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254話 「休日の過ごし方3+4」
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日が傾くにつれ皆の酔いも次第に回ってくる。
最初は一応大人しく座っていた連中も酔ってテンションが上がると奇行に走り出す。
「だからっ! 俺、言ってやったんすよ! そのオムレツは俺のだって!」
テーブルに片足を乗せ決め顔で意味不明な事を叫ぶ者。
主にヒューゴであるが……普段なら怒られそうなその行為も、今は誰も咎めるものはいない。
それどころか笑い上戸の者でもいるのかあちこちから笑い声が上がる始末だ。
「わはは、そうかそうか……んぅ?お前さん……えっと名前なんだっけ?」
「ぶふぅっ」
「な、ま、え! 忘れられてるし! やべー受けるんですけどっ」
「……何このカオスな空間」
名前を忘れると言う大ボケをかますバクスに忘れられた当の本人はツボに入ったのか爆笑している。
そんなカオスな空間を前に帰宅した加賀達であったが目の前の光景を見てただ立ちすくんでいた。
「あの地面に散らばってるお酒全部空かしらね」
「バクスさんも八木もベロンベロンじゃん」
足の踏み場に困りそうな程に大量の瓶に樽が地面に転がっている。恐ろしいことにそれらは全て酒が入っていた容器である。
その場で酒盛りして者は一人の例外もなくべろんべろんに酔っぱらっていた。
「お! 加賀ちゃん、こっち来い!こっち!」
テーブルに足を掛けていたからだろうか、他よりも目線が高かったヒューゴが返ってきた加賀達を見つけて招きしながら声をかける。
「わー行きたくなーい」
あから様に酔っているその様子から一瞬逃げようかとも思った加賀であるが、逃げたら逃げたでそれはめんどくさそうと、しぶしぶ手招きする方へと近寄っていく。
「もー……なーに、ヒューゴさん」
「はい」
「ん?」
近寄ってきた加賀にぽんと何かを手渡すヒューゴ。
受け取ったかがはきょとんとした顔で渡された物を見つめている。
「お酌してよーお酌」
「わー……」
渡されたのはお酒であった。
ドン引きしながらもきっちりお酒はついであげる加賀。
きっと注がなかったら注がなかったでめんどくさそうとか考えているのだろう。
「おーっとっと」
「一杯一万リアになります」
「たっけぇー!」
一杯一万と言われ楽しそうに笑うヒューゴ。
何時だったか見た覚えのある光景に加賀は軽く息を吐くと立ち上がり、その場を離れて行く。
「もー、皆お酒はほどほどにねー?」
そう言って宿へと戻る加賀であるが、きっともう手遅れである。
「あっだまいだぁぃい……」
「だから言ったじゃん……」
そして翌日の朝、青い顔で頭を抱える男共に水を配って回る加賀。
予想通り飲み会に参加していた者は皆そろろって仲良く二日酔いになるのであった。
宿の客は皆出払い、静まり返った食堂にてソファーに寝そべりうとうとする加賀の姿があった。
「あふっ……」
「……眠そうだな」
大きくあくびをし眠たげに目をこする加賀。
話しかけるバクスも目をしばしばしている辺り眠たいのだろう。
「いあー……皆いないとやる事なくてねー」
「ふむ」
あたりを軽く見渡し顎に手を当てるバクス。
何時もなら夕食の仕込みだなんだで忙しいが今日は別だ。
ダンジョンの奥まで潜るということで泊る準備をして彼らは出ていった。帰ってくるのは明日の夕方以降だろう。
「そうだな……ならそこの暇そうなのと一緒に出掛けたらどうだ?」
「暇そうなの……ほんとだ暇そう」
バクスが顎で指した先にはテーブルにぐでっと寝そべる八木の姿があった。
どうも八木も仕事が休みで暇らしい。
「そんな訳でどっか行こっか?」
「うぇっ? い、いいけど」
急に声を掛けられはっとした様子で見を起こす八木。
特に断る理由もないので行くことにしたようだ。
「んで、どこ行くつもり? 街中? それとも外?」
「んー、外……かなあ」
「ふむ」
ごそごそと着替えながら会話する二人であるが、どこかに行くといっても目的は決まっていない。
なんとなく外にいく程度の様である。
「街中で特に用事ある所は無いしー」
「んー……森でもいってみる? 勿論精霊さんに護衛をお願いしてだけど」
「そだね……一応アイネさんにも声かけとこ。あ、お弁当用意するから八木はほかの準備おねがーい」
「へいよ」
森は二人が最初に降り立った場所である。
最初以外ではうーちゃんを回収にいった時ぐらいしか行っておらず、行くのはかなり久しぶりだ。
危険な生き物もせいぜいウォーボアあたりであり、精霊に護衛して貰えば問題はないだろう、だが最初に死にかけた事もあってそこは保険をかけておくようだ。
加賀はアイネに声を賭けに、八木は荷物の準備とそれぞれ行動を開始する。
「それじゃ、しゅっぱーつ」
「元気だねえ」
「何か珍しい食材あるかしら」
それぞれ荷物を持ち意気揚々と宿を出る3人。
目指すは東にある森の中、おそらく歩いて1時間もあれば到着する事だろう。
「お前どんだけ体力ないんだ……」
「ごめん……」
が、ちょっと加賀が持つには荷物が多すぎたらしい。
途中でへばると荷物はアイネが加賀は八木が背負って道を行くのであった。
最初は一応大人しく座っていた連中も酔ってテンションが上がると奇行に走り出す。
「だからっ! 俺、言ってやったんすよ! そのオムレツは俺のだって!」
テーブルに片足を乗せ決め顔で意味不明な事を叫ぶ者。
主にヒューゴであるが……普段なら怒られそうなその行為も、今は誰も咎めるものはいない。
それどころか笑い上戸の者でもいるのかあちこちから笑い声が上がる始末だ。
「わはは、そうかそうか……んぅ?お前さん……えっと名前なんだっけ?」
「ぶふぅっ」
「な、ま、え! 忘れられてるし! やべー受けるんですけどっ」
「……何このカオスな空間」
名前を忘れると言う大ボケをかますバクスに忘れられた当の本人はツボに入ったのか爆笑している。
そんなカオスな空間を前に帰宅した加賀達であったが目の前の光景を見てただ立ちすくんでいた。
「あの地面に散らばってるお酒全部空かしらね」
「バクスさんも八木もベロンベロンじゃん」
足の踏み場に困りそうな程に大量の瓶に樽が地面に転がっている。恐ろしいことにそれらは全て酒が入っていた容器である。
その場で酒盛りして者は一人の例外もなくべろんべろんに酔っぱらっていた。
「お! 加賀ちゃん、こっち来い!こっち!」
テーブルに足を掛けていたからだろうか、他よりも目線が高かったヒューゴが返ってきた加賀達を見つけて招きしながら声をかける。
「わー行きたくなーい」
あから様に酔っているその様子から一瞬逃げようかとも思った加賀であるが、逃げたら逃げたでそれはめんどくさそうと、しぶしぶ手招きする方へと近寄っていく。
「もー……なーに、ヒューゴさん」
「はい」
「ん?」
近寄ってきた加賀にぽんと何かを手渡すヒューゴ。
受け取ったかがはきょとんとした顔で渡された物を見つめている。
「お酌してよーお酌」
「わー……」
渡されたのはお酒であった。
ドン引きしながらもきっちりお酒はついであげる加賀。
きっと注がなかったら注がなかったでめんどくさそうとか考えているのだろう。
「おーっとっと」
「一杯一万リアになります」
「たっけぇー!」
一杯一万と言われ楽しそうに笑うヒューゴ。
何時だったか見た覚えのある光景に加賀は軽く息を吐くと立ち上がり、その場を離れて行く。
「もー、皆お酒はほどほどにねー?」
そう言って宿へと戻る加賀であるが、きっともう手遅れである。
「あっだまいだぁぃい……」
「だから言ったじゃん……」
そして翌日の朝、青い顔で頭を抱える男共に水を配って回る加賀。
予想通り飲み会に参加していた者は皆そろろって仲良く二日酔いになるのであった。
宿の客は皆出払い、静まり返った食堂にてソファーに寝そべりうとうとする加賀の姿があった。
「あふっ……」
「……眠そうだな」
大きくあくびをし眠たげに目をこする加賀。
話しかけるバクスも目をしばしばしている辺り眠たいのだろう。
「いあー……皆いないとやる事なくてねー」
「ふむ」
あたりを軽く見渡し顎に手を当てるバクス。
何時もなら夕食の仕込みだなんだで忙しいが今日は別だ。
ダンジョンの奥まで潜るということで泊る準備をして彼らは出ていった。帰ってくるのは明日の夕方以降だろう。
「そうだな……ならそこの暇そうなのと一緒に出掛けたらどうだ?」
「暇そうなの……ほんとだ暇そう」
バクスが顎で指した先にはテーブルにぐでっと寝そべる八木の姿があった。
どうも八木も仕事が休みで暇らしい。
「そんな訳でどっか行こっか?」
「うぇっ? い、いいけど」
急に声を掛けられはっとした様子で見を起こす八木。
特に断る理由もないので行くことにしたようだ。
「んで、どこ行くつもり? 街中? それとも外?」
「んー、外……かなあ」
「ふむ」
ごそごそと着替えながら会話する二人であるが、どこかに行くといっても目的は決まっていない。
なんとなく外にいく程度の様である。
「街中で特に用事ある所は無いしー」
「んー……森でもいってみる? 勿論精霊さんに護衛をお願いしてだけど」
「そだね……一応アイネさんにも声かけとこ。あ、お弁当用意するから八木はほかの準備おねがーい」
「へいよ」
森は二人が最初に降り立った場所である。
最初以外ではうーちゃんを回収にいった時ぐらいしか行っておらず、行くのはかなり久しぶりだ。
危険な生き物もせいぜいウォーボアあたりであり、精霊に護衛して貰えば問題はないだろう、だが最初に死にかけた事もあってそこは保険をかけておくようだ。
加賀はアイネに声を賭けに、八木は荷物の準備とそれぞれ行動を開始する。
「それじゃ、しゅっぱーつ」
「元気だねえ」
「何か珍しい食材あるかしら」
それぞれ荷物を持ち意気揚々と宿を出る3人。
目指すは東にある森の中、おそらく歩いて1時間もあれば到着する事だろう。
「お前どんだけ体力ないんだ……」
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