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20話 「隣のパン屋さん」
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早朝、空が白んできたとき、加賀の部屋の扉がノックされる。
ノックの音で目を覚ました加賀が寝ぼけ眼で返事をすると扉の外から声がする。
「加賀、そろそろパン屋が開く時間だ、朝食前に買いにいくが…おきれるか?」
「ふぁ~い…今いきます~…」
「……待ってるから顔洗ってこい。」
加賀が濡れた顔を布で拭きながら家へ戻ると、それに気づいたバクスが声をかける。
「おし、それじゃあ行くか。」
「は~い、どんなパン屋さんかなー楽しみ。」
「ふむ……まあ、実際見てもらったほうが早いな、ほれあれだ?」
「ほげ?」
加賀がバクスの指さした先を見るとそこには一軒のお店があった、窓から見える店内にはパンが並んでいるの見える。
通りにはパンが焼ける香ばしい匂いが漂っており、加賀が鼻をすんすん鳴らしていた。
「パンのいい匂いが…こんな近くにあったんだね、まさか家の目の前とはー…」
「ああ、近くて便利だぞ。何せ宿の食事は毎食パンだからな。」
そういって店へ入るバクス、ちりんちりんと鈴がなる音がし、店の中から店員のものと思しき声が響く。
「…おう、なんだバクスか。どうした?もうパンがなくなったのか?昨日かったばかりだと思ったが…」
「家に二人ほど客が居てな…オージアスにもギルドから展開あっただろ?」
「ああ、例の……そいつがそうか?」
そう言うとオージアスと呼ばれた男性はバクスに遅れて店に入ってきた加賀へと視線を向ける。
男はバクス並みの背丈にこれまたバクスに負けず劣らずとても鍛えられた体をしており、髪は銀色がかった灰色で、堀が深めの整った容姿をしている…が、その左の額から頬にかけてある大きな傷跡と氷を思わせるその鋭い目つきと三白眼の性でかなりの威圧感を発していた。
「あ、おはようござ…ぴっ!?」
現に男へと挨拶しようとしていた加賀は男と目が合った瞬間、思わず身をすくめ小さく悲鳴を上げてしまっていた。
「あー…オージアス、そいつは例の内の一人で名は加賀と言う、今日はパンについて聞きたいってんで連れてきた。」
「なるほど…オージアスだ、よろしくな嬢ちゃん。んでパンに聞きたいんだって?」
「すみません、驚いてしまって…加賀っていいます、パンと言うよりは使っている小麦粉について聞きたいことがありまして…あ、あとボク男です。」
「いや、慣れてるからな…てかすまん、普通に女だと思った。んで、小麦粉だったか?」
謝る加賀にオージアスも女と間違えた事を詫びるとややぶっきらぼうな感じで再び話を切り出した。
ちなみにバクスは加賀が男だと言うことを知らなかった事から変な顔をしてしまっている。
「はい、えっと…オージアスさんのパンを頂いたんですけど、すごく美味しくてですね」
「ふむ…それで?」
そう素気ない感じで返すオージアスだが、頬が若干ひくついているようだ、それを目ざとく見つけたバクスは付き合いの長さから、オージアスがパンの味を褒められた嬉しさから思わずにやけそうになっているのを必死に堪えている事が分かった。
「この辺で売っている小麦粉とは違う小麦粉を使っているんじゃないかと」
「あっ分っかるー!?」
加賀が小麦粉が違うと言った瞬間オージアスは満面の笑みを浮かべ急にキャラが変わったかのように話しはじめる。
「いやー、やっぱさどうせ作るなら美味しいの作りたいじゃん?だから小麦粉からこだわって作ってたんだけど…いやー嬉しいね!美味しいって言ってくれる人はいるんだけどねえ…あ、どのあたりで小麦粉が違うって思ったんだい?」
「え、えっと…」
オージアスの変貌ぶりに戸惑う加賀であったが、気を取り直すと先日小麦粉を買ったがあまり質の良い小麦粉ではなかった事、だがオージアスさんのパンは匂いと食感からふすまをきっちり取り除いた小麦粉を使っている事から普通に売っている小麦粉以外を使っていると思った事を伝える。
「おうおう嬉しいねえその辺分かってくるたー…んで君の話はあれかな、店で使ってる小麦粉が欲しいってとこかな。」
「ですです。普通に売ってるので料理作ってみたんですけど、やっぱ匂いとか気になっちゃって…」
オージアスは外見とは裏腹に話してみるとかなり話しやすく、良い人そうである事が分かった加賀。
最初は緊張していた感じで話していたが、今では普通に話せるようになっていた。
「なるほどなるほど…そうだなあ、小麦粉の事わかってくれたし…うん、少量でよければ分けてあげようじゃないか。」
「えっ良いんですか?もちろんボクとしてはすごくありがたいですけど…」
オージアスの提案は小麦粉をわざわざ店に買いに行かずに家のすぐ目の前で受け取れるのでとても有難いものであった。
加賀としては売っている場所さえ教えて貰えれば買いに行くつもりではあったが…その事を加賀が話すとオージアスはこう話した。
「実はな、その小麦粉は俺が挽いて作ったんだよ。何度も段階分けして挽くせいで時間かかって量は作れないんだけどな。ほかの連中も同じ方法でやりゃあパンが美味しくなるのはわかってるんだが何せ手間かかるし、その分高くなるしでやろうとする奴はあんま居ないんだよなあ……っと、すまねえ愚痴っぽくなっちまったな!」
オージアスはそう笑いながら話すと加賀ちょっと待ってなと言うと店の奥に入っていく。
奥でごそごそと物音がし、やがてオージアスが奥から戻ってくるとその手には一抱えほどある袋があった。
「ほらよ、こんだけあればしばらく持つだろ?なくなったらまた来るといい。」
「あ、ありがとうございますっ!」
小麦粉を受け取った加賀はオージアスに礼を言い、値段を尋ねる。
オージアスが加賀に伝えた値段は昨日加賀が購入した値段と変わらないものだった。手間がかかる分高くするべきでは?と尋ねる加賀にオージアスがその値段で良い、ただその代わり…と言って棚に陳列されていた籠を一つ手に取る。
ノックの音で目を覚ました加賀が寝ぼけ眼で返事をすると扉の外から声がする。
「加賀、そろそろパン屋が開く時間だ、朝食前に買いにいくが…おきれるか?」
「ふぁ~い…今いきます~…」
「……待ってるから顔洗ってこい。」
加賀が濡れた顔を布で拭きながら家へ戻ると、それに気づいたバクスが声をかける。
「おし、それじゃあ行くか。」
「は~い、どんなパン屋さんかなー楽しみ。」
「ふむ……まあ、実際見てもらったほうが早いな、ほれあれだ?」
「ほげ?」
加賀がバクスの指さした先を見るとそこには一軒のお店があった、窓から見える店内にはパンが並んでいるの見える。
通りにはパンが焼ける香ばしい匂いが漂っており、加賀が鼻をすんすん鳴らしていた。
「パンのいい匂いが…こんな近くにあったんだね、まさか家の目の前とはー…」
「ああ、近くて便利だぞ。何せ宿の食事は毎食パンだからな。」
そういって店へ入るバクス、ちりんちりんと鈴がなる音がし、店の中から店員のものと思しき声が響く。
「…おう、なんだバクスか。どうした?もうパンがなくなったのか?昨日かったばかりだと思ったが…」
「家に二人ほど客が居てな…オージアスにもギルドから展開あっただろ?」
「ああ、例の……そいつがそうか?」
そう言うとオージアスと呼ばれた男性はバクスに遅れて店に入ってきた加賀へと視線を向ける。
男はバクス並みの背丈にこれまたバクスに負けず劣らずとても鍛えられた体をしており、髪は銀色がかった灰色で、堀が深めの整った容姿をしている…が、その左の額から頬にかけてある大きな傷跡と氷を思わせるその鋭い目つきと三白眼の性でかなりの威圧感を発していた。
「あ、おはようござ…ぴっ!?」
現に男へと挨拶しようとしていた加賀は男と目が合った瞬間、思わず身をすくめ小さく悲鳴を上げてしまっていた。
「あー…オージアス、そいつは例の内の一人で名は加賀と言う、今日はパンについて聞きたいってんで連れてきた。」
「なるほど…オージアスだ、よろしくな嬢ちゃん。んでパンに聞きたいんだって?」
「すみません、驚いてしまって…加賀っていいます、パンと言うよりは使っている小麦粉について聞きたいことがありまして…あ、あとボク男です。」
「いや、慣れてるからな…てかすまん、普通に女だと思った。んで、小麦粉だったか?」
謝る加賀にオージアスも女と間違えた事を詫びるとややぶっきらぼうな感じで再び話を切り出した。
ちなみにバクスは加賀が男だと言うことを知らなかった事から変な顔をしてしまっている。
「はい、えっと…オージアスさんのパンを頂いたんですけど、すごく美味しくてですね」
「ふむ…それで?」
そう素気ない感じで返すオージアスだが、頬が若干ひくついているようだ、それを目ざとく見つけたバクスは付き合いの長さから、オージアスがパンの味を褒められた嬉しさから思わずにやけそうになっているのを必死に堪えている事が分かった。
「この辺で売っている小麦粉とは違う小麦粉を使っているんじゃないかと」
「あっ分っかるー!?」
加賀が小麦粉が違うと言った瞬間オージアスは満面の笑みを浮かべ急にキャラが変わったかのように話しはじめる。
「いやー、やっぱさどうせ作るなら美味しいの作りたいじゃん?だから小麦粉からこだわって作ってたんだけど…いやー嬉しいね!美味しいって言ってくれる人はいるんだけどねえ…あ、どのあたりで小麦粉が違うって思ったんだい?」
「え、えっと…」
オージアスの変貌ぶりに戸惑う加賀であったが、気を取り直すと先日小麦粉を買ったがあまり質の良い小麦粉ではなかった事、だがオージアスさんのパンは匂いと食感からふすまをきっちり取り除いた小麦粉を使っている事から普通に売っている小麦粉以外を使っていると思った事を伝える。
「おうおう嬉しいねえその辺分かってくるたー…んで君の話はあれかな、店で使ってる小麦粉が欲しいってとこかな。」
「ですです。普通に売ってるので料理作ってみたんですけど、やっぱ匂いとか気になっちゃって…」
オージアスは外見とは裏腹に話してみるとかなり話しやすく、良い人そうである事が分かった加賀。
最初は緊張していた感じで話していたが、今では普通に話せるようになっていた。
「なるほどなるほど…そうだなあ、小麦粉の事わかってくれたし…うん、少量でよければ分けてあげようじゃないか。」
「えっ良いんですか?もちろんボクとしてはすごくありがたいですけど…」
オージアスの提案は小麦粉をわざわざ店に買いに行かずに家のすぐ目の前で受け取れるのでとても有難いものであった。
加賀としては売っている場所さえ教えて貰えれば買いに行くつもりではあったが…その事を加賀が話すとオージアスはこう話した。
「実はな、その小麦粉は俺が挽いて作ったんだよ。何度も段階分けして挽くせいで時間かかって量は作れないんだけどな。ほかの連中も同じ方法でやりゃあパンが美味しくなるのはわかってるんだが何せ手間かかるし、その分高くなるしでやろうとする奴はあんま居ないんだよなあ……っと、すまねえ愚痴っぽくなっちまったな!」
オージアスはそう笑いながら話すと加賀ちょっと待ってなと言うと店の奥に入っていく。
奥でごそごそと物音がし、やがてオージアスが奥から戻ってくるとその手には一抱えほどある袋があった。
「ほらよ、こんだけあればしばらく持つだろ?なくなったらまた来るといい。」
「あ、ありがとうございますっ!」
小麦粉を受け取った加賀はオージアスに礼を言い、値段を尋ねる。
オージアスが加賀に伝えた値段は昨日加賀が購入した値段と変わらないものだった。手間がかかる分高くするべきでは?と尋ねる加賀にオージアスがその値段で良い、ただその代わり…と言って棚に陳列されていた籠を一つ手に取る。
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