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17. お祝い
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足の痛みはだいぶ引いて、歩くのにも少しだけ気をつけるだけで一人で歩けるようになった。
明日は卒業式だけれど、これなら参加出来るでしょう。
「お客様がいらっしゃいました。どうされますか?」
私は今日も部屋にいて本を読んでいた。オルガにそう言われ頭を上げると、窓から見える景色は赤く染まり始めており、いつの間にか夕方だったんだと気づいた。
「こんな時間に?どちら様?」
「ライナス様ですよ。」
「え!?」
自分でも、途端に顔が赤くなるのが分かった。
でも、素知らぬふりをして、オルガに言った。
「分かったわ。こちらにお通しして。」
私が応接室に行ってもいいけれど、少し時間も掛かってしまうし、以前も部屋に来てもらったしいいわよね。
ライナス様はあれから毎日お花を送ってくれた。
それも多分、ライナスのお屋敷に咲いている花やカンパニュラだと思う。
それを見ていると、昔の事を思い出す。優しかったライナス様と、お兄様と一緒に仲良く遊んでいた日々。
早くライナス様に会いたい、ライナス様のお屋敷に行きたいと思うようになっている自分がいた。
「オリーフィア。怪我の具合はどうだ?外にもあまり出られないだろう?庭園にいる気分になれるかと思ってな。贈り物は気に入ってもらえただろうか。」
そう言って、ライナス様は部屋に入って来て下さった。
私は、自分が座っている近くのソファを促し、ライナス様に座ってもらった。
「ライナス様、ありがとうございます。毎日送っていただきまして、昔を思い出しておりました。」
「そうか…そうだな。あの頃のようにまた、オリーフィアの心を俺にさらけ出して欲しい。王妃とまではいかないが、公爵夫人もまた他者への振る舞いに気を配らないといけないだろう。だが、俺の前では昔のままの、素のオリーフィアでいてほしい。」
「ライナス様…。」
「どうだろう。俺と結婚してくれないだろうか…。」
ライナス様、声が少し震えている。それに、なんだかとても弱々しいわね。いつも頼もしく思えたライナス様が、緊張しているのかしら?
どうしよう…素直に嬉しいわ。
あんなに貴族社会へ戻るのは、一人では嫌だと思っていたけれど、ライナス様となら…。
「はい…。」
「本当か!?やった!ありがとう!オリーフィア、一生幸せにする!!」
そう言ってライナス様は立ち上がり、私の隣に座って引き寄せられ、抱き締められた。
「はー。この時をどれだけ待ち望んでいた事か!!それでな、オリーフィア明日卒業式だろう?今日はこれを贈り物とするよ。」
そう言ってライナス様は上着のポケットからブレスレットを取り出した。
金色のチェーンに青紫色の宝石が敷き詰められて付いたもの。
それを、私の左腕に嵌めてくれた。
なんだか、ライナス様の手が震えている様子で、ゆっくりとしてくれた。
「緊張で、手が震えてしまって…でも嵌めれてよかった。指輪は、結婚の時にまた贈るからな。ドレスは、さすがに間に合わなくて済まない。今日は卒業のお祝いだ。知っているか?ブレスレットは、贈る側が相手を手放したくないという思いで贈るらしい。相手を繋ぎ止めておきたいんだと。俺も全くそう思っている。そんな俺だけど、いいか…?同じ想いだと嬉しい。好きだ、オリーフィア。」
扉は、開け放たれていていつ誰が入ってくるのか分からないけれど、ライナス様は私をまた抱き締めてくれた。
私はもう、為すがままになってしまったわ。
体中がドキドキと音を立てているみたいよ。でも、心地良い、とそう思ってしまった。いつまでもこうしていて欲しいと願ってしまう位に。
明日は卒業式だけれど、これなら参加出来るでしょう。
「お客様がいらっしゃいました。どうされますか?」
私は今日も部屋にいて本を読んでいた。オルガにそう言われ頭を上げると、窓から見える景色は赤く染まり始めており、いつの間にか夕方だったんだと気づいた。
「こんな時間に?どちら様?」
「ライナス様ですよ。」
「え!?」
自分でも、途端に顔が赤くなるのが分かった。
でも、素知らぬふりをして、オルガに言った。
「分かったわ。こちらにお通しして。」
私が応接室に行ってもいいけれど、少し時間も掛かってしまうし、以前も部屋に来てもらったしいいわよね。
ライナス様はあれから毎日お花を送ってくれた。
それも多分、ライナスのお屋敷に咲いている花やカンパニュラだと思う。
それを見ていると、昔の事を思い出す。優しかったライナス様と、お兄様と一緒に仲良く遊んでいた日々。
早くライナス様に会いたい、ライナス様のお屋敷に行きたいと思うようになっている自分がいた。
「オリーフィア。怪我の具合はどうだ?外にもあまり出られないだろう?庭園にいる気分になれるかと思ってな。贈り物は気に入ってもらえただろうか。」
そう言って、ライナス様は部屋に入って来て下さった。
私は、自分が座っている近くのソファを促し、ライナス様に座ってもらった。
「ライナス様、ありがとうございます。毎日送っていただきまして、昔を思い出しておりました。」
「そうか…そうだな。あの頃のようにまた、オリーフィアの心を俺にさらけ出して欲しい。王妃とまではいかないが、公爵夫人もまた他者への振る舞いに気を配らないといけないだろう。だが、俺の前では昔のままの、素のオリーフィアでいてほしい。」
「ライナス様…。」
「どうだろう。俺と結婚してくれないだろうか…。」
ライナス様、声が少し震えている。それに、なんだかとても弱々しいわね。いつも頼もしく思えたライナス様が、緊張しているのかしら?
どうしよう…素直に嬉しいわ。
あんなに貴族社会へ戻るのは、一人では嫌だと思っていたけれど、ライナス様となら…。
「はい…。」
「本当か!?やった!ありがとう!オリーフィア、一生幸せにする!!」
そう言ってライナス様は立ち上がり、私の隣に座って引き寄せられ、抱き締められた。
「はー。この時をどれだけ待ち望んでいた事か!!それでな、オリーフィア明日卒業式だろう?今日はこれを贈り物とするよ。」
そう言ってライナス様は上着のポケットからブレスレットを取り出した。
金色のチェーンに青紫色の宝石が敷き詰められて付いたもの。
それを、私の左腕に嵌めてくれた。
なんだか、ライナス様の手が震えている様子で、ゆっくりとしてくれた。
「緊張で、手が震えてしまって…でも嵌めれてよかった。指輪は、結婚の時にまた贈るからな。ドレスは、さすがに間に合わなくて済まない。今日は卒業のお祝いだ。知っているか?ブレスレットは、贈る側が相手を手放したくないという思いで贈るらしい。相手を繋ぎ止めておきたいんだと。俺も全くそう思っている。そんな俺だけど、いいか…?同じ想いだと嬉しい。好きだ、オリーフィア。」
扉は、開け放たれていていつ誰が入ってくるのか分からないけれど、ライナス様は私をまた抱き締めてくれた。
私はもう、為すがままになってしまったわ。
体中がドキドキと音を立てているみたいよ。でも、心地良い、とそう思ってしまった。いつまでもこうしていて欲しいと願ってしまう位に。
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