられている。
だが鼻の良いものは食堂に漂うコーヒーの残り香に気が付き鼻をひくひくと動かしていた。
「まあ、なんでもええわ。加賀ちゃんや腹が減ったで飯にしておくれ」
「はいはーい」
注文を受け次々と厨房から料理が運び出されテーブルの上へと並べられていった
何時も通りの豪勢な食事を前にした探索者達に遠慮などあるわけも無く運ばれてきた料理はテーブルに並べたそばから探索者達のお腹に納まっていく。
「ふぅ、今日も腹いっぱいだわい……ん? これはなんぞ?」
「あ、これっす。最初食堂に入ったとき匂いしてたの!」
「コーヒーっていう飲み物です。今日はいったばかりなんですよー」
探索者達の前に並べられていくコーヒーの入ったカップ。
もちろん中には砂糖が多めに入れられている。さきほどの味見にで砂糖を入れなければどうなるかしっかりと分かっているのだ。
「香りはええがの……ほっ、少し苦いが悪くないぞい」
「んー……俺はちょっと、苦手っす……え、牛乳っすか? ……あ、これならいける!」
砂糖を入れれば大抵の人はいけるのと苦手な人は牛乳を入れれば問題ない事がわかり少しほっとした表情を見せる加賀、もし皆が苦手となれば大量のコーヒー豆をどうするか頭を悩ます事になっただろう。
「……どうしたんじゃ?」
「……にっげぇ」
皆笑顔でコーヒーを堪能する中、一人だけものっすごく渋い顔をするものがいる。
今にも胃の中を吐きそうな雰囲気で手を振るわせながらコップの中身を凝視している。
それを見た加賀は何でもないような態度を装い近づいていった。
「ヒューゴさんがコーヒーだめでしたか。確かにちょっと苦みありますからねー」
「いた、これちょっとってレベルじゃないやろっ」
そう言ってカップをぐいと加賀に見せつけるヒューゴ。
飲んでみろと言う事だろう。加賀はぽりぽりと頬をかきコップを受け取ると中身をためらう事なく飲んでみせた。
「うん、ちょっと苦いけどいけるよー」
「う、うそだろおい……え、いや皆おかしい! なんで平気で飲んでんだっ!?」
皆が平気で飲むなか一人コーヒーが苦すぎて飲めないヒューゴ。
もちろん彼のコップには砂糖はいっさい入っているわけも無くブラックである。しかも結構濃い目の。
「慣れれば飲めるようになりますよー」
そう言って軽く手を振りヒューゴ達の席を後にする加賀。
ヒューゴが一人だけ砂糖の入ってないコーヒーを飲まされていた事に気が付くのは大分先になりそうである。
「……そうかの?」
夕方になり宿の探索者達がちらほらと戻ってくる。
少し前まで食堂では従業員らがコーヒーを飲んでいたが、今となっては全て綺麗に片付けられている。
だが鼻の良いものは食堂に漂うコーヒーの残り香に気が付き鼻をひくひくと動かしていた。
「まあ、なんでもええわ。加賀ちゃんや腹が減ったで飯にしておくれ」
「はいはーい」
注文を受け次々と厨房から料理が運び出されテーブルの上へと並べられていった
何時も通りの豪勢な食事を前にした探索者達に遠慮などあるわけも無く運ばれてきた料理はテーブルに並べたそばから探索者達のお腹に納まっていく。
「ふぅ、今日も腹いっぱいだわい……ん? これはなんぞ?」
「あ、これっす。最初食堂に入ったとき匂いしてたの!」
「コーヒーっていう飲み物です。今日はいったばかりなんですよー」
探索者達の前に並べられていくコーヒーの入ったカップ。
もちろん中には砂糖が多めに入れられている。さきほどの味見にで砂糖を入れなければどうなるかしっかりと分かっているのだ。
「香りはええがの……ほっ、少し苦いが悪くないぞい」
「んー……俺はちょっと、苦手っす……え、牛乳っすか? ……あ、これならいける!」
砂糖を入れれば大抵の人はいけるのと苦手な人は牛乳を入れれば問題ない事がわかり少しほっとした表情を見せる加賀、もし皆が苦手となれば大量のコーヒー豆をどうするか頭を悩ます事になっただろう。
「……どうしたんじゃ?」
「……にっげぇ」
皆笑顔でコーヒーを堪能する中、一人だけものっすごく渋い顔をするものがいる。
今にも胃の中を吐きそうな雰囲気で手を振るわせながらコップの中身を凝視している。
それを見た加賀は何でもないような態度を装い近づいていった。
「ヒューゴさんがコーヒーだめでしたか。確かにちょっと苦みありますからねー」
「いた、これちょっとってレベルじゃないやろっ」
そう言ってカップをぐいと加賀に見せつけるヒューゴ。
飲んでみろと言う事だろう。加賀はぽりぽりと頬をかきコップを受け取ると中身をためらう事なく飲んでみせた。
「うん、ちょっと苦いけどいけるよー」
「う、うそだろおい……え、いや皆おかしい! なんで平気で飲んでんだっ!?」
皆が平気で飲むなか一人コーヒーが苦すぎて飲めないヒューゴ。
もちろん彼のコップには砂糖はいっさい入っているわけも無くブラックである。しかも結構濃い目の。
「慣れれば飲めるようになりますよー」
そう言って軽く手を振りヒューゴ達の席を後にする加賀。
ヒューゴが一人だけ砂糖の入ってないコーヒーを飲まされていた事に気が付くのは大分先になりそうである。
10
あなたにおすすめの小説
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生小説家の華麗なる円満離婚計画
鈴木かなえ
ファンタジー
キルステン伯爵家の令嬢として生を受けたクラリッサには、日本人だった前世の記憶がある。
両親と弟には疎まれているクラリッサだが、異母妹マリアンネとその兄エルヴィンと三人で仲良く育ち、前世の記憶を利用して小説家として密かに活躍していた。
ある時、夜会に連れ出されたクラリッサは、弟にハメられて見知らぬ男に襲われそうになる。
その男を返り討ちにして、逃げ出そうとしたところで美貌の貴公子ヘンリックと出会った。
逞しく想像力豊かなクラリッサと、その家族三人の物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる